I trust you 🌱🧸
「なぁ、、どうしたん...?」
リハ室から数メートル。自販機の横にある椅子にひいちゃんを座らせ手を握って聞く
「どうもせんよ...」
そんな苦しそうな顔をしてどうもしないわけが無いのに何も話してくれないことにモヤモヤする
「嘘つかんで。」
「え、」
「保乃な?苦しんでるひいちゃん見るの辛いんよ、、くだらん事でケラケラ笑ってるひいちゃんに戻ってや....」
お願いだから、、1人で抱え込まんといて。
大きくクリっとした目をじっと見つめ手を握る力を少し強くするとひいちゃんが喋りだした
「保乃ちゃん。辛いんよ、」
「期待されるのがな、辛くて、怖くて、どうしようもないんよ」
「....っ」
あぁ何でもっと早く気づいてあげられなかったんやろ。
いつだってまっすぐ前をむいて先頭に立ち続けてくれていたひいちゃんに甘えて、気づいてあげることが出来なかった事実が悔しくてしょうがない。
「なぁひいちゃん。1人じゃないで。」
「、?」
「確かに先頭に立ってるのはひいちゃんただ1人かもしれないけど、後ろにはみんないるで」
「やから、、たまには後ろ振り向いて見てもいいんちゃうかな....?ずっと前だけ見てるひいちゃんもかっこよくて好きやけど、たまには目合わせてくれないと保乃寂しい、、、」
思わず溢れた涙を少し骨ばった真っ白な手で拭われる
「ごめんな、、1人で戦う気になってた....」
少し微笑むさっきまでずっと険しい顔をしていた彼女。
「へへっ....//やっと笑ったなぁ」
「なっ....//」
笑顔になってくれたことに嬉しさが込み上げてそう言うと手の甲で顔を隠すひいちゃん。
ん?何で顔隠すん。。
「な、もっとお顔見してや」
「ほ、ほのちゃん....可愛すぎるけ....//」
「え((」
耳を真っ赤にしたひいちゃんに予想外のことを言われて保乃まで顔が赤くなる。
「ひ、ひいちゃん...そろそろ戻ろっ//」
「あ、うん..」
お互い真っ赤になった顔をなんとか冷ましながら歩いた。
*
リハ室の扉を開けようとした保乃ちゃんの手を掴む
「っ....?」
「ひいちゃん、どうした?」
さっき保乃ちゃんに向かって言ってしまった言葉。リハ室で大きな声で怒鳴ってしまったことを思い出して申し訳なさが溢れる。
「ごめんな、、保乃ちゃん。さっき怒鳴ってしまったけ....」
何とか謝るけど顔を見ることが出来ない
リハ室入るのやだなぁ。
返答がなくぼーっとしているとニコニコした保乃ちゃんが顔を覗き込む。
「んふふ笑 ひいちゃん?そんなん気にしなくて大丈夫やで??」
「そ、そうかな....」
「みんな分かってるから。それに保乃も隣に居る。」
「うん、」
ほら。行くよ。そう言って手を差し伸べる保乃ちゃんを見て夢を思い出す。
あぁあの時夢の中で伸ばされた手はこの子のだったのかもしれない。
「保乃ちゃん。ずっと引っ張りあげようとしてくれてありがとな」
「、??うん」
少し首を傾げて不思議そうにする保乃ちゃんに微笑む。
夢では触れることすら出来なかったその手を絶対に離さないようにギュッと掴みリハ室の中へと足を踏み入れた。
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