September Morn
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「徐盛さん、好きです。私の恋人になって下さい」
「悪いな、俺にはまだ覚悟が足りん」
振られた。
「おのれ徐文嚮許すまじ」
「おお怖い。恋心は恨みに変わるのも早い」
心で血の涙を流す私を横に陸遜は書簡を処理しながら涼しい顔だ。
「有り得ない。信じ難い。絶対いけると思ったのに」
「ええ、私も予想外でした」
「でしょう?!」
徐盛と私の仲はほぼ公認と言っても良かった。戦場でも庇ってくれて、毎週のように二人で遊びに行き、他の男の人と喋っていると相手を睨み、交わされる視線は熱っぽく、この前なんてとうとう腕を組んでも怒られなかった。私達二人が並んでいるだけで最近は『お熱いね』と声を掛けられるし、呂蒙に至っては『いつ結婚するんだ?』と問うてくる始末。縁が結ばれるまで秒読みだと思っていた。しかし待てど暮せど告白はされず、友達以上恋人未満を辞めようと覚悟を決めてみればこの惨敗という始末。何が起きたのか分からなかった。燃え尽きて呆然としているといつの間にか徐盛は去っていた。
「どうしよう、振られたあとのことなんて考えてなかった」
「そうですね」
「他人事じゃん。今日からどう過ごしたらいいか分かんないよ」
「きっと何とかなりますって」
言い出しっぺの法則で可哀想だが、お馬鹿友達の陸遜にはその言葉の責任を取らせることにした。何せ最近私は何処へ行くにも何をするにもかの男と一緒だったので、他に共に時間を過ごす人がいない。執務も徐盛の手伝いをしていたが、今度は呂蒙や陸遜の部屋に入り浸りになった。衣服も武官のそれから文官のものに着替えた。休日は遠乗りや甘味巡りに繰り出していたが、街の視察や茶会に変わった。廊下ですれ違ったり、軍議で視線を感じて目が合ったりすると、毎回徐盛は悲しげな顔をした。最初の頃、彼の悲壮な顔を見るにつけ胸には罅が入った。だけどその度、陸遜が止めを掛ける。
「名前殿には徐盛殿のような屈強な方は似合いませんよ。身の程を知りなさい」
「何を陸遜!ナヨ男が私にお似合いってか!」
言い争いをしていると、悲しみを忘れる。私の毎日は塗り替えられて、喧嘩と暴言の日々に染まっていった。
「名前殿には他にいい方がいますよ。きっとね」
「本当かなあ」
「きっと、きっとですよ」
「うるさいなあ。一言余計」
「悪いな、俺にはまだ覚悟が足りん」
振られた。
「おのれ徐文嚮許すまじ」
「おお怖い。恋心は恨みに変わるのも早い」
心で血の涙を流す私を横に陸遜は書簡を処理しながら涼しい顔だ。
「有り得ない。信じ難い。絶対いけると思ったのに」
「ええ、私も予想外でした」
「でしょう?!」
徐盛と私の仲はほぼ公認と言っても良かった。戦場でも庇ってくれて、毎週のように二人で遊びに行き、他の男の人と喋っていると相手を睨み、交わされる視線は熱っぽく、この前なんてとうとう腕を組んでも怒られなかった。私達二人が並んでいるだけで最近は『お熱いね』と声を掛けられるし、呂蒙に至っては『いつ結婚するんだ?』と問うてくる始末。縁が結ばれるまで秒読みだと思っていた。しかし待てど暮せど告白はされず、友達以上恋人未満を辞めようと覚悟を決めてみればこの惨敗という始末。何が起きたのか分からなかった。燃え尽きて呆然としているといつの間にか徐盛は去っていた。
「どうしよう、振られたあとのことなんて考えてなかった」
「そうですね」
「他人事じゃん。今日からどう過ごしたらいいか分かんないよ」
「きっと何とかなりますって」
言い出しっぺの法則で可哀想だが、お馬鹿友達の陸遜にはその言葉の責任を取らせることにした。何せ最近私は何処へ行くにも何をするにもかの男と一緒だったので、他に共に時間を過ごす人がいない。執務も徐盛の手伝いをしていたが、今度は呂蒙や陸遜の部屋に入り浸りになった。衣服も武官のそれから文官のものに着替えた。休日は遠乗りや甘味巡りに繰り出していたが、街の視察や茶会に変わった。廊下ですれ違ったり、軍議で視線を感じて目が合ったりすると、毎回徐盛は悲しげな顔をした。最初の頃、彼の悲壮な顔を見るにつけ胸には罅が入った。だけどその度、陸遜が止めを掛ける。
「名前殿には徐盛殿のような屈強な方は似合いませんよ。身の程を知りなさい」
「何を陸遜!ナヨ男が私にお似合いってか!」
言い争いをしていると、悲しみを忘れる。私の毎日は塗り替えられて、喧嘩と暴言の日々に染まっていった。
「名前殿には他にいい方がいますよ。きっとね」
「本当かなあ」
「きっと、きっとですよ」
「うるさいなあ。一言余計」
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