用語解説

今回は、第13話・ギルヴァンティでの一戦でジャンヌが講じた戦術についてです。

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・せんかい - せんじゅつ【旋回戦術】
1. 円軌道を描きながら航行し、前衛が攻撃、後衛が砲撃準備を行う
2. ドレイクがアルマダ海戦でスペイン相手に披露したのが有名
3. 逐次砲撃とも呼ばれる

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旋回戦術は、現実でも実際に見られた戦術です。

これはまず、艦隊が縦列に並び、円軌道を描きながら船を走らせます。
そして敵がいる側の船は砲撃を、それ以外の船は砲撃準備をします。

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時計の文字盤を思い浮かべていただくとわかりやすいと思います。
船は文字盤の縁に沿って、円軌道で時計回りに走っているとしましょう。

このとき、敵艦隊が9時方向から近づいてきたとき、文字盤の左側半分にいる船は砲撃を、右側半分にいる船は砲撃準備を行います。
これにより絶え間なく砲撃を続けることができるわけです。

理屈としては、織田信長が武田の騎馬隊を相手に用いたと言われる三段撃ちと同じです。

     ⚓

作中の場合、レイナたちが西側から攻めてくるので、円の左半分が攻撃、右半分がその影で詠唱準備やらなんやらを行っています。

なおこの戦術は、イギリスの有名な提督であるフランシス・ドレイクが、アルマダ海戦でスペイン艦隊を撃滅した際の戦術だと言われています。厳密には、ドレイクは二円ではなく「8の字」を描きながら旋回しました。

ちなみに、この戦術は「逐次砲撃」とも呼ばれています(こちらのほうが一般的な気がします)
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