ぺーやん
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「う~ん…。う゛~ん…」
「あのさぁ。どうしたの?」
「あ、三ツ谷くん。元気?」
「いや、それオレのセリフじゃない?」
放課後、皆が部活や帰宅で出て行き、教室にはオレと苗字さんの2人。なかなか帰る様子もなく、ずっと唸り続けている苗字さんに声を掛ければ、その返答。相変わらずボケてんなと思っていれば、彼女は突如語り出した。
「私、病に罹ってしまったようなの」
「は?病?」
「うん、恋煩い」
「ごめん。今の聞かなかった事にしていい?」
「そりゃないぜ、旦那」
いや、お前誰だよとツッコミたくなるのを堪え、仕方なく彼女の話に耳を傾けた。
話の内容はこう。あの日、ぺーやんに告白じみた事をしてしまったが、あれから進展は何も無いらしい。挙句、地味に避けられてるようで自分でもどうして良いか分からなく、思い付きで行動してしまった事に後悔しているらしい。
「林くんの顔を見ると、胸がギュッとして顔がポっとして、頭の中がポーっとしちゃうの」
「擬音ばっかでよく分かんねぇけど、大変そうだな」
「本当に大変。何であんなにカッコいいんだろ…」
「はぁ?」
脳内でぺーやんの顔を思い浮かべてみるが、彼女と同じ感想は抱けなかった。恋は盲目というのは本当らしい。
「苗字さんはペーやんとどうなりてぇの?」
「どう…って?」
「ほら、彼女になりたいとかさ?まずはその事を口にしなきゃアイツには伝わんねぇんじゃないかな」
暫く、彼女は顎に手を当て考え込んでいた。
そうそう、そうやって沢山悩んで、結論を出して前に進んで行く事が大事だよ。オレもちょっと、お節介入ってんな…と思っていれば、彼女は勢いよく顔を上げ、驚いた表情でオレの顔を見た。
「そうか。私は、林くんのお嫁さんになりたかったのか」
「…は?」
「考えてみたら、林くんとの未来予想図が老後まで見えたの。うん、そうか。そうだったのか!」
と1人で納得をして椅子から立ち上がり、悩みなんて全て晴らしたような眩しい笑顔で「ありがとう」と言った。
「私、林くんにプロポーズしてくる!」
「待て待て待て待て待て待て」
今にも走り出しそうだった、苗字さんの腕を掴んでもう一度椅子に座らせた。今すぐ行かせてよと言いたげにソワソワしながら、オレを不思議そうに見上げてくる、この子にため息をついてしまった。
「あのね、苗字さん。男女には順序があるんだよ」
「うん?」
「まず、告白して、お付き合いを始めて、お互いを色々知っていくうちにこの人と一緒に生きて行きたいって思ったら、プロポーズでしょ?基本は」
「確かに…」
「今、苗字さんがいるステージは何処?」
「告白した所…?」
「そう。じゃあ、次に苗字さんがするべき事は分かるよね?」
「うん。林くんの気持ちを聞いて来なきゃ」
深く頷く彼女に少し安堵した。プロポーズとか言い出した時にはどうしようかと思った。ここまでぶっ飛んだ事を言うとは想定外だ。
すると、オレらしか居ない教室にぺーやんが入って来て、苗字を見るや否や教室から出ようとした。
「おい、ぺーやん。待てって」
そう言ってぺーやんを引き止めると、壊れたブリキ人形のように、ギギギと音が出ていそうなくらいぎこちない動きで振り返った。
今がチャンスだと彼女の背中を軽く押すと、1歩前に出て深呼吸をしていた。
「林くん!私の事好きですかっ!?」
「は、はぁ!?」
顔を真っ赤にさせ、キョドり始めるぺーやんを内心で笑ってから、2人にさせてやろうと教室を出る為に歩き始めると、ぺーやんに腕を掴まれ引き留められた。
「三ツ谷ぁ!置いていくな…!」
「はぁ?後はオマエがしっかりやれや」
「そうは言ってもよぉ!どうしたらいいか分かんねぇよ…!」
しどろもどろなぺーやんに呆れていると、苗字さんが口を開いた。
「林くん、好きです。結婚前提でお付き合いしてください!」
このセリフにはぺーやんだけではなく、オレも呆気にとられた。
全っ然、分かってねぇ~~。オレの方を見て、どう!?と言うような視線を送って来る彼女に親指を立てて「想定内だ!」と言えば、ニッコリ笑って親指を立て返してきた。いや、褒めてねぇよ?
本当に怖いくらいのポジティブだ。
「で?ぺーやん、付き合うのか付き合わないのかくらい、ハッキリ言ってやれよ。告った方も勇気出して言ってんだぞ」
「そうは言っても、好きとかオレ、よく分かんねぇし…」
「…分かった!私、好きになって貰えるように頑張れば良いんだね!」
「え?」
「頑張ってから、もう一度告白する!」
「お、おう?」
苗字さんの勢いに押され、タジタジのぺーやん。
ぺーやんをこんなタジタジに出来んの、この子か安田さんくらいだよなぁ。
「よーし、まずは、ミッション1!一緒に帰ろう」
「ミッションってなんだよ!?」
「林くんを惚れさせる為のミッション」
「何か怖っ」
「つべこべ言わずに帰るよ!」
彼女はぺーやんの腕を組んでグイグイ引っ張りながら、教室を出ようとしていた。
「お、おい!近ぇって!」
「うん!私もドキドキする!」
「そうじゃなくって…!」
引っ張られながら、ぺーやんはオレの名を叫んでいたが、静かに手を振って教室から出て行くのを見送った。
「あのさぁ。どうしたの?」
「あ、三ツ谷くん。元気?」
「いや、それオレのセリフじゃない?」
放課後、皆が部活や帰宅で出て行き、教室にはオレと苗字さんの2人。なかなか帰る様子もなく、ずっと唸り続けている苗字さんに声を掛ければ、その返答。相変わらずボケてんなと思っていれば、彼女は突如語り出した。
「私、病に罹ってしまったようなの」
「は?病?」
「うん、恋煩い」
「ごめん。今の聞かなかった事にしていい?」
「そりゃないぜ、旦那」
いや、お前誰だよとツッコミたくなるのを堪え、仕方なく彼女の話に耳を傾けた。
話の内容はこう。あの日、ぺーやんに告白じみた事をしてしまったが、あれから進展は何も無いらしい。挙句、地味に避けられてるようで自分でもどうして良いか分からなく、思い付きで行動してしまった事に後悔しているらしい。
「林くんの顔を見ると、胸がギュッとして顔がポっとして、頭の中がポーっとしちゃうの」
「擬音ばっかでよく分かんねぇけど、大変そうだな」
「本当に大変。何であんなにカッコいいんだろ…」
「はぁ?」
脳内でぺーやんの顔を思い浮かべてみるが、彼女と同じ感想は抱けなかった。恋は盲目というのは本当らしい。
「苗字さんはペーやんとどうなりてぇの?」
「どう…って?」
「ほら、彼女になりたいとかさ?まずはその事を口にしなきゃアイツには伝わんねぇんじゃないかな」
暫く、彼女は顎に手を当て考え込んでいた。
そうそう、そうやって沢山悩んで、結論を出して前に進んで行く事が大事だよ。オレもちょっと、お節介入ってんな…と思っていれば、彼女は勢いよく顔を上げ、驚いた表情でオレの顔を見た。
「そうか。私は、林くんのお嫁さんになりたかったのか」
「…は?」
「考えてみたら、林くんとの未来予想図が老後まで見えたの。うん、そうか。そうだったのか!」
と1人で納得をして椅子から立ち上がり、悩みなんて全て晴らしたような眩しい笑顔で「ありがとう」と言った。
「私、林くんにプロポーズしてくる!」
「待て待て待て待て待て待て」
今にも走り出しそうだった、苗字さんの腕を掴んでもう一度椅子に座らせた。今すぐ行かせてよと言いたげにソワソワしながら、オレを不思議そうに見上げてくる、この子にため息をついてしまった。
「あのね、苗字さん。男女には順序があるんだよ」
「うん?」
「まず、告白して、お付き合いを始めて、お互いを色々知っていくうちにこの人と一緒に生きて行きたいって思ったら、プロポーズでしょ?基本は」
「確かに…」
「今、苗字さんがいるステージは何処?」
「告白した所…?」
「そう。じゃあ、次に苗字さんがするべき事は分かるよね?」
「うん。林くんの気持ちを聞いて来なきゃ」
深く頷く彼女に少し安堵した。プロポーズとか言い出した時にはどうしようかと思った。ここまでぶっ飛んだ事を言うとは想定外だ。
すると、オレらしか居ない教室にぺーやんが入って来て、苗字を見るや否や教室から出ようとした。
「おい、ぺーやん。待てって」
そう言ってぺーやんを引き止めると、壊れたブリキ人形のように、ギギギと音が出ていそうなくらいぎこちない動きで振り返った。
今がチャンスだと彼女の背中を軽く押すと、1歩前に出て深呼吸をしていた。
「林くん!私の事好きですかっ!?」
「は、はぁ!?」
顔を真っ赤にさせ、キョドり始めるぺーやんを内心で笑ってから、2人にさせてやろうと教室を出る為に歩き始めると、ぺーやんに腕を掴まれ引き留められた。
「三ツ谷ぁ!置いていくな…!」
「はぁ?後はオマエがしっかりやれや」
「そうは言ってもよぉ!どうしたらいいか分かんねぇよ…!」
しどろもどろなぺーやんに呆れていると、苗字さんが口を開いた。
「林くん、好きです。結婚前提でお付き合いしてください!」
このセリフにはぺーやんだけではなく、オレも呆気にとられた。
全っ然、分かってねぇ~~。オレの方を見て、どう!?と言うような視線を送って来る彼女に親指を立てて「想定内だ!」と言えば、ニッコリ笑って親指を立て返してきた。いや、褒めてねぇよ?
本当に怖いくらいのポジティブだ。
「で?ぺーやん、付き合うのか付き合わないのかくらい、ハッキリ言ってやれよ。告った方も勇気出して言ってんだぞ」
「そうは言っても、好きとかオレ、よく分かんねぇし…」
「…分かった!私、好きになって貰えるように頑張れば良いんだね!」
「え?」
「頑張ってから、もう一度告白する!」
「お、おう?」
苗字さんの勢いに押され、タジタジのぺーやん。
ぺーやんをこんなタジタジに出来んの、この子か安田さんくらいだよなぁ。
「よーし、まずは、ミッション1!一緒に帰ろう」
「ミッションってなんだよ!?」
「林くんを惚れさせる為のミッション」
「何か怖っ」
「つべこべ言わずに帰るよ!」
彼女はぺーやんの腕を組んでグイグイ引っ張りながら、教室を出ようとしていた。
「お、おい!近ぇって!」
「うん!私もドキドキする!」
「そうじゃなくって…!」
引っ張られながら、ぺーやんはオレの名を叫んでいたが、静かに手を振って教室から出て行くのを見送った。