Two Billion Light-Years Of Solitude
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𝐓𝐰𝐨 𝐁𝐢𝐥𝐥𝐢𝐨𝐧 𝐋𝐢𝐠𝐡𝐭-𝐘𝐞𝐚𝐫𝐬 𝐎𝐟 𝐒𝐨𝐥𝐢𝐭𝐮𝐝𝐞
袁紹の足が途絶え、代わりに従者がやって来た。壮年の彼は仕えて長いのか、心酔し切った様子で毎週袁紹の様子を私に伝えてくるのが鬱陶しかった。幾度目かの訪問で、遂に曹操を討ち果たし、主が天下一の覇者となったと興奮気味に話していた。
「そろそろ邸に帰られては如何ですか。袁紹様もお待ちでしょう」
もう何回聞いたか分からない催促に苦笑する。従者は私と袁紹を恋仲だと思っているようだった。私達の間柄はそんな一言で片付けられるような単純なものではない。積年の想いが渦を巻き、こんがらがり、迷宮化して、深刻に二人に絡みついているのだ。
「今や袁紹様は帝に継ぐ権力者、拒否なさるなんて貴方様くらいです」
「それくらいあの人は勝手なことをしたのよ」
「しかし名前様が望んだことでしょう」
「何ですって?」
耳を疑った。
「名前様がはじめて邸にいらした晩、仰っていましたよね。もう故郷には何も残っていない、自分には袁紹様だけ。願わくば唯一の家族の元で、余生を過ごしたいと」
私は酔うと記憶を無くす。だから普段は飲まないようにしていて、あの日だけはヤケになった例外だった。
「そのこと、あの人は知っているの」
「勿論です。袁紹様に仰ったのですから」
血の気が引いた。この数ヶ月、身勝手に三国時代に連れ去られたと誤解し、袁紹には厳しい態度を貫いてきた。まさか自分から強請っていたとは。なじっても、冷たくしても、袁紹は何も言わず八つ当たりを甘んじて受けていた。私を責めるようなことなど一言も言わなかったのだ。
「この包袱、袁紹様が職人を呼んで、手ずから選ばれたのですよ。これくらいしか受け取られないからと」
滑らかな絹地、控えめな花の刺繍。私の好きなアースカラー。ポーチやバッグを作ったり、スカーフにしたりと楽しんでいることを彼は知っていたのだろう。次はどんなものが来るだろうと心待ちにしていたことまで、悟られていたのだろうか。
「名前様、どうかご決断を」
迫る従者の無垢な瞳。そして、私は決めたのだ。
「そろそろ邸に帰られては如何ですか。袁紹様もお待ちでしょう」
もう何回聞いたか分からない催促に苦笑する。従者は私と袁紹を恋仲だと思っているようだった。私達の間柄はそんな一言で片付けられるような単純なものではない。積年の想いが渦を巻き、こんがらがり、迷宮化して、深刻に二人に絡みついているのだ。
「今や袁紹様は帝に継ぐ権力者、拒否なさるなんて貴方様くらいです」
「それくらいあの人は勝手なことをしたのよ」
「しかし名前様が望んだことでしょう」
「何ですって?」
耳を疑った。
「名前様がはじめて邸にいらした晩、仰っていましたよね。もう故郷には何も残っていない、自分には袁紹様だけ。願わくば唯一の家族の元で、余生を過ごしたいと」
私は酔うと記憶を無くす。だから普段は飲まないようにしていて、あの日だけはヤケになった例外だった。
「そのこと、あの人は知っているの」
「勿論です。袁紹様に仰ったのですから」
血の気が引いた。この数ヶ月、身勝手に三国時代に連れ去られたと誤解し、袁紹には厳しい態度を貫いてきた。まさか自分から強請っていたとは。なじっても、冷たくしても、袁紹は何も言わず八つ当たりを甘んじて受けていた。私を責めるようなことなど一言も言わなかったのだ。
「この包袱、袁紹様が職人を呼んで、手ずから選ばれたのですよ。これくらいしか受け取られないからと」
滑らかな絹地、控えめな花の刺繍。私の好きなアースカラー。ポーチやバッグを作ったり、スカーフにしたりと楽しんでいることを彼は知っていたのだろう。次はどんなものが来るだろうと心待ちにしていたことまで、悟られていたのだろうか。
「名前様、どうかご決断を」
迫る従者の無垢な瞳。そして、私は決めたのだ。
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