運命
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「降伏しないで」
先手を打つと文則が目を伏せた。このところ魏の内情は芳しくない。危うい戦況が続いていて、とうとう文則の岐路である樊城での戦いが間近に迫っていた。
「今取れる最善の策なのだ」
「違う。他の道がある」
「私の名誉を案じているのなら」
「降伏してもいずれ魏は滅びる!」
私がいる限りそうはさせない。これはこの人の告白を受け入れた時からそう決めていたことだ。
「樊城の水害を利用して、蜀と呉を仲違いさせる方法がある。詳しく説明するから。全部上手く行くから」
胸元を掴んで視線を合わせる。私は文則と相対するときに逃げたことなど一度もない。それが誇りだった。
「だからお願い、諦めないで」
地図を広げ、詳細を説明する。ルーズリーフのノート、この時代に来て直ぐのときに、忘れないように書き連ねたものだ。
貴方の人生は私が救う。
滾る心で説得すると、地図上に乗せた手を文則が握った。その目には魏の未来を共に背負う意志があった。
これから出発というとき、突然部屋の扉が乱暴に叩かれた。この音が運命の分かれ道になるとは、その時の私には予想だにできなかった。
「報告!名前様に纏わる呪術師の居所を発見しました!呪術師は逃走の際に斬りつけられ、現在重傷とのことです!」
どういうことだ。私が現れた時に呪術師がどうとか言っていたが、まさかずっと探し続けていたのだろうか。文則が命令したのか。呪術師が私を未来から呼び寄せたのか。重傷ということは。私はどうなる。この重要な局面で、文則はどうなる。もしかして、私は未来へ帰るのか?
文則を振り返る。目を閉じ、深い息を吐いて、『是非もない』と低い声で呟いた。
先手を打つと文則が目を伏せた。このところ魏の内情は芳しくない。危うい戦況が続いていて、とうとう文則の岐路である樊城での戦いが間近に迫っていた。
「今取れる最善の策なのだ」
「違う。他の道がある」
「私の名誉を案じているのなら」
「降伏してもいずれ魏は滅びる!」
私がいる限りそうはさせない。これはこの人の告白を受け入れた時からそう決めていたことだ。
「樊城の水害を利用して、蜀と呉を仲違いさせる方法がある。詳しく説明するから。全部上手く行くから」
胸元を掴んで視線を合わせる。私は文則と相対するときに逃げたことなど一度もない。それが誇りだった。
「だからお願い、諦めないで」
地図を広げ、詳細を説明する。ルーズリーフのノート、この時代に来て直ぐのときに、忘れないように書き連ねたものだ。
貴方の人生は私が救う。
滾る心で説得すると、地図上に乗せた手を文則が握った。その目には魏の未来を共に背負う意志があった。
これから出発というとき、突然部屋の扉が乱暴に叩かれた。この音が運命の分かれ道になるとは、その時の私には予想だにできなかった。
「報告!名前様に纏わる呪術師の居所を発見しました!呪術師は逃走の際に斬りつけられ、現在重傷とのことです!」
どういうことだ。私が現れた時に呪術師がどうとか言っていたが、まさかずっと探し続けていたのだろうか。文則が命令したのか。呪術師が私を未来から呼び寄せたのか。重傷ということは。私はどうなる。この重要な局面で、文則はどうなる。もしかして、私は未来へ帰るのか?
文則を振り返る。目を閉じ、深い息を吐いて、『是非もない』と低い声で呟いた。
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