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「俺本気だから、男して見てほしい。」
そう言われたのが1週間前。
自分が焦っていると時間が経つのは早く、授業なんて聞ける頭なんて今は持ち合わせてない。
あんなこと言われたらしょうがないと思う、人生初の告白を幼馴染から言われたのだから。
『はあ、もうわかんないよ、、。』
山﨑「どうしたのため息なんかついて。」
『うわぁ!びっくりしたー、、何ですか急に。』
山﨑「友達に連れて来てって言われたんだよ、本当は紹介したくないんだけど。」
森田「こんにちはー。」
大園「うわぁ、天ずるいなー。」
山﨑「何でついてくんだよ。」
森田「そりゃあ、、。」
大園「ねぇ?」
『森田ひかると大園玲、、?』
大園「え!俺のこと知ってるの?」
山﨑「わざとらしいわ。」
森田「あーほら戸惑っとる。」
『それで私はなんで紹介されるんですか?』
大園「あの天様が自分から話しかける女の子がいるって聞いたからさ。」
森田「珍しいよー。」
山﨑「お前らうるさいんだよ!」
必死になってる山﨑先輩を見て少し可愛いと思ったのはここだけの話。
昼休みの空き教室にまで来て物好きな人たちだな、ギャラリーが来ないこと祈るばかりだけど。
大園「ねぇねぇ!天とはどんな関係なの?」
『いや別にどんなって聞かれてもただ朝ジュース買ってもらっただけで。』
森田「えー、俺らにも買ってくれないのにね。」
大園「ほんとそう笑、かっこつけてた?」
山﨑「うるさいなー、早くどっか行けよ!」
大園「そんな怒んないでよ〜。」
『あの、、。』
森田「あ、指血出てるよ?」
山﨑「俺ティッシュ持ってへん。」
森田「とりあえずこれはい。」
『えっ、ありがとうございます、、///』
大園「ひか君さっすが〜!」
山﨑「もういいやろ!はよ行け!」
そこからまた大園さんと森田さんに質問攻めをくらい、山﨑先輩が必死に俺より仲良くなろうとすんなと言いながら手で追い払い2人は廊下に出て行った。
廊下からはキャーキャー声が聞こえる。
『相変わらずすごいですね。』
山﨑「2人ともかっこいいからね、ひかるは優しいし。」
『先輩もかっこいいと思いますけど。』
山﨑「え、俺のことかっこいいって思ってくれてるの。」
『顔はかっこいいと思います。』
山﨑「顔だけでも嬉しい!」
『は、はぁ。』
山﨑「ひかると俺だったらどっちがかっこいい?」
『んー、、森田先輩?』
山﨑「やっぱひかるかー、、絆創膏貼ってもらうとき顔赤くなってたもんね。」
『きゅ、急に手握られたからで、、でも山﨑先輩好きっていう子の方が多いですよ。』
山﨑「俺は名前ちゃんにかっこいいって思ってほしいんだよ。」
『なんですかそれ。』
山﨑「んー、好きだから?」
『はい!?』
この間の出来事のせいで「好き」という言葉に敏感になっていた私は、机が倒れかけるくらい過剰に反応してしまって驚かれる。
どうしたのか聞かれて迷ったが自分に怒ったことを話すと山﨑先輩の顔が強張った。
山﨑「名前ちゃんはそいつ好きなの?」
『わかんないですよ、、。』
山﨑「なら俺にもまだチャンスある?」
『はい?』
山﨑「ごめんなんでもない、それと今会いにきたのはもう1つ用事というかお願いがあって。」
『なんですか?』
山﨑「今日一緒に帰らない?っていうお誘い。」
『え、やです。』
山﨑「お願い!」
顔を下に向けながらパンっと手を合わせてお願いしてくる山﨑先輩。
一緒に帰りたくないというか、本人が嫌でとかではないんだけどどうしても周りのファンの人たちに変な噂でもたてられたら嫌だし、なんか少女漫画みたいないじめされたら嫌だしっていう気持ちが大きくて今食い気味に断りをいれた。
それでもめげてくれなくて15分の攻防の末1回くらいならと思って渋々折れて承諾した。
山﨑「絶対ね!あ、教室とか校門で待ってるとうるさいだろうからまたこの教室来てよ、その方が帰りやすいし。」
『今日だけですから。』
山﨑「、、、、とりあえず今日ね!じゃ!また後で!」
『はい、また。』
にこっと笑って心底嬉しそうな顔をしながら教室から出て行った山﨑先輩、そして取り残された私。
昨日といい今といい、なぜ私はこんなに脳みそを使う出来事にあうのだろうか。
ただ心のどこかで少し嬉しい私がいるのはなんなんだ。
学校一のイケメンと帰れるから?それとも夏鈴以外の男の人と関係を築こうとしているこの状況にワクワクしてるだけ?
