影踏み
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陽の光が射し込んで目が覚めた。遠くで鳥が鳴いている。見知らぬ天井。固すぎる枕。ここは何処だろう。
起き上がろうとして、全身に衝撃が走った。
「いたっ!」
呼吸をするだけでも辛い。身動ぎすることすら出来ない。恐る恐る身体をまさぐると、左の脇腹が燃えるように熱かった。服の上からなのでよく分からないが、腹の周りにも布の違和感がある。どうやら包帯を巻かれているらしかった。
乱雑な足音が近づいて来て、勢い良く扉が開かれた。部屋に押し入る、画面の向こうに見ていた美丈夫。紫鸞くんがいて我が眼を疑った。
「起きたのか。具合はどうだ」
「あの・・・もしかして・・・紫鸞くんですか?」
掛けられた言葉も無視してそう返すと、紫鸞くんの動きがぴたりと止まった。
「・・・くん?」
「すみません馴れ馴れしくて!私噂で貴方のことを・・・いたたた・・・」
痛くて呻くと、紫鸞くんが手を伸ばし、しかし触るわけにもいかず慌てていた。『暫し待て』と言い残して部屋を出ていくと、連れを侍らせて帰ってきた。元化くんだった。嗚呼、これは夢じゃないだろうか。あの二人が目の前にいる。しかしながら痛みで集中することが出来ない。紫鸞くんを部屋から出し、寝そべったままの私を介抱しながら元化くんが言った。
「目覚めて良かった。体調は如何です?名前さん」
次は私が固まる番だった。何故名前を知っているのか。既に顔見知りであるかのような言い草だ。
てきぱきと治療を進めながら元化くんが喋り続ける。手術は成功した。脇腹の穴は塞いだ。一時は危なかったが一命は取り留めた。包帯は二日に一回変える必要がある。麻酔が切れたから今は痛い。この薬は出血止め、術後の回復を促す漢方。朝晩煎じて飲むこと。動けないなら、紫鸞くんに頼むこと。怒涛の情報に流されて、私の頭は疑問符だらけだ。
「ところで、傷は何処で?抱え込まれてきた時は、意識が無くてお話を聞けませんでしたが」
その話が出ると、見計らったように紫鸞くんがまた部屋に入って来た。
「傷はどうだ」
「僅かに出血はありますが、術後の状態は悪くないです」
「あの、すみません」
痛みに冷や汗をかきながら、私は小さく手を上げた。二人の視線がこちらに集中する。
「私達って、知り合いでしたっけ。今日が初対面だと思うのですが、何処かで会ったことがありますか?」
二人の時が止まって、顔を見合わせた。視線が戻ってくると、驚いたような元化くんと心配そうな紫鸞くんがいた。
「あんた、もしかして記憶が無いのか」
起き上がろうとして、全身に衝撃が走った。
「いたっ!」
呼吸をするだけでも辛い。身動ぎすることすら出来ない。恐る恐る身体をまさぐると、左の脇腹が燃えるように熱かった。服の上からなのでよく分からないが、腹の周りにも布の違和感がある。どうやら包帯を巻かれているらしかった。
乱雑な足音が近づいて来て、勢い良く扉が開かれた。部屋に押し入る、画面の向こうに見ていた美丈夫。紫鸞くんがいて我が眼を疑った。
「起きたのか。具合はどうだ」
「あの・・・もしかして・・・紫鸞くんですか?」
掛けられた言葉も無視してそう返すと、紫鸞くんの動きがぴたりと止まった。
「・・・くん?」
「すみません馴れ馴れしくて!私噂で貴方のことを・・・いたたた・・・」
痛くて呻くと、紫鸞くんが手を伸ばし、しかし触るわけにもいかず慌てていた。『暫し待て』と言い残して部屋を出ていくと、連れを侍らせて帰ってきた。元化くんだった。嗚呼、これは夢じゃないだろうか。あの二人が目の前にいる。しかしながら痛みで集中することが出来ない。紫鸞くんを部屋から出し、寝そべったままの私を介抱しながら元化くんが言った。
「目覚めて良かった。体調は如何です?名前さん」
次は私が固まる番だった。何故名前を知っているのか。既に顔見知りであるかのような言い草だ。
てきぱきと治療を進めながら元化くんが喋り続ける。手術は成功した。脇腹の穴は塞いだ。一時は危なかったが一命は取り留めた。包帯は二日に一回変える必要がある。麻酔が切れたから今は痛い。この薬は出血止め、術後の回復を促す漢方。朝晩煎じて飲むこと。動けないなら、紫鸞くんに頼むこと。怒涛の情報に流されて、私の頭は疑問符だらけだ。
「ところで、傷は何処で?抱え込まれてきた時は、意識が無くてお話を聞けませんでしたが」
その話が出ると、見計らったように紫鸞くんがまた部屋に入って来た。
「傷はどうだ」
「僅かに出血はありますが、術後の状態は悪くないです」
「あの、すみません」
痛みに冷や汗をかきながら、私は小さく手を上げた。二人の視線がこちらに集中する。
「私達って、知り合いでしたっけ。今日が初対面だと思うのですが、何処かで会ったことがありますか?」
二人の時が止まって、顔を見合わせた。視線が戻ってくると、驚いたような元化くんと心配そうな紫鸞くんがいた。
「あんた、もしかして記憶が無いのか」
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