轟け
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道を歩いていたら突然池に突っ込んでいた。そうとしか言いようがない状況だった。
放課後、稽古に向かう途中だった。前をよく見ずに歩いていると、突然足の先が水になって落下した。私は金槌だ。水の中で揉みくちゃになっているとわらわらと周りに人が現れて運ばれて行った。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
言うも開放される気配がない。それになんだか、様子がおかしい。黒い服を着た男の前に引き出され、周りの男達が私を地面に押さえつける。何これ?
「どこから派遣されてきた。申せ」
聞き覚えがあるこの声。土下座させられながら目線だけ上に遣ると、そこには張遼が立っていた。
(嘘、どういうこと?ここどこ?夢?)
何も言えないでいると、廊下の先からよく響く声が聞こえてきた。
「張遼、何事だ」
低い声、大きな体躯に2つに別れた尾を持つ兜。見間違うはずもないその姿に目を奪われた。
「怪しげな者が城に侵入していたので、尋問しておりました」
「女か」
呂布が私を見遣ると、改めてきつく地面に押し付けられた。視線の先で、廊下の床に池の水がぽたぽたと垂れている。
「女、お前も武人と見た」
男達に没収されていた模造刀。呂布が手に取ってこちらに渡してきた。
「何も吐かぬと言うならば武人らしく戦い、刃の錆となって死ね」
少し離れた位置に立つ。部下に持って来させた方天戟を手に、私をそれで指した。
「構えろ。動かぬならば、その首が地に転がるのみよ」
手が震えて動かない。これどんな状況?何が起こってるの?私、人類最強と戦って死ぬの?ただ道を歩いていただけなのに?
慌ててケースから刀を取り出した。はずなのに。
(これ、違う。私の刀じゃない)
その刀はずっしりと重みがあって、柄から鞘まで色が異なっていた。漆塗りの艶。所々生傷がついている。その刀身を確認すると、青白い光を放っていた。
「抜け!」
呂布が叫ぶ。違う。もう抜いているのだ。方天戟を掲げた男がこちらに向かって来る。私は体制を低くして刀を脇に添わせた。
「なん、と」
どこかで雷鳴が轟いた。相見えて背中合わせ、呂布の動きが止まっていた。私の顔の横で、鞘に収めた刀の柄がキン、と冷たい音を立てた。振るったはずの方天戟の先がない。その長い槍の真ん中で、綺麗に半分に折れていた。折れていた?違う、斬られたのだ。私の刀が鞘の中で、熱を持って暴れていた。
沈黙の中張遼が呆然と呟くと、呂布が大声で笑った。
「お前、名は何という」
放課後、稽古に向かう途中だった。前をよく見ずに歩いていると、突然足の先が水になって落下した。私は金槌だ。水の中で揉みくちゃになっているとわらわらと周りに人が現れて運ばれて行った。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
言うも開放される気配がない。それになんだか、様子がおかしい。黒い服を着た男の前に引き出され、周りの男達が私を地面に押さえつける。何これ?
「どこから派遣されてきた。申せ」
聞き覚えがあるこの声。土下座させられながら目線だけ上に遣ると、そこには張遼が立っていた。
(嘘、どういうこと?ここどこ?夢?)
何も言えないでいると、廊下の先からよく響く声が聞こえてきた。
「張遼、何事だ」
低い声、大きな体躯に2つに別れた尾を持つ兜。見間違うはずもないその姿に目を奪われた。
「怪しげな者が城に侵入していたので、尋問しておりました」
「女か」
呂布が私を見遣ると、改めてきつく地面に押し付けられた。視線の先で、廊下の床に池の水がぽたぽたと垂れている。
「女、お前も武人と見た」
男達に没収されていた模造刀。呂布が手に取ってこちらに渡してきた。
「何も吐かぬと言うならば武人らしく戦い、刃の錆となって死ね」
少し離れた位置に立つ。部下に持って来させた方天戟を手に、私をそれで指した。
「構えろ。動かぬならば、その首が地に転がるのみよ」
手が震えて動かない。これどんな状況?何が起こってるの?私、人類最強と戦って死ぬの?ただ道を歩いていただけなのに?
慌ててケースから刀を取り出した。はずなのに。
(これ、違う。私の刀じゃない)
その刀はずっしりと重みがあって、柄から鞘まで色が異なっていた。漆塗りの艶。所々生傷がついている。その刀身を確認すると、青白い光を放っていた。
「抜け!」
呂布が叫ぶ。違う。もう抜いているのだ。方天戟を掲げた男がこちらに向かって来る。私は体制を低くして刀を脇に添わせた。
「なん、と」
どこかで雷鳴が轟いた。相見えて背中合わせ、呂布の動きが止まっていた。私の顔の横で、鞘に収めた刀の柄がキン、と冷たい音を立てた。振るったはずの方天戟の先がない。その長い槍の真ん中で、綺麗に半分に折れていた。折れていた?違う、斬られたのだ。私の刀が鞘の中で、熱を持って暴れていた。
沈黙の中張遼が呆然と呟くと、呂布が大声で笑った。
「お前、名は何という」
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