もしあるとすれば後者かもしれない、今まで誰かと付き合ったことはおろか恋愛としての好きという感情を持ったことがないから変化が起こるかもしれないというこの状況を楽しんでいるだけなんだ。
とにかく夏鈴に連絡しなければ。
あー、なんか緊張する。
『もしもし。』
藤吉「どうした?」
『今日の帰り学校来なくて大丈夫。』
藤吉「なんかあった、、?昨日のこと気にしてるならごめん。」
『ううん、気にしてないとは言わないけどそれが原因じゃなくて一緒に帰る人いて。』
藤吉「今日から?」
『今日だけ、帰ろって誘われたから。』
藤吉「うん、わかった。ありがとな連絡してくれて。」
『ごめんね急で。』
藤吉「大丈夫、友達やろ?」
『友達、、なのかな。』
藤吉「ちょっと待って、男?」
『う、うん。』
藤吉「まさか山﨑って先輩?」
『そうです、、。』
藤吉「誘われたん。」
『今急に言われて、、いいって言うまで解放してくれる気なくて。』
藤吉「そっか、わかった。」
『夏鈴怒ってる、、?』
藤吉「全然怒ってないよ、大丈夫。」
『ほんとごめんね!また明日ね。』
藤吉「うん、またね。」
藤吉「はぁ、、、。」
井上「どしたん。」
藤吉「ださ、急に自信なくて。」
井上「え、俺?」
藤吉「ごめん俺今話せる元気ない。」
井上「おいどうしたんだよ。」
なんだよ帰り誘われたって、絶対狙ってんだろ。
もし遊びで誘ってるなら俺がぶん殴るけど、どうしよあんなかっこいいやつに帰り誘われるとか俺もう負け戦だ。
しかも俺イライラしてたのバレてるしめちゃくちゃだせえ。
あー、絶対名前好きになるよなー。
暗くて冴えない余裕ない男よりキラキラしてて愛想よくて顔もかっこよくて完璧なやつの方がいいに決まってる。
井上「夏鈴!」
藤吉「井上、だから今は。」
井上「名前ちゃんとなんかあったんやろ。」
藤吉「そんなんじゃない。」
井上「嘘つくなよ、お前がそんなになるの名前ちゃんしかおらんやろ。」
藤吉「、、、、。」
井上「まさか彼氏でも出来たん!?」
藤吉「ちゃうよ、学校一のイケメンから狙われてんねん。」
井上「まじか!まさかそんなんで諦めようって思ってるん。」
藤吉「だって俺なんかより、「馬鹿かお前!」
井上「夏鈴の方が名前ちゃんとの時間長いやろ!1番近くで見てるんやろ、ずっと好きなんやろ!そんなんで諦めんな!」
藤吉「井上声大きい。」
井上「知らんわ馬鹿!そんなんで諦められるくらいの気持ちなんか?ちゃうやろ!」
藤吉「ちゃうけどさ。」
井上「せやろ?なら自分から捕まえにいけよ。」
藤吉「井上なんかかっこええな。」
井上「夏鈴なら大丈夫や、俺が言うんやから。」
藤吉「ありがと井上。」
名前だけは絶対誰にも渡さんからな。
帰りのHRも終わり5分くらい歩いて空き教室に行くと誰もおらず、お昼に座っていたとこに座って山﨑先輩を待つ。
10分、15分待てど足音が聞こえてくることはなく忘れてしまったのかなと思う。
かといって呼びに行くほどの事でもないし後10分待って来なかったら帰ろ。
イヤホンを耳につけようとすると窓越しに物音が聞こえて顔を上げると疲れた顔の山﨑先輩がいた。
とりあえず窓開けないと、、てかこの人なんでベランダにいんの?
