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藤吉「おはよ。」


『おはよ〜、あれ自転車買ったんだ。』


藤吉「うん、走るの疲れるし荷物入れられるから。入れる?」


『じゃあお言葉に甘えてー。』




通学路、毎朝迎えにきてくれるこの大人しそうで頭が良さそうに見える青年は藤吉夏鈴。


私の幼馴染である。

学校も違うのに、私が高校に入学してから1年間ずっとわざわざ早起きしてまでこうして送ってくれるわけである。
しかも帰りまで正門の端で待ってくれる。





『荷物助かった!またあとでね!』


藤吉「うん。」


『ん?』


藤吉「あそこ人集まってるね。」


『あれはね2年の先輩たちだよ、すっごいかっこよくてファンクラブできてるらしいよー。』


藤吉「そうなんだ、、話したことあるの?」


『ううん、接点なんてないしそんなに興味ないから。』


藤吉「そっか、、じゃ。」


『はーい、あ!そういえばさ。』


藤吉「ん?」


『眼鏡はいつ取るの?』


藤吉「あー、うん。気が向いたらかな。」


『えー、まぁいいや。またねー!』





自転車を立ち漕ぎしたのを確認して下駄箱に向かうと同じクラスの友達に声をかけられる。


人集りの中を掻い潜ってきたようで若干お疲れモード。
いつもより近くで見れると思ったら知らない間に後ろに壁が出来上がっていたらしい。



なら見に行かなきゃいいのにと伝えるといい顔面は目の保養になると何故かドヤ顔をしていた。




『山﨑先輩だっけ?』


「そう!山﨑先輩と〜、大園先輩に森田先輩!みんな違うタイプのイケメンでさー、山﨑先輩は今日見なかったけど。」


『森田先輩だっけ、1番好きなの。』


「うん!ブレザーがちょっと大きめになっちゃってるのも可愛いし、カーディガンになった時はあの甘いマスクがもう最高で!」


『あーはいはい。』





これ始まったらキリがない、自販機に行って飲み物を買おうとするとちょうどいい具合に同じタイミングにバッタリしちゃうことあるよね?

