用語解説

今回は、ある場所についての紹介です。

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・じぶらるたる【ジブラルタル】
1. スペイン最南端にあるイベリア半島の一部
2. 地中海の制海権において最も重要な海洋拠点
3. 18世紀からイギリスの領土となっている

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作中に登場する「ギルヴァンティ」という地名は、この「ジブラルタル」がモデルとなっています(音を似せてあります)

ジブラルタルは地中海の制海権を手にする上で最も重要な拠点の一つとされています。18世紀から実に300年以上、長らくイギリスの領土です。海上から眺めると壮麗な岸壁が聳えたように見え、その姿から「ザ・ロック」とも呼ばれています。

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さて、レイナは第11話で「ギルヴァンティを押さえにいく」と言いました。
ですが、そのとき彼女たちが問題としていたのは、グランディア海軍が北岸に海軍を集合させて、イグニスの本土を侵攻するのではないか、ということでした。
そのため、彼女の戦略はいわば「フランスが北岸に海軍を集めてイギリス本土へ攻め込もうとしているのに、なぜかスペイン最南端のジブラルタルを押さえにいく」というものになります。

彼女はいったい、何を狙っているのか?

それはゆくゆくのお楽しみということで^^

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余談ですが、フランスは長い海岸線を南北に持つなど、海洋国家として優れた利点を持っているのですが、歴史的には陸を通じて覇権を目指したケースも多かったようです。その際、海に目を向けず、自ら危機を招き入れてしまうこともしばしばありました。

たとえば、ルイ14世。
治世においてスペインを脅威に感じていた彼は、イギリスのチャールズ2世とポルトガルの王女との結婚を進め、イギリスにスペインを牽制してもらうように動きました。
ですが、これによってイギリスはジブラルタルなど海における要衝を手に入れ、フランスはイギリスに、ヨーロッパにおいて最も重要な海域である地中海への足がかりを自ら与えてしまったのです。

彼が権力を握る少し前、ルイ13世の時代には、名宰相リシュリューがフランスのシーパワー増強に邁進していましたが、有名な海軍史家のマハンによれば、ルイ14世の時代にそれは綺麗に失われてしまったようです。

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ちなみに、リシュリューは政治家として有名ですが、海軍の運用においても非常に卓越した能力を発揮しました。フランスにはそんな彼に因んだリシュリューと呼ばれる戦艦もありました。
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