山﨑「ごめん!遅くなった!」
『え!なんでベランダにいるんですか!?』
山﨑「教室出れなくてさー、忍者みたいにシュシュって降りてきた。」
『バカだ、、。』
山﨑「待たせてほんとごめん!帰ろ!」
『は、はい。』
山﨑「もうみんな部活行く時間だし、人は少ないはずだから。」
そっとドアを開けて確認すると人の気配はなくてそのまま出て行き学校を出る。
この人の家もわからないし、一緒に帰るといってもどこに帰るんだろう。
山﨑「名前ちゃんのお家の人って門限とか厳しい?」
『そんなことはないですけど。』
山﨑「ん!じゃあこのまま遊びに行こ!」
『え、ちょっと!』
山﨑「はい、乗った乗った〜。そんじゃあゴー!」
『降ろしてください!』
山﨑「どこ行こっかー、あ!ゲーセン行く?俺うまいよ!」
『人の話聞いてますか!?』
山﨑「ん?ボウリングの方がいい?」
『ああ、もう。どっちでもいいですよ!』
山﨑「じゃ両方ね!」
自転車に揺られながら着いたゲームセンターはどうやら新しく入ったパンダの大きなぬいぐるみがある。
ほしい、、けど我慢しよ。
こんなでかいの持って帰ったら怒られる。
お菓子にしよう。
山﨑「なんかいいのあった?」
『あの辺のお菓子とか。』
山﨑「このパンダ欲しいのかー。」
『え?』
山﨑「すごい熱い視線送ってたじゃん、任せろ!」
お金を両替しに行って帰ってくると正面、横から見てアームを動かしているが重いのかなかなか思うように動いてくれない。
試行錯誤しながら2000円くらい使ってようやくゲットできて、私も嬉しくて思わずハイタッチをしてしまった。
私が1円も払ってないのにもらうことはできなくてそのまま山﨑先輩に返すと、少し眉を下げながら笑って言った。
山﨑「もうー、俺は名前ちゃんにあげたくて取ったの。もらって欲しいなー。」
『でも私お金出してないですし、、。』
山﨑「いいの!プレゼントだから、ね?」
『すみません。』
山﨑「いーえっ!じゃあもうその申し訳ない顔終わりね、ほらにこーって。」
自分の口元を人差し指であげてにこにこ笑った後、ぬいぐるみに声をあてて話しかけてくる山﨑先輩が面白くて思わず笑った。
それに反応した先輩がぬいぐるみを片手に抱えてぽんぽんと頭を撫でてきた。
『う、、!』
山﨑「え、ごめんやだった!?」
『違うと言えば違いますけど!あー、もう次行きましょ!』
山﨑「え、あ!ちょっと速いって!」
その後ボウリング場に行って1時間くらい遊んだ後私は家の近くのコンビニまで送ってもらった後、山﨑先輩は帰って行った。
最初は勢いに負けてしまったけどなんだかんだすごく充実した放課後で楽しかったのが本音。
お菓子を買いたかったけどこれを持ったままはさすがに入れなくて自分の家の方へと歩いて行こうと思った時、後ろから声をかけられた。
『あ、夏鈴。』
藤吉「そんな大きいぬいぐるみ持ってコンビニ?」
『ゲーセンで取ってもらって。』
藤吉「そっか、楽しかった?」
『う、うん。』
藤吉「良かったね、、、なぁ名前。」
『ん?』
藤吉「、、、、ごめんなんでもない。帰るんやろ?」
『あー、、お菓子買おうと思ったんだけどこれあってどうしようか迷ってて。』
藤吉「これやろ?」
そう言って持っていた袋から私がよく食べているチョコレートを渡してくれた。
