純愛センセーション
名前
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走りながら、キョロキョロと視線と顔を動かして大勢いる人混みの中から、三ツ谷と安田さんの姿を探すが、それらしき姿が一向に見当たらなくて挫けそうになる。だけど、諦めずに懸命に探し続けた。
すると、辺りを眩い光に包んだと同時に大きな音が聞こえた。パッと空を見上げると夜空に大輪の花が咲き乱れていた。周りの人達は一斉に立ち止まり、空を見上げて花火を鑑賞し始めてしまった。そのせいで、余計に歩きづらくなってしまった。
声を出して探そうにも花火の打ち上がる大きな音で何も聞こえない。
心が折れそうになってしまい、涙がじわりと滲んでしまった。
その時、武蔵神社の階段がフと視界に飛び込んで来た。
前に三ツ谷が武蔵神社は、東卍の集会場と言っていた事を思い出した。もしかして、そこに三ツ谷はいるのではないかと淡い期待が込み上げて来た。人混みを抜けて神社へ行こうとするが、人の波の流れとは逆流で上手く進めない。無理矢理、人混みを掻き分けて、人波から抜け駆けた所で誰かの足に引っかかって、転びそうになってしまった。
反射的にギュッと目を瞑って、すぐ来る衝撃に備えて奥歯を噛み締めるが一向にその衝撃は来ない。
代わりに感じたのは誰かの暖かい腕に包まれる感覚だった。恐る恐る目を開けて見れば、まず見えたのは紺色だった。
まさかと思い、パッと顔を上げると焦ったような表情をしていた三ツ谷と目が合った。
「名前、大丈夫か?足、捻ったりしてねぇ?」
「あ、うん。三ツ谷のおかげで平気。ありがとう」
「よかった。見つけたと思ったら、転けそうになってんだもん。焦ったわ」
「ごめん。急いでて…」
「何をそんな急いでんの?」
「三ツ谷を探してたの」
「あぁ、悪ぃ。安田さんが人混みで酔ったって言うから、少し休ませてあげようと思ってさ。直ぐに戻って二人に言おうと思ったんだけど、色々あってさ…」
気まづそうに目を泳がしている事から、その色々とは告白の事だろうと察した。
「安田さん、大丈夫なの?」
「あぁ。さっき会ったぺーやんに任せて来た」
「そっか」
「名前。上、行かねぇ?」
三ツ谷は上と階段を指していた。頷いてから、私のペースに合わせて階段をゆっくりと登ってくれた。
「ほら、もう少しだから」と目の前に手を差し出されて、少し戸惑いながらもその手を取る。
階段を登りきると、境内にあるベンチに腰掛けた。
神社からは花火はよく見える訳ではないようで、人は全然いなかった。
でも、今がチャンスな事はすぐに分かった。
言うなら今しかないと。
「ねぇ、三ツ谷」
「ん?」
「あの時言った、私の話聞いてくれる?」
「…あぁ。もちろん」
三ツ谷は少し私の方に体を向け、真剣な瞳で真っ直ぐ見つめてきた。
「三ツ谷、今好きな人いるの?」
「…いるよ」
「そっか。私もいるんだけどね」
胸の鼓動が花火に負けないくらいに自分の体の中で鳴り響いていた。
「あのね、私ね。三ツ谷の事…」
そこまで言いかけると、三ツ谷は私の腕を取ってそのまま自分の方へ抱き寄せた。
突然の出来事に頭が追いつかなくて、状況を理解するのに時間がかかった。
「名前、好きだ」
「え?」
「ずっと、好きだったよ」
その告白に、言葉より先に涙が溢れ出した。
私も好きだと早く伝えたいのだけど、涙が邪魔してなかなか言えない。
「大丈夫か?」
心配して顔を覗き込んでくる三ツ谷に頷くのが精一杯だ。まだ声に出して言えないけど今すぐ伝わってほしくて、覗き込んでいる三ツ谷の頬に一瞬だけ口付けた。
「…は?」
三ツ谷はいきなりの行動に動揺したのか、目を見開いて私を見る。少しして、顔を赤くさせ「オマエ、なんなの…」と言った。
そんな、三ツ谷が可愛くて小さく笑ってしまった。
「なに、笑ってんの」
「三ツ谷、私もずっと好きだったよ」
そう口に出せば、スッキリしたような気持ちになった。ずっと言いたくても言えなかった、好きの一言がやっと言えた。
「よかった。オレ、途中から名前がぺーやんの事好きなんじゃないかって焦ってたんだからな」