用語解説
今回は、ある人物についての紹介です。
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・じょん - びんぐ【ジョン・ビング】
1. かつてのイングランド海軍の提督(1704/10/29-1757/3/14)
2. ミノルカ島の海戦で戦意がなかったという冤罪に問われてしまう
3. 敵国海軍の要人の嘆願も虚しく、処刑されてしまう
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ジョン・ビングとは、かつてイングランド海軍で活躍した提督です。
しかし、彼が有名なのは戦歴ではなく、その身に降りかかった悲劇のためです。
彼はフレンチ・インディアン戦争において「戦う意志がなかった」罪で軍法会議にかけられ、最終的に銃殺刑に処されます。
⚓
その舞台となったのは「ミノルカ島の海戦」という戦い。この海戦でイングランドは自国の領土であるミノルカ島をフランスに奪われ、本国はその原因を「ビングの戦意に乏しい指揮」にあるとしました。
ですが、実際の状況は、簡単には以下のようなものでした。
・そもそもイングランド政府と海軍本部が、本土防衛ばかりに目を向けており、ミノルカ島の警護を疎かにしていた(国民からミノルカ島を守れと言われて、しかたなくビングを派遣した)
・海戦で敗れた要因は、ビングに戦意がなかったからではなく、味方が指示に従わなかった(あるいは誤認した)から
・政府と海軍本部は、これら自分たちの不手際を揉み消すために、彼をスケープゴートにした
ですが、この判決には国民から大量の批判が殺到。メディアにも擁護文が載るなど処分撤回の活動が展開されました。
さらに、敵国であるフランスのリシュリュー公爵までもが、判決撤回の嘆願書を友人のイギリス人作家・ヴォルテールに送ったといわれています。
ですが、願い虚しく、ビングは銃殺刑となってしまいました。
⚓
ちなみに、彼の墓碑には「アドミラル・ジョン・ビング。政治に貶められ、ここに散る(fell a martyr to political persecution March 14th in the year 1757)」とストレートに刻まれているそうです。この事実を鑑みるに、どうやら没後、その名誉は回復されたようです。
ちなみに「アドミラル」とは、海軍の偉い方(提督など)に与えられる称号のようなものです。アドミラルが海軍行動の実行部隊長で、国王や政府がこれを監督する、そんなイメージです。
⚓
*参照:小林秀雄『イングランド海軍の歴史』
*参照:Mr. J D Davies「Dead Admirals’ Society, Part 3」https://jddavies.com/2014/10/20/dead-admirals-society-part-3/
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・じょん - びんぐ【ジョン・ビング】
1. かつてのイングランド海軍の提督(1704/10/29-1757/3/14)
2. ミノルカ島の海戦で戦意がなかったという冤罪に問われてしまう
3. 敵国海軍の要人の嘆願も虚しく、処刑されてしまう
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ジョン・ビングとは、かつてイングランド海軍で活躍した提督です。
しかし、彼が有名なのは戦歴ではなく、その身に降りかかった悲劇のためです。
彼はフレンチ・インディアン戦争において「戦う意志がなかった」罪で軍法会議にかけられ、最終的に銃殺刑に処されます。
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その舞台となったのは「ミノルカ島の海戦」という戦い。この海戦でイングランドは自国の領土であるミノルカ島をフランスに奪われ、本国はその原因を「ビングの戦意に乏しい指揮」にあるとしました。
ですが、実際の状況は、簡単には以下のようなものでした。
・そもそもイングランド政府と海軍本部が、本土防衛ばかりに目を向けており、ミノルカ島の警護を疎かにしていた(国民からミノルカ島を守れと言われて、しかたなくビングを派遣した)
・海戦で敗れた要因は、ビングに戦意がなかったからではなく、味方が指示に従わなかった(あるいは誤認した)から
・政府と海軍本部は、これら自分たちの不手際を揉み消すために、彼をスケープゴートにした
ですが、この判決には国民から大量の批判が殺到。メディアにも擁護文が載るなど処分撤回の活動が展開されました。
さらに、敵国であるフランスのリシュリュー公爵までもが、判決撤回の嘆願書を友人のイギリス人作家・ヴォルテールに送ったといわれています。
ですが、願い虚しく、ビングは銃殺刑となってしまいました。
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ちなみに、彼の墓碑には「アドミラル・ジョン・ビング。政治に貶められ、ここに散る(fell a martyr to political persecution March 14th in the year 1757)」とストレートに刻まれているそうです。この事実を鑑みるに、どうやら没後、その名誉は回復されたようです。
ちなみに「アドミラル」とは、海軍の偉い方(提督など)に与えられる称号のようなものです。アドミラルが海軍行動の実行部隊長で、国王や政府がこれを監督する、そんなイメージです。
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*参照:小林秀雄『イングランド海軍の歴史』
*参照:Mr. J D Davies「Dead Admirals’ Society, Part 3」https://jddavies.com/2014/10/20/dead-admirals-society-part-3/