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はじまり

パチッ………パチッ………

大事な城が燃えている

そんな中私はあの人の着物を着て横抱きにされていた

腸を矢で貫かれ動けぬ私

私の装束を着て敵陣に連れて行かれたあの人

お願いやめて、あの人を返して

とても高貴で護らなくてはならなかったあの人

そして、唯一の肉親であったあの人

霞む意識の中頭の中で反芻するあの人の言葉

『私の分まであなたは生きて。そして幸せになって。これは命令よ。』

恐ろしく慈愛に満ちたあの人の言葉

二度と会えなくなるのが怖くて怖くて

でも言う事を聞かない体

悔しくて、辛くて、悲しくて

涙が溢れた

どうか、どうか神様

私は死んでも構いません

だけど、だけどあの人の事は助けて下さい

そう祈り私は意識を手放した
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