1 黒い髪の弟
父親の部屋を出て、アルフレッドはシンの眠っている部屋に向かった。シンは部屋の大きなベッドで眠っていた。
「シン、ごめんな……」
椅子に座ってシンのあどけない寝顔を見つめる。
(反乱分子が命を狙っている)
父親に言われた言葉が彼に重くのしかかる。どうしてシンが狙われるのか、アルフレッドには分からなかった。シンは幼い子供だ。
「……シン」
アルフレッドは弟の手を取り、その手が温かくなるまで握ると、眠っている弟の手の甲にそっと自分の唇を押しあてた。騎士は主と決めた相手に絶対の忠誠を誓う。
「俺が守ってやるからな」
騎士候補生にすらなっていなかった少年が、誰にも知られる事なく主に誓いを立てた瞬間だった。
「シン、ごめんな……」
椅子に座ってシンのあどけない寝顔を見つめる。
(反乱分子が命を狙っている)
父親に言われた言葉が彼に重くのしかかる。どうしてシンが狙われるのか、アルフレッドには分からなかった。シンは幼い子供だ。
「……シン」
アルフレッドは弟の手を取り、その手が温かくなるまで握ると、眠っている弟の手の甲にそっと自分の唇を押しあてた。騎士は主と決めた相手に絶対の忠誠を誓う。
「俺が守ってやるからな」
騎士候補生にすらなっていなかった少年が、誰にも知られる事なく主に誓いを立てた瞬間だった。