“気に入らない”が気に入らない
「おっさん!」
“おっさん”呼びでスネークは盛大なため息をついた。
こんな呼び方するのは…
「何の用だハリネズミ」
「用がなかったら話しかけちゃいけないのか?」
「何故来た?お前、今日は朝から走り回っていただろう」
「お気に入りのコースはもう走り終わったんでね。それよりさ、今度一緒に
「断る」
「まだ何も言ってないだろ」
ソニックはムッとし、ため息をついた。
「…やっぱり、似てるな」
「何が」
「アイツと、おっさんが」
「アイツ?」
「おっさんさ、計画されて作られたんだろ?“優勢遺伝”ってやつか?」
「…誰から聞いた?」
「オタコンってヤツ、おっさんの仲間だろ?」
スネークはため息をつき、頭を掻いた。
「居るんだ。オレの仲間にも、そんなヤツが」
「まさか…双子がいるのか?」
「いや、おっさんみたいにエグくないし双子も居ない。ただ…アイツも造られたんだ。エゴでさ」
スネークは興味を持ったが、気持ちを抑えた。
「お前の世界と俺の世界は関係ないだろう」
「でも似てるぜ?」
「どこが…」
スネークはまたため息をついた。
「話は終わりだ」
「どう見ても終わってないだろ」
「知っているだろう。俺はお前が
「“気に入らない”んだろ?オレはそれが気に入らないんでね」
スネークはイライラし始めた。
「だいたい、俺とお前は住む世界が違いすぎる。お前は人を殺した事があるのか?血を流した事はあるか?命令された挙句に裏切られて捨てられたことはあるか?」
「オレだって
「無い、だろう。そんなお前に、俺の何が分かる?」
静寂。
「…OK, つまり、オマエはオレの事が大嫌いってことか」
「あのな、
「Don't worry, 話しかけなきゃ良いんだろ。じゃあな」
ソニックは走り去った。
……まぁ、アイツはまだ15だ。
すぐにまた絡んで来るだろう。