第2夜〜疑念〜
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教会裏手にある墓地で、おれは深いため息を吐いていた。
アクマの正体については、だいぶ当たりがついた。
だが如何せん、なかなかに嫌な任務に当たってしまったことは確かだろう。
悪い任務ではないとか思っていたけど、そんなことはなかった。
『情は一番の枷となる。任務遂行において、情に流されるなど最たる愚行と言えよう。』
引き摺られるように蘇った余計な記憶に、おれは追加で頭痛を覚えた。
「エリー様?」
リオネルさんの声にはっとする。
だいぶ顔に出てしまっていたようだ。
おれが苦笑しつつ「なんでもないです」と返したところで、通信用のゴーレムが鳴った。
余談だが、おれのゴーレムは丸い形にツノとも耳とも言えない突起が2つ生えたフォルムをしている。
シルエットだけならネコみたいに見えなくもないので、おれはこいつを結構気に入っている。
(ラビたちの方で何かあったか……?)
おれが通信を繋げると、すぐさまラビの声が聞こえた。
『エリー、まだ教会にいるんさ?』
「ああ、うん。調べたいことは粗方終わったから、そろそろ出ようと思ってるけど。」
『ならちょうどよかったさ。話しときたいことがあるから、一回合流してくんねえ?』
「……うん、了解。そしたら、村の南東に警察署があったと思うから、そこに向かってもらっていい?ついでに警察の資料も見ておこう。」
『おうさ。』
ラビの返事を聞いて、おれは通信を切る。
彼は「話しときたいこと」と言った。
話があるだけなら、通信で伝えるのでも十分なはずだ。
わざわざ呼び出すということは、余程人に聞かれるとまずい話なのか、そもそも「話」というのが呼び出すための口実なのか……。
何にせよ、急いでおいた方がいいだろう。
おれはリオネルさんに改めて礼を言うと、足早に警察署の方へと向かった。