ありがたく受け取って帰ろうとした時にまた後ろから声をかけられて、振り向くとそこには息を切らした先輩の姿があってなぜかはわからないがどうしようという気持ちが出てきた。
山﨑「これっ、、はぁ、忘れ物、、。」
『あ、ほんとだ。すいませんわざわざ。』
山﨑「あ、、こんばんは。」
藤吉「こんばんは。」
山﨑「随分機嫌悪そうな顔してますね。」
藤吉「そのまま返しますよ。」
先輩が自転車から降りて一歩前に出て夏鈴を見つめながら言った一言に空気がピリついたのを感じた私は、その空気に耐えられずコンビニに入ってしまった。
中から少し様子を見ていたけど明らかに夏鈴の顔が機嫌が悪い時の顔で、私に矛先が向いているわけでもないのに焦ってしまう。
そこからほんの数分で会話は終わったようで山﨑先輩は帰って行った。
『夏鈴、顔怖いよ?』
藤吉「えぇ?あ、ごめん。」
『喧嘩しないでよね、、。』
藤吉「庇ってんの?」
『違うよ!ただ揉めてほしくないだけ。』
藤吉「嘘だよ、ごめん。喧嘩なんかしないよ。」
『ならいいけど、、。』
藤吉「帰ろ。」
『え、ちょっと。』
そう言って私が抱えていたぬいぐるみを左側に抱えて家まで帰って行ったんだけど、気に入ったのか家の前に着いてもなかなか離すことはなくて。
なんならむしろ力いっぱい抱きしめた後に私に返してきた。
夏鈴ぬいぐるみなんて好きだったけ、、?
『すごい夏鈴の匂いする、、寝るときなんか気まずい。』
おまけ
コンビニの外で行われていた会話
山﨑「名前ちゃんの幼馴染らしいですね。」
藤吉「やったらなんですか?山﨑さん。」
山﨑「ううん、ただ挨拶しとこうと思って。これから長い付き合いになりそうだし。」
藤吉「言ってることわかんないんですけど。」
山﨑「自分だけじゃないで、名前ちゃんのこと好きなの。」
藤吉「は?遊びで言うとんならそんくらいで終わりに」
山﨑「おーこわ笑、もっと笑わないと怖がられちゃうよ?後遊びでもないし俺本気だから。」
藤吉「名前と2人で遊びに行ったみたいやけどそれができんのも今のうちやからな。」
山﨑「そのまま返すわ、幼馴染だからって余裕こいてると足元すくわれんで。」
藤吉「最近知り合ったやつなんかに言われたない、絶対渡さんからな。」
山﨑「自分のもんみたいな言い方やなぁ、告白したからって恋人気取り?」
藤吉「その煽る余裕すら無くさせたるわ、そんな威勢はれんくらいな。」
山﨑「内心焦っとるんやろ。」
藤吉「焦っとるつもりない。」
山﨑「ふーん、、余裕ない男はモテへんよ。」
藤吉「それは自分もやろ。」
山﨑「引かんなー、まぁ夜だし俺ももう帰るわ。じゃあね幼馴染くん。」
藤吉「その呼び方やめろ。」
山﨑「名前知らんもん。」
藤吉「なんで俺が名前教えないとあかんねん。」
山﨑「人の名前は知っとる君が言うんや。」
藤吉「、、、はぁ。藤吉夏鈴。」
山﨑「ふーん、またな夏鈴君。」
小さな戦いが終了した後のそれぞれ
藤吉「なんやねんあいつ、、、あれのどこがいいんや。大体名前も名前や、なんですぐ知らんやつにほいほい着いていくか普通。俺の告白無かったことになってるんかな、、。」
山﨑「こっわ、ひかるに電話しよ。」
山﨑「あ、ひかるー。さっきな?名前ちゃんの幼馴染に会ってん。、、ん?まじに決まっとるやろ、だからモテ男のひかる君と作戦会議すんねん。ぞのはダメだよ、チャラいもん。」
次で終わります
