愚者の天秤
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※Cocktail Hour・White Lady続き
冷酷無比の嗜虐者。血も涙もない悪魔。魏に移ってからも噂が噂を呼んで、私が人望を集めることはなかった。しかし人から散々に言われても恐れずに挑んでくる存在がこの世に二つあった。一人は陳宮。そしてもう一つは。
「纏わりつくんじゃないわよ」
揺らめく服の裾で遊んでいるのを注意すると、一鳴きして膝に座る猫。捨てられていたところを気まぐれで助けたら懐かれ、私の部屋に居着いてしまった。宮女達は皆可愛いという。だったらあんた達が世話をすれば、と放り出しても、いつの間にか私の部屋に帰って来て昼寝をしている。餌なんてもうやっていないのに、何処かからおこぼれを頂戴して生き延びているようだ。どうしてそこまでして私の側にいるのか理解できなかった。生き物の愛で方なんて知らないのに。
「失礼、今日も新たな・・・この猫!また名前殿の邪魔立てを!」
邪魔者が増えて溜息をついた。陳宮はこの猫に対抗心を燃やして隠さない。ただの畜生だと言うのに、私を煩わすものは何者だとて許さないという態度である。
「少しは弁えなされ。この私とてまだ!まだ膝枕を頂戴したことなど無いのですぞ」
猫を抱えて本気で説教している。下らない。自分の頭が私の膝の上に乗る日など本当に来ると思っているのだろうか。
「名前殿も名前殿ですぞ。この私を差し置いて、猫と戯れようとは」
「私は遊ぶ気なんて無いわよ。猫ともあんたともね」
「何を何を。今日は西方の遊戯を持って参りました」
興味を引かんとするものが二つ。書きかけの竹簡を前にして、私はまた作業が中断されることを予期した。
冷酷無比の嗜虐者。血も涙もない悪魔。魏に移ってからも噂が噂を呼んで、私が人望を集めることはなかった。しかし人から散々に言われても恐れずに挑んでくる存在がこの世に二つあった。一人は陳宮。そしてもう一つは。
「纏わりつくんじゃないわよ」
揺らめく服の裾で遊んでいるのを注意すると、一鳴きして膝に座る猫。捨てられていたところを気まぐれで助けたら懐かれ、私の部屋に居着いてしまった。宮女達は皆可愛いという。だったらあんた達が世話をすれば、と放り出しても、いつの間にか私の部屋に帰って来て昼寝をしている。餌なんてもうやっていないのに、何処かからおこぼれを頂戴して生き延びているようだ。どうしてそこまでして私の側にいるのか理解できなかった。生き物の愛で方なんて知らないのに。
「失礼、今日も新たな・・・この猫!また名前殿の邪魔立てを!」
邪魔者が増えて溜息をついた。陳宮はこの猫に対抗心を燃やして隠さない。ただの畜生だと言うのに、私を煩わすものは何者だとて許さないという態度である。
「少しは弁えなされ。この私とてまだ!まだ膝枕を頂戴したことなど無いのですぞ」
猫を抱えて本気で説教している。下らない。自分の頭が私の膝の上に乗る日など本当に来ると思っているのだろうか。
「名前殿も名前殿ですぞ。この私を差し置いて、猫と戯れようとは」
「私は遊ぶ気なんて無いわよ。猫ともあんたともね」
「何を何を。今日は西方の遊戯を持って参りました」
興味を引かんとするものが二つ。書きかけの竹簡を前にして、私はまた作業が中断されることを予期した。
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