森田ひかる
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小さい頃から人との距離の取り方がわからなかった。
親から心配されてたけど自分では家族がいればいいと思ってた。
でもそんな親は小学校の頃に亡くなった。
今思えば甘えられる時に甘えてれば良かったなって思ってる。
今は叔母の家に預けられてるけど、影ではお荷物扱いで味方なんて誰もいない。
別に他人と関わりたくない訳ではない、ただ関係を築くと言う行為がどうも上手くできなくて諦めた。
歩み寄ろうと頑張っても、すぐ周りの人たちはいなくなってしまう。
ノリが悪い、話がつまらない、面白くない、そんな言葉を投げかけられるのが辛くて壁を作った。
そこから1人でいようと思った、ずっと自分は孤独のまま生きてそのまま人生を終えるんだろうなって思った。
1人の時間が増えると不意に母親の顔を思い出す。
雨の日は特にそう。
「名前!」
『あ、お母さん。』
「1人で公園に行っちゃダメだって言ったでしょ!雨も降ってきちゃってるし、帰るよ!」
『ごめんなさい、、。』
「何もなくてよかった、、ごめんねお母さんが一緒にいてあげれる時間が少なくて。」
『ううん、、名前が悪いの。お母さんは悪くないの。』
「名前、、、。今日は好きなもの作ってあげるからね。」
『うん!』
あの包み込んでくれる温もりが頭をよぎってたまに寂しさ感じて涙を流す。
『会いたいよお母さん、、。』
会いたくてたまらない、会えるはずがないのに人というのは不思議なもので私は傘も刺さず近くの公園に歩いて行った。
「風邪引くよ。」
『えっ、、、?』
今まで降り注いでいた雨は声と同時に遮られた。
見上げるとそこには小柄な女性が飴を咥えながらこちらを見ていた。
『あの、、何か、、、?』
「いやいや!笑、ずぶ濡れになってる人にそれ言われちゃうかー。」
『、、、、。』
「お家帰らないの?こんなとこで雨にうたれてて楽しい?」
『楽しくはないですけど、、、家に帰りたくなくて。』
「ふーん、、。」
その人は真顔に戻るとしゃがんで目を合わせてきた。
目おっきいなー、まつ毛も長いし美人な人だな。
「つらい?」
『、、、、いや、大丈夫です。』
「私は今知り合った赤の他人やけ、踏み込んだこと聞く権利なんて持っとらん。やけどこのまま放っておけんくなっちゃったみたい。」
『、、もうやめたいんです。このまま消えたいんです。』
私は今までのこと、思っていることを全て話した。
止まったと思った涙はまた自然と流れてきてポタポタと手に落ちていく。
その人はただ手を握りながら相槌を打つわけでもなく、静かに話を聞いていた。
「家に帰りたくないなら私の家に来たらいい。」
『いやそれは、、。』
「私は困らないよ、それに消えたいって言っとる人にこのままバイバイなんて言えんし。」
「またこうやってお話聞くだけでもいいけ、消えちゃいかんよ。」
真っ黒な紙に真っ白のな天ができた感覚だった。
この人なら繋がれるのかもしれない、この人は違うのかもしれない。
これで最後だ、これがダメならもう諦めよう。
『今日は帰ります。』
「うん、わかった。近くまで送るよ。」
『また、、お話聞いてもらってもいいですか、?』
「もちろん、いつでもいくらでも聞く。」
『あの、お名前は。』
「ひかる、君の名前は?」
『名前です。』
「名前か、、よろしくね。」
『はい。』
このお姉さん、もといひかるさんに家まで送ってもらった。
叔母さんが文句を言ってきたがいつものようなしんどい気持ちにはならなかった。
ひかるさんのおかげなのかもしれない。
また会って話したい、、いつあの公園で会おうと約束もしていないのにまた会える気がするのはなんでだろうか。
不思議と雨も止んでいる。
明日が待ち遠しいと思うのはいつぶりだろうか、淡い期待を持ちながら布団に入った。
「ふーっ、、、あ、タバコ買い忘れた。」
最初は話しかけるつもりなんてなかった、でも放っておいたら消えてしまいそうな気がしたから声をかけた。
泣きながらも話してくれるのを見て柄にもなく助けなきゃいけないと思った。
人を助けようと思ったことなんて一度もなかったのに。
「なんでだろーねー、、、あ、連絡先知らないや。でも会えるか、会わなきゃいけないし。」
ガチャ
「ひーちゃん!お邪魔ー!あれおらん。」
「邪魔すんでー。」
「邪魔するなら帰ってー。」
今きた友人たちに相談でもしようか、でも勝手に話すのは良くないか、、。
森田「んーーー。」
田村「なんやおるやん。」
山﨑「またタバコ吸ってるー!だめだよー!」
藤吉「考え事でしょ、わかるよ吸いたくなるの。」
ゆくゆくはこの人たちとも会うことになるだろうな、んーーー紹介したくない、、。
全力で隠そうとしてみよう。
森田「今日も来ないかなー、、。」
あの日から3日経ったが名前が姿を見せることはない。
まさか、、。
いやそんな子には見えない。
ああいう子が自分から歩み寄った時、その行動を起こすとは思えない。
となれば、叔母さんというやつに何かされたか言われたのかもしれない、、、。
「ストーカーみたいで嫌だけど家の近く行ってみるかー。」
その頃
「家を出たいの?その方が助かるわ、お金自分でなんとかするんでしょうね。」
『バイトします。』
「ならいいわ、最初のうちなら残ってる保険金でなんとかなるでしょ、本当はこっちがもらってもいいくらいなのに。」
『明日から出ていきます、今までご迷惑おかけしました。』
「そう。」
なに間に受けてるんだ、家に来ていいなんて嘘かもしれないのに。
でもいつかは家を出ようと思っていたんだ、早い方がお互い良いに決まってる。
『自分から話したいとか言ったくせに会えてない、見捨てられちゃったかな、、、。』
とりあえず公園に行こう。
森田「あ、いた。」
『なんで、、ここにいるんですか?』
森田「いや会えんから何かあったのかと思って、近くをうろうろとしてました。」
『すみません、立て込んでしまっていたので。』
森田「ううん、大丈夫。それよりここから出てきたけど、、ここお家?」
『まぁ、はい。』
森田「立て込んでたって言っとったけどなんかあった?」
『テストが近いので勉強と、今さっき家での話をしました。すみません自分から話したいって言ってたのに。』
森田「んーん!気にせんで!それよりこの家出て住むところ決まってるん?」
『以前お話しいただいた、、。』
森田「うん、おいで。」
え、本当にいいんだ。
自分で言うのもあれだが、世の中変わってる人がいたもんだな。
『あ、あの!まだ何も準備してないので今日は、、。』
森田「、、、わかった。明日の夜迎えに行くから。」
なんか不機嫌そうな顔をしたけど気にしないでおこう。
山﨑「ひかるーー!明日泊まってもいいー?」
森田「だめ、というかもう今日からお泊まり禁止やから。」
山﨑「はぁ!?なんで!」
森田「だめなものはだめなの。」
山﨑「やだ!」
森田「やだじゃない、夏鈴とかのお家にしてね。」
山﨑「、、、、わかった。」
極力バレないようにせんと。
あーーー。
『「早く明日にならないかな。」』
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