場地さん
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今日から、テスト週間と言う事で全部活動はお休みだ。放課後、お家帰ったらテスト勉強しなくちゃなぁと思いながら、自宅への道を歩いていると「よぉ」と声を掛けられたので、そちらへ向くとそこには会いたくない人ランキング上位に入賞する人物が居た。
「げっ…。場地圭介」
「オイ、アンタ場地さんを見て、げっ。って何だよ。失礼だろ」
「初対面の人をいきなりアンタ呼ばわりする方も失礼なのでは?」
「な…!」
彼はそう言い返されると思っていなかったようで、驚いたように元々大きい目を更に大きく見開いた。
「千冬、やめろ。コイツ、オレの知り合いなんだよ」
「え…?」
何でこんな奴と場地さんが?とでも言いたげな視線を寄越してくる、松野千冬。名前や噂はよく聞くけど、直接話すのも顔を合わせるのも初めてだ。
遠目からチラッとしか見た事のない彼は、噂よりも全然凶悪そうな顔はしていない。寧ろ、顔立ちは可愛い方だとは思う。だがしかし、私を睨み付けてくるその顔は全く可愛くない。場地くんを見る目と全然違うのはなんなのだろうか。
「用事ないなら、私帰りたいんだけど」
「特に用はねぇけど」
「じゃあ、私はコレで失礼します」
「おい、待て」
帰ろうと一歩足を踏み出した瞬間に私の腕を掴んで止める場地くん。用はないって言ったのに、何故引き止めるのか。本当に何をしたいのか分からない人だ。
「今から千冬と家に行くから、オマエも寄ってけよ。ここの団地なんだ」
「え、遠慮します」
「遠慮なんて要らねぇよ。来いよ」
「じゃあ、貴方が遠慮して下さい。行きたくありません」
場地くんの顔の目の前に掌を突き付けて、断りを入れるが全く聞き耳を持ってくれない。
「よーし、千冬ぅ、行くぞ」
「ウッス」
また、場地くんは強引に私を連れて行こうとする。
ウッスじゃないよ!松野千冬!あんな嫌そうな目をしてた癖に受け入れないでよ!ここでこそ、こんな女連れて行く事ないっスよ!とか言ってよ!
「誘拐犯っ!助けてぇ!」
「なっ…!オマエ!デケェ声出すな!」
団地の前を通る人々から、視線をビシビシ感じる。ザワザワと何だ?誘拐犯?でも、同じ学校の制服だよ?などと聞こえて来る。段々と居た堪れなくなって、とにかく身を隠したくなった私たち3人は急ぎ足で場地くんの家へと駆け込んだ。
何故、こうなってしまったのだろう。場地くんの部屋で1つの小さな丸いテーブルを3人で囲んでいる。
異色のメンツ過ぎて、学校の人が見たらパニックだろう。 松野千冬は威嚇しているのか、私を鋭い眼光で睨み付けてくる。一体、私が何をしたよ。被害者は私だ。睨み付けたいのはこっちだよ。
溜息を漏らせば、更に目付きは鋭い物へと変わった。
「場地さん、コイツは何なんですか?」
「盆栽女」
「だから、園芸だってば!」
「その盆栽女が何故、場地さんと?」
「一緒に水やりしてたんだ」
「はぁ!?オマエ、何場地さんに水やりなんてやらせてんだよ!?」
「場地くんが花壇に人の顔面埋めて、花潰すのがいけないのでは?」
「は?めちゃくちゃ、カッケェじゃん」
松野千冬のその言葉にカチンと来てしまった私はまた、あの時のように言ってしまった。
「あのねぇ!花にも命があるの!それを貴方達のくだらない喧嘩で摘み取らないでよ!」
「…っそれは…」
「不良とか喧嘩が全て悪いとか言わないけど、勝手に巻き込まないでよ。それも出来ないなら、不良とか言ってんな!」
そう、人と違う事をする事が全部悪い事とは思わない。普通の事が出来た上で、初めて人と違う事をしてカッコイイと言えるのだろう。そうでなければ、ただの常識外れだ。まぁ、普通とは?と聞かれたら、私の中の普通と他人の普通は認識のズレはあるだろうから、難しい所だが。私の世界と彼らの中の世界は違うものであるのは確実だ。
