亜麻色の髪の乙女
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三度目の正直、とうとう相見えた見合い相手は生え抜きの前途有望な青年だった。以前他部署に足を運んでいたときによくすれ違った文官で、顔にも覚えがあった。数回挨拶を交わした程度の関係なのだが、向こうは忘れ得ぬほどの想いを抱いていたらしい。
結婚後も仕事を続けていいと言われた。由緒ある家の出で、周囲の者からの信頼も厚いそうだ。誠実で、誰に対してもそつない対応をする男だった。好きになった、と言うほどの気持ちはないものの、三国の世ではかなり理解のある人を引き当てたと言える方だ。
会話も弾んだ。凛々しい面構え。何より私をそのまま受け入れようとしてくれている。法正殿と廊下で追いかけっこをしているところを見て惚れたというのだから、相当の変わり者であることは間違いない。これ程の理解者に出会えるだろうか。帰り道でうんうん頭を悩ませた。
思い悩みながら歩いているといつの間にか宿舎の前だった。私の部屋の前に何やら人がうずくまっている。ああ、あの頭巾は。既視感に目眩を覚えた。
「徐庶。ちょっと、どうしたの。大丈夫?」
ややあってゆらりと上がった顔を見て、息を呑んだ。
(泣きそうじゃん)
大の男が目を潤ませ、哀愁に塗れていた。丸めた背中は鬱々として、隠しようがない程に悲しみ一色だ。つんとした酒の香りが鼻をつく。どれ程飲めばこんなに酔っ払うというのだろう。
「名前・・・」
徐庶が呟く。こんな所を見られたら誤解を招くどころではない。酒臭い腕を引っ張って立たせ、部屋の中に招き入れた。
結婚後も仕事を続けていいと言われた。由緒ある家の出で、周囲の者からの信頼も厚いそうだ。誠実で、誰に対してもそつない対応をする男だった。好きになった、と言うほどの気持ちはないものの、三国の世ではかなり理解のある人を引き当てたと言える方だ。
会話も弾んだ。凛々しい面構え。何より私をそのまま受け入れようとしてくれている。法正殿と廊下で追いかけっこをしているところを見て惚れたというのだから、相当の変わり者であることは間違いない。これ程の理解者に出会えるだろうか。帰り道でうんうん頭を悩ませた。
思い悩みながら歩いているといつの間にか宿舎の前だった。私の部屋の前に何やら人がうずくまっている。ああ、あの頭巾は。既視感に目眩を覚えた。
「徐庶。ちょっと、どうしたの。大丈夫?」
ややあってゆらりと上がった顔を見て、息を呑んだ。
(泣きそうじゃん)
大の男が目を潤ませ、哀愁に塗れていた。丸めた背中は鬱々として、隠しようがない程に悲しみ一色だ。つんとした酒の香りが鼻をつく。どれ程飲めばこんなに酔っ払うというのだろう。
「名前・・・」
徐庶が呟く。こんな所を見られたら誤解を招くどころではない。酒臭い腕を引っ張って立たせ、部屋の中に招き入れた。
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