それが起こってしまいちょっと気まずい。





『先どうぞ、、え。』


「いやいや、後輩に譲られるなんて嫌だから先どうぞ?レディーファースト。」


『いやあの、先に買ってください!っていうか失礼します!』





顔をあげるとみんなの憧れの的、山﨑天。

こんな人と話してたらこっちまで注目されるしましてやファンクラブの人たちに見つかったらヘイトが向く。

今すぐにでも教室へ行きたい、、。







山﨑「ちょいちょい!」


『あのー離してもらっても、、。』


山﨑「何買おうとしたの?」


『カフェオレですけど、またあとで買います。』





チャリン、、ガコン。



山﨑「どーぞ、もらってくれないとこのまま離さないけど。」


『、、、、ごちそうさまです。』


山﨑「素直だねー、じゃあねー。」







教室に戻ると話したこともないクラスメイトの子に何故山﨑先輩に腕を掴まれていたのかと質問責めにあってしまった。

それを聞いていた友達も何故か一緒になって問いただしてくる始末である。


味方じゃないんか。




ただジュースを買おうとしたらバッタリ会ってしまったと言っても疑われてしまうし、こっちは本当の事を言ってるだけなのに。

とりあえず話を終わらせて席に着いたが、そこから授業中にまでチラ見の視線をクラス中から感じていつもよりだるい授業になった。






『疲れたーーー。』


「にしてもなんでいたの?」


『だーかーらー!ジュース買おうとしたらたまたまタイミング被って、それでジュース買ってもらっただけ。腕掴まれたのは私も知りません!』


「は、はい。」


『あれ、怒られると思ったんだけど。』


「いやー私は森田先輩推しだから。」


『そーですかー。』






帰る準備を終えて下に向かっていくと何故かうちの学生たちがざわざわし始めて、またあの3人のうちの誰かがファンサしてるんだろうと思ったけどそうではないみたい。


正門の方まで降りていくと女子の群れができていて、芸能人でも来てるのかと思うわ。





「あ!違う学校の子じゃない?学ランだし。」


『へー学ラン、、学ラン?ちょっとごめん。』


「うわー背たかーい、誰に電話してんの?」


『もしもし!?もしかして囲まれてる?あーわかった、、。』


「ねぇもしかしてあの人、、、。」


『幼馴染。』


「まじ!?」






こんなことになるとは思わなかった、しかも今までもみんなの目に見えるところにいなかったわけではないのに何故だろう。


できれば近づきすらしなくないんだけど、幼馴染が困っているのなら仕方がない。







藤吉「あのっ、、すいませんそういうのは間に合ってるので!」


「彼女いるんですか!?」


藤吉「好きな人いるんで、、あ!名前!」


「え、苗字さんの友達?」


「うわー、いいなぁー。」


『すいません帰るんで!って、、、ほら行くよ!』


藤吉「うん。」






私はその時ある人たちからの視線に気づくことはなく、いつもより疲れたせいで機嫌が悪くなりながら夏鈴と一緒に歩いて行った。
































『眼鏡取ったんだね、かっこいいと思う。』


藤吉「良かった、そう言ってくれて。」


『なんで朝聞いた時濁したの?』


藤吉「びっくりするかなと思って、サプライズ的な?」


『確かにびっくりしたけどさ。』


藤吉「眼鏡外しただけであんな風になるとは思わなかった。」


『え、モテたかったの?』


藤吉「そういう訳じゃないけどかっこいいって思われたいかも、、しれない。」


『何それ笑。好きな人でもできたの?』


藤吉「いるー、、かな。うん、いるよ。」







夏鈴に好きな人がいたなんてびっくりだけど、そりゃ高校生だしいるよねとは思う。

私はどうなのか聞かれたけどこれといっていないのでいないよーと答えると、夏鈴は少し疑惑の目をしながら本当に?と聞き返してくる。


どうやら私の学校にいるあのイケメンたちを知ってるそうだ。
隣の学校にまでファンを抱えてるんなんてインフルエンサーかっての。







藤吉「1番身長高いやつ、これ。」


『あー山﨑先輩ね、かっこいいよねー。』


藤吉「俺とどっちがかっこいい?」


『え、どうしたの急に笑』


藤吉「ううん冗談。」


『にしても好きな人できたかー、ちょっと寂しいかも。』


藤吉「なんで俺に好きな人できたら寂しいの?」


『お話相手いなくなっちゃうじゃん?』


藤吉「ああ、そう。」








家に着いてご飯を食べてたらお母さんからアイスを買ってきてと頼まれたので、パジャマで行くか悩んだけどどうせコンビニだしと思って上着を1枚羽織って出て行った。


10分くらい歩いてコンビニに着き、アイスコーナーを見てどれを買おうか迷っていると店員さんに声をかけられる。

コンビニで声かけられるとか知り合いでもない限りあり得ないだろ、ましてやこのコンビニ知り合いいないし。






「迷ってるならこのアイスおすすめですよ。」


『ええ!?なんでいるの、、。』


山﨑「名前ちゃんこんばんは笑」


『こんばんは、なんで名前知ってるんですか。』


山﨑「随分とラフな格好だね。」


『関係あります?ていうか私もうアイス買って帰るんで。』


山﨑「レジやるの俺だけどね。」


『誰でもいいです。』


山﨑「俺がお勧めしたやつ買ってくれたんだ。」


『私も気になってたんで。』


山﨑「はいどーぞ。じゃあまた学校でね。」


『はい。』




キラキラな営業スマイルをされながらビニール袋を受け取る。
正直かっこいいし、みんなが夢中になる理由が少しだけわかったかもしれない。


顔を見てると何か思い出したような顔をして、あのさ!と前のめりになってくる。






山﨑「今日帰る時随分とイケメンな子と帰ってたけど彼氏?」


『違います。』


山﨑「違うんだ。」


『他に何かあります?』


山﨑「んー断られそうなんだよな。連絡先交換してくれない?」


『別にいいですけど。』


山﨑「え!まじ!やった〜。」


『でも学校で話しかけてこないでください、あなたのファンに殺されるんで。』


山﨑「それは本当にごめん。嫌な思いさせたよね、ぞのから聞いた。」


『ぞの?』


山﨑「大園玲、俺とよく一緒にいて小さくない方。」


『あー、はい。あのチャラそうな。』


山﨑「チャラいって笑。ぞのには気をつけてね、チャラいの嫌いそうだから引っかからないとは思うけど。」


『は、はぁ。』


山﨑「ごめんね引き止めて、俺もうあがりだから送ってくよ。」





そう言われてずっと断ってたんだけどアイスもあるし折れて待つこと1分。

髪型が崩れてることも気にせずドアから出てくると菓子パンを咥えながらお待たせー、なんて呑気な声を出して近づいてきた。




山﨑「本当に彼氏じゃないの?」


『違います、ただの幼馴染なんで。』


山﨑「幼馴染ねぇ〜。じゃあ向こうから告白されたらどーすんの?」


『想像しにくいですね、、わかんないですその時にならないと。』


山﨑「結構恋愛鈍感なタイプだね。」


『なんでそうなるんですか。先輩こそいないんですか?モテるのに。』


山﨑「あー俺顔とかだけで近づいてくるの無理なんだよね、中身見ようとしてくる人なんていないから。」


『そんなことないかもしれないですよ。』


山﨑「そんなことあるの、今までずっとそう。機嫌取りされる側も疲れるんだよ。」


『モテる男は大変ですね。』


山﨑「だから名前ちゃんと話したくなるんだよね、そういう気全然ないじゃん。」


『そうですか、じゃあ私ここなんで。』


山﨑「あのさ!やっぱ学校でも話しかけたいんだけど、、。」






若干捨てられた子犬のような顔をしてきたのでさすがに可哀想かと思ったのと、こんな人気者に我慢させたら神様に何されるかわからないからとりあえず許可だけ出した。

いいですよ、というとニコッと笑って手をブンブンと振りながら帰って行った。


嵐のような人だな。



家の中に入ってアイスを食べた後部屋でゴロゴロしてると夏鈴から電話がかかってきて散歩に誘われる。

外に行くとパーカーを着た夏鈴が玄関先で待っていて、一緒に公園に向かって歩き始める。




藤吉「名前さ。」


『んー?』


藤吉「好きな人いないの?」


『なんか今日はよく恋愛の話されるなー、別にいないよ。』


藤吉「そっか、あのさ!俺、その、、、。」


『ん?』


藤吉「すごい困らせるかもしれないんだけど。」


『え、やだ。』


藤吉「じゃあいいよ、言わない。」


『拗ねないでよー。』


藤吉「拗ねてないよ。」







1時間くらい散歩をした後に家に着いて中に入ろうとした時に手首を掴まれて、後ろを振り向くと少し息を吸って吐いた後に覚悟を決めた顔になり、衝撃の一言を放った。




藤吉「名前。」


『なに?』


藤吉「俺名前のこと好き。」


『え?』


藤吉「中学の頃から名前のことずっと好き。」


『ちょ、ちょっと待って。私!?』


藤吉「うん。」


『いやいやいや、からかってるんでしょ笑。良くないよー。』


藤吉「困らせてごめん、でも俺本気だから。返事は答え出てからでいい、でも少しは俺のこと男として見て。」





その後夏鈴はじゃあまた明日、おやすみ。と一言だけ言って隣の家に帰って行った。


え、明日からどう接したらいいんだろう。
山﨑先輩が言ってたこと本当になっちゃったし、、。







『しかもなんで私顔熱いわけ、、////』












続きます。
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