創作のおはなし

メタに頼ると発想が枯れる

2024/01/20 22:18
たまに新人賞がらみのご質問をいただくのですが(自分はプロでもなんでもないのですが……と思いつつ)、少し前に「創造力を磨くには?」といった主旨のご相談が届きました。

個人的には、ラノベ新人賞に必要な創造力ですから、当然ラノベをたくさん読むのが良いかなと思っています。個人的にも、ラノベ読まない時期が長く続くと、アイデアが枯渇気味となって困ります。

具体的には、創造力を磨くなら、ラノベやアニメ、ゲーム、映画などの視点を得られる創作物。想像力を磨くなら、ドキュメンタリーや学術書などの知識を入れられる媒体。といった感じでしょうか。より正確には、各媒体によってそれらが得られるというよりは、それらを得るには当該対象が効果的といったイメージです。
人によって合う合わないはもちろんあると思いますが、個人的な経験則の範囲内ですと、前者から想像力を、後者から創造力を磨ける人は、あまりいない印象です。

これはあくまで自分の感性の話ですが、想像は「なにかをフックとして機能する」感覚があるため、そのフック=知識や経験が必要となる気がしています。一方、創造も機能性としては同じ=フックが必要なのですが、そのフックが即物的だと、どうにもうまく機能しない印象です。
もう少し感覚的な話を残しておきますと、視点は思考を縦に深める、知識は思考を横に広げる上で効果的かなと思っています。

自分の場合、作品のテーマを現実のネタ(海戦やら中世史やら)から設定するため、そのための資料を大量に漁る期間があり、この間はラノベもアニメも映画も見なくなります(普段からそこまで見ないのですが)。そのため、創造力が一時的に驚くほど落ちるので、資料漁りが終わっても、プロットをはじめる前に必ずラノベやアニメにふれる、というリハビリが必要になります。この期間がそこそこ長いです。

自分自身、こうした現実をネタにする創作スタイルはラノベ向きではないと自覚しつつも、それしかできないので致し方なし、というところです。

タイトルにある通り、この手のメタに頼る創作スタイル、具体的には、現実のネタをテーマにしたり、自分の経験を切り売りしたりする創作スタイルは、発想が枯れやすいので、あまりよろしくありません(これはラノベに限らず創作全般の話)。特に前者は、作品数を出せない=応募機会が減るというデメリットもあります(筆の速さでカバーできる人は別)

とはいえ、こればかりは仕方ないので、諦めています。改善したり違うスタイルに切り替えたりする対策が可能、という話ではもうないので。難しいところです。

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