第6夜 〜銀世界〜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ほうっと吐き出した息が白む。
目の前は一面の銀世界。
冬の只中のような駅に、おれは立っていた。
「異常気象の続く地域があるんだ。」
朝イチでコムイさんに呼ばれて、伝えられたのがこれだ。
なんでも、温暖な気候の地域であるにも関わらず、ここ2週間ほど雪が降り続いている街があるのだという。
「先行したファインダーの話では、雪が降っている場所は、カルロという街とその周辺の森のみ。一定以上離れると、パタリと雪は止むそうだ。持ち帰ってもらった雪の成分を分析したけど、それ自体は普通の雪と変わりなかった。ただ、降っている雪の量に比べて、積もっている雪が少な過ぎるから、何らかの超常的な力が働いているのは確かだよ。」
教団を出る前に受けた、コムイさんの説明を思い返す。
正直、奇怪としてはだいぶ地味だ。
けれど、温暖な地域で雪が降り続くとなると、そこに住まう人々からすれば死活問題だろう。
なんせ、寒さに耐性がない。
北海道の建物は、雪や寒さの対策がなされているけれど、東京の建物はそんなものにステータス極振りしてないから、雪が降ると大騒ぎになるのと同じ理屈だ。
明らかに理論上おかしなことが起きている以上、今回はイノセンスが関わっている可能性が高い。
つまり今回の任務内容は、イノセンスを回収して奇怪を止めて、アクマが潜伏していた場合それを殲滅すること。
「久々にイノセンスの絡む案件だなあ……。」
最近は単純に、アクマ被害と思しきものが多い地域へ、殲滅を目的として派遣されることが多かった。
今回のように、十中八九イノセンスが関わっている案件は久しぶりだ。
それに、組まされた相手も久方ぶりに会うものだ。
既に前回の任務地から、先行してこちらに来ていると聞いている。
雪に包まれた駅をぐるりと見渡すと、夜の闇のような黒いローブが、ぽっかりと浮いていた。
彼の団服にはフードがついていない。
雪除けのために上着を羽織ったのだろう。
頭から被っているローブには、薄ら雪が積もっている。
顔は見えないけれど、きっといつものように不機嫌そうな顔をしているのだろう。
おれは団服のフードを目深に被って、足早に彼の元へ向かった。
「神田!」
声をかければ、予想通り不機嫌な顔がこちらへ向けられる。
おれが笑いかけて軽く手を振ると、神田は舌打ちとともにおれに言う。
「遅え。」
