ナックルズママ

あぁ……
暇だ……

ソニックはソファにダラリと身を預け、寛いでいた。
……と言っても…
暇で暇で、とにかく暇で仕方がない。
でも、妙に気だるくて何もできない。
冷蔵庫から出した缶ジュースを飲みもせず、持ったままぼーっとしていた

前回エッグマンロボをボコボコに破壊したのは2週間前…
それから、特になーんにも無いんだよな…

カラン、と缶ジュースが音を立てて落ちた

エッグマンは音沙汰無し。
他に目立つ事件は起こってない。
平和……だから良い事なんだよな。
走りに行く気分でもないし…

「……ぃ…」

ソニックはハッと我に返り、声に振り返った

「おい!」
「…なんだ、ナックルズか」
「なんだとは何だよ、なんだとは。何回肩叩いたと思ってんだ」

肩叩かれた?
気付かないって…オレ、どうしちまったんだ?

「風邪でもひいてんのか?ボーッとしてるなんてオマエらしくないぜ」
「Why?」
「わい?じゃねえだろ。ジュース飲むことも忘れて、オレが声かけてんのに反応ねえし。ジュース落としたことすら気付いてねえじゃねえか」

ジュース?
ナックルズは、少し乱暴にソニックへジュースを押し付けるように渡した
あれ…
オレ、こんなの出したっけ?

「ジュース出した事も忘れてたのかよ…」

ナックルズはやれやれ、とため息を漏らした

「ほらよ」

ナックルズに投げ渡されたのは、体温計。

「熱測れ」
「風邪ひいてなんかないさ」
「いつから体温計と話ができるようになったんだ?」
「だから、
「測り方も知らねえのか?ナックルズ様が教えてあげまちょうか?」

ニヤニヤ笑うナックルズに少しムッとして

「OK,OK! 測れば良いんだろ測れば!」

体温計はあんまり好きじゃない。
測る時間が焦れったくてしょうがないから。

「なんだ、測り方知ってるなら最初から言えよな」
「へーへーオレが悪かったよ」

それから、数分後。

「367…?ソニック、オマエ367℃もあるぞ!?」
「36 “ . ” 7だ!オマエこそ、少しは体温計とお喋りした方が良いじゃないか?」
「ぅ、うるさい!…っそれより、熱あるのかよ?」
「No problem! 残念ながら、熱は“370℃”からだぜ」

ニヤニヤ笑うと、今度はナックルズの方がカチンときた様子。
ナックルズは慌てて話題を変えた

「飯は?食ったのか?」
「朝にな」
「今3時のおやつの時間だぞ」
「なーんか、食べたくないんだよなぁ」
「流石に食わないと夜まで持たねえぞ」
「オマエ、いつからオレのママになったんだ?」
「あのな!オレは心配してやってるんだ!」
「わかってるって。ナックルズに免じて何か食うか」
「って言っても、オマエ、今何なら食えるんだよ」

ソニックは少し考え、

「チーズ?」
「オマエはネズミじゃなくてハリネズミだろ」

ナックルズはため息をつき、
ソニックの上に何かをどさどさと落とした

「っHey! 何するんだ!」
「手土産だ手土産!持ってきて正解だったぜ」

よく見ると、フルーツだった。
ナックルズはリンゴを掴み、

「食欲が無い時はりんごジュースが良いんだってよ」
「どこの情報だよ?それ」
「テイルスが熱出してヤバいときあっただろ?その時ナースが言ってたんだ」
「オレ聞いてないぜ?」
「オマエが工房の鍵かけに行ってた時にだな…とにかく、リンゴだ!リンゴ食うぞ」

ナックルズはリンゴを大雑把に切って芯を取り除き、

「ほらよ」
「皮付きとはワイルドだな」
「なんだ、ウサギにしないと食えないんでちゅか?」
「その言い方やめろよ」
「オマエが文句言うからだぜ」

ナックルズはソニックより先にリンゴを一欠片食べた

「オマエも食うのか? 別いいけど」
「あ〜んして欲しいのか?」
「そんな事言ってないだろ…」

それから、結局果物をたらふく頂いたんだとか…


ちゃんちゃん!
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    ぱちぱち