そんな事を考えながら、不良相手に好き放題言ってしまったと軽く後悔。松野千冬は怒ってしまったかな。胸ぐら掴まれて、「コロスぞ、クソ女」とか言われちゃうかなと思っていれば、場地くんが声をあげて笑い始めた。
「千冬ぅ、コイツ、良い奴だろ?」
「え?あ、そうッスね…」
「オレ、コイツ好きなんだわ」
「「え?」」
私と松野千冬の声が重なった。この人は一体何を言っているんだろう。まぁ、意味不明なのは通常運行なのだけど。
「場地さん…?それは、恋愛感情でですか?」
私の心を代弁してくれた松野千冬には感謝しよう。私が恋愛感情ですか?なんて聞いたら、勘違いも甚だしい。まぁ、相手は場地くんだ。そんな深い意味はないだろう。
「あー、コレがその恋愛感情ってヤツなのか」
「「は?」」
妙にスッキリした表情で言う彼にまたもや、松野千冬と声が重なる。そんな、思い付きで口にしたのかこの人は。本能のままに生きすぎでしょう。
「オマエ、オレの女に…「断固拒否です」」
場地くんの言葉に被せて断りを入れれば、松野千冬に肩をガッと掴まれた。
「は?アンタ、場地さんの告白断るなんて100年早ぇーんだよ!場地さんだぞ!?」
「知らないわよ!そんなの!」
「オマエ、オレの女になる気ねぇの?」
「ないです。1ミリも」
「ふ〜ん」
「オレはオマエみてぇな盆栽女認めねーからな!?」
「認めてもらわなくても結構です!ていうか、さっきは断るなって言った癖に、言ってる事違うじゃない!」
「うっせぇ!オマエが振られればいい話だろ!」
「理不尽すぎるんですけど!」
松野千冬と言い合いをしていれば、急に場地くんは「よし、決めた」と言い出し、私たちはピタリと言い合いを止め、彼を見た。
「オレ、オマエの事、落とすわ」
「は?」
「場地さん、本気っスか…?」
「おう」
いい笑顔でそう言う彼に呆気にとられ、何も言えなくなってしまった。
「覚悟しとけよ、名前」
ニヤッと笑う彼に突如言い渡された宣誓布告。一方的な試合の始まりを告げるゴングの音が鳴り響いたような感じた。
「げっ…。場地圭介」
「オイ、アンタ場地さんを見て、げっ。って何だよ。失礼だろ」
「初対面の人をいきなりアンタ呼ばわりする方も失礼なのでは?」
「な…!」
彼はそう言い返されると思っていなかったようで、驚いたように元々大きい目を更に大きく見開いた。
「千冬、やめろ。コイツ、オレの知り合いなんだよ」
「え…?」
何でこんな奴と場地さんが?とでも言いたげな視線を寄越してくる、松野千冬。名前や噂はよく聞くけど、直接話すのも顔を合わせるのも初めてだ。
遠目からチラッとしか見た事のない彼は、噂よりも全然凶悪そうな顔はしていない。寧ろ、顔立ちは可愛い方だとは思う。だがしかし、私を睨み付けてくるその顔は全く可愛くない。場地くんを見る目と全然違うのはなんなのだろうか。
「用事ないなら、私帰りたいんだけど」
「特に用はねぇけど」
「じゃあ、私はコレで失礼します」
「おい、待て」
帰ろうと一歩足を踏み出した瞬間に私の腕を掴んで止める場地くん。用はないって言ったのに、何故引き止めるのか。本当に何をしたいのか分からない人だ。
「今から千冬と家に行くから、オマエも寄ってけよ。ここの団地なんだ」
「え、遠慮します」
「遠慮なんて要らねぇよ。来いよ」
「じゃあ、貴方が遠慮して下さい。行きたくありません」
場地くんの顔の目の前に掌を突き付けて、断りを入れるが全く聞き耳を持ってくれない。
「よーし、千冬ぅ、行くぞ」
「ウッス」
また、場地くんは強引に私を連れて行こうとする。
ウッスじゃないよ!松野千冬!あんな嫌そうな目をしてた癖に受け入れないでよ!ここでこそ、こんな女連れて行く事ないっスよ!とか言ってよ!
「誘拐犯っ!助けてぇ!」
「なっ…!オマエ!デケェ声出すな!」
団地の前を通る人々から、視線をビシビシ感じる。ザワザワと何だ?誘拐犯?でも、同じ学校の制服だよ?などと聞こえて来る。段々と居た堪れなくなって、とにかく身を隠したくなった私たち3人は急ぎ足で場地くんの家へと駆け込んだ。
何故、こうなってしまったのだろう。場地くんの部屋で1つの小さな丸いテーブルを3人で囲んでいる。
異色のメンツ過ぎて、学校の人が見たらパニックだろう。 松野千冬は威嚇しているのか、私を鋭い眼光で睨み付けてくる。一体、私が何をしたよ。被害者は私だ。睨み付けたいのはこっちだよ。
溜息を漏らせば、更に目付きは鋭い物へと変わった。
「場地さん、コイツは何なんですか?」
「盆栽女」
「だから、園芸だってば!」
「その盆栽女が何故、場地さんと?」
「一緒に水やりしてたんだ」
「はぁ!?オマエ、何場地さんに水やりなんてやらせてんだよ!?」
「場地くんが花壇に人の顔面埋めて、花潰すのがいけないのでは?」
「は?めちゃくちゃ、カッケェじゃん」
松野千冬のその言葉にカチンと来てしまった私はまた、あの時のように言ってしまった。
「あのねぇ!花にも命があるの!それを貴方達のくだらない喧嘩で摘み取らないでよ!」
「…っそれは…」
「不良とか喧嘩が全て悪いとか言わないけど、勝手に巻き込まないでよ。それも出来ないなら、不良とか言ってんな!」
そう、人と違う事をする事が全部悪い事とは思わない。普通の事が出来た上で、初めて人と違う事をしてカッコイイと言えるのだろう。そうでなければ、ただの常識外れだ。まぁ、普通とは?と聞かれたら、私の中の普通と他人の普通は認識のズレはあるだろうから、難しい所だが。私の世界と彼らの中の世界は違うものであるのは確実だ。
そんな事を考えながら、不良相手に好き放題言ってしまったと軽く後悔。松野千冬は怒ってしまったかな。胸ぐら掴まれて、「コロスぞ、クソ女」とか言われちゃうかなと思っていれば、場地くんが声をあげて笑い始めた。
「千冬ぅ、コイツ、良い奴だろ?」
「え?あ、そうッスね…」
「オレ、コイツ好きなんだわ」
「「え?」」
私と松野千冬の声が重なった。この人は一体何を言っているんだろう。まぁ、意味不明なのは通常運行なのだけど。
「場地さん…?それは、恋愛感情でですか?」
私の心を代弁してくれた松野千冬には感謝しよう。私が恋愛感情ですか?なんて聞いたら、勘違いも甚だしい。まぁ、相手は場地くんだ。そんな深い意味はないだろう。
「あー、コレがその恋愛感情ってヤツなのか」
「「は?」」
妙にスッキリした表情で言う彼にまたもや、松野千冬と声が重なる。そんな、思い付きで口にしたのかこの人は。本能のままに生きすぎでしょう。
「オマエ、オレの女に…「断固拒否です」」
場地くんの言葉に被せて断りを入れれば、松野千冬に肩をガッと掴まれた。
「は?アンタ、場地さんの告白断るなんて100年早ぇーんだよ!場地さんだぞ!?」
「知らないわよ!そんなの!」
「オマエ、オレの女になる気ねぇの?」
「ないです。1ミリも」
「ふ〜ん」
「オレはオマエみてぇな盆栽女認めねーからな!?」
「認めてもらわなくても結構です!ていうか、さっきは断るなって言った癖に、言ってる事違うじゃない!」
「うっせぇ!オマエが振られればいい話だろ!」
「理不尽すぎるんですけど!」
松野千冬と言い合いをしていれば、急に場地くんは「よし、決めた」と言い出し、私たちはピタリと言い合いを止め、彼を見た。
「オレ、オマエの事、落とすわ」
「は?」
「場地さん、本気っスか…?」
「おう」
いい笑顔でそう言う彼に呆気にとられ、何も言えなくなってしまった。
「覚悟しとけよ、名前」
ニヤッと笑う彼に突如言い渡された宣誓布告。一方的な試合の始まりを告げるゴングの音が鳴り響いたような感じた。