露伴先生短編集
name change
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体温
「ん…」
月明かりがうっすらと部屋の中を照らす月夜。
情事の後、気だるさに任せてそのままベッドの上で微睡んでいた露伴は、隣にいる恋人の身じろぎでぼんやりと目を開けた。
「…どこ行くんだ、name」
ベッドを出て行こうとする白い背中に、露伴は掠れた声で呟きかける。
「あ、ごめんなさい…起こしちゃいましたか」
2人が初めて体を繋げたのはもう随分前のことで、裸を見せるのを恥じらうのは今更だろうと露伴は思うが、nameは咄嗟に腕で胸元を覆って顔だけで振り向いた。
「…どこ行くんだって、僕は聞いてるんだよ」
露伴は腕を伸ばしてnameの細い腰を自分の方へ引き寄せる。
「ん、」
情事の余韻が残っているのか、nameは腰に触れた露伴の指先に艶っぽい息を漏らした。
露伴はそのことに少し気を良くして、そのままnameを抱え込み、ベッドの中へ連れ戻す。
「ちょっと寒かったから、服を着ようかなって思ったの…」
ゆっくりと腕や腿の上を滑る露伴の指に身体を震わせながらnameはそう言った。
「寒い…?これでも寒いのかい、君?」
露伴は後ろからnameを抱きしめて、2人の頭の上まですっぽりと布団をかぶせる。
耳元で囁いて熱い息を吹きかけてやれば、nameは小さく声を漏らした。
「寒い時はさぁ、こうして人肌で暖め合うのが1番あったかいって、君知らないのか?」
露伴はnameの身体の向きを変えて、自身に向き合わせる。
暗闇の中で、nameの唇を探り、触れるだけの口づけを落とした。
「ん…ちょっと冷えてる。君、僕の腕から勝手に抜け出していたんだろ?」
ベッドの上でnameの身体を貪り、欲を吐き出すと猛烈な眠気に襲われたのは確かだが、露伴は眠りに落ちる前しっかりとnameを抱きしめて布団を被った。
情事の後、心地よいnameの体温に引きずられるようにして眠るのが露伴は好きだった。
「…だって、ずっと腕枕してもらってたら、先生腕痺れちゃわないかなって思って…」
腕の中でもぞもぞとnameが言うと、露伴はフン、と鼻を鳴らした。
「君みたいな痩せっぽち1人腕に抱えて眠ったからって、いちいち腕が痺れたりするわけないだろ。君、僕のことそんななよっちいやつだと思ってるのかよ」
露伴はnameの枕にさせている腕とは反対の腕で、nameの髪を優しく撫でた。
「寒いんなら、服なんて着るんじゃあなくて、僕の腕ん中へ大人しくおさまってりゃいいんだよ」
nameを自分と1つにしてしまうかのように、露伴はぴったりと肌を合わせてnameを抱きしめた。
「…なぁ、まだ寒いかい…?」
nameは露伴の胸に顔を寄せた。
とくとくと、露伴の心音が聞こえる。
露伴の体温と、その安心する音に誘われて、nameはじわじわと眠気が襲ってくるのを感じた。
「ううん…もう寒くない…」
露伴は満足したようにnameの髪を撫でてから、間も無く規則正しい寝息を立て始めた。
布団と露伴の胸に包まれ少し息苦しさがあったが、それさえ愛しくてnameもやがて満ち足りた気持ちで眠りに落ちた。
END
「ん…」
月明かりがうっすらと部屋の中を照らす月夜。
情事の後、気だるさに任せてそのままベッドの上で微睡んでいた露伴は、隣にいる恋人の身じろぎでぼんやりと目を開けた。
「…どこ行くんだ、name」
ベッドを出て行こうとする白い背中に、露伴は掠れた声で呟きかける。
「あ、ごめんなさい…起こしちゃいましたか」
2人が初めて体を繋げたのはもう随分前のことで、裸を見せるのを恥じらうのは今更だろうと露伴は思うが、nameは咄嗟に腕で胸元を覆って顔だけで振り向いた。
「…どこ行くんだって、僕は聞いてるんだよ」
露伴は腕を伸ばしてnameの細い腰を自分の方へ引き寄せる。
「ん、」
情事の余韻が残っているのか、nameは腰に触れた露伴の指先に艶っぽい息を漏らした。
露伴はそのことに少し気を良くして、そのままnameを抱え込み、ベッドの中へ連れ戻す。
「ちょっと寒かったから、服を着ようかなって思ったの…」
ゆっくりと腕や腿の上を滑る露伴の指に身体を震わせながらnameはそう言った。
「寒い…?これでも寒いのかい、君?」
露伴は後ろからnameを抱きしめて、2人の頭の上まですっぽりと布団をかぶせる。
耳元で囁いて熱い息を吹きかけてやれば、nameは小さく声を漏らした。
「寒い時はさぁ、こうして人肌で暖め合うのが1番あったかいって、君知らないのか?」
露伴はnameの身体の向きを変えて、自身に向き合わせる。
暗闇の中で、nameの唇を探り、触れるだけの口づけを落とした。
「ん…ちょっと冷えてる。君、僕の腕から勝手に抜け出していたんだろ?」
ベッドの上でnameの身体を貪り、欲を吐き出すと猛烈な眠気に襲われたのは確かだが、露伴は眠りに落ちる前しっかりとnameを抱きしめて布団を被った。
情事の後、心地よいnameの体温に引きずられるようにして眠るのが露伴は好きだった。
「…だって、ずっと腕枕してもらってたら、先生腕痺れちゃわないかなって思って…」
腕の中でもぞもぞとnameが言うと、露伴はフン、と鼻を鳴らした。
「君みたいな痩せっぽち1人腕に抱えて眠ったからって、いちいち腕が痺れたりするわけないだろ。君、僕のことそんななよっちいやつだと思ってるのかよ」
露伴はnameの枕にさせている腕とは反対の腕で、nameの髪を優しく撫でた。
「寒いんなら、服なんて着るんじゃあなくて、僕の腕ん中へ大人しくおさまってりゃいいんだよ」
nameを自分と1つにしてしまうかのように、露伴はぴったりと肌を合わせてnameを抱きしめた。
「…なぁ、まだ寒いかい…?」
nameは露伴の胸に顔を寄せた。
とくとくと、露伴の心音が聞こえる。
露伴の体温と、その安心する音に誘われて、nameはじわじわと眠気が襲ってくるのを感じた。
「ううん…もう寒くない…」
露伴は満足したようにnameの髪を撫でてから、間も無く規則正しい寝息を立て始めた。
布団と露伴の胸に包まれ少し息苦しさがあったが、それさえ愛しくてnameもやがて満ち足りた気持ちで眠りに落ちた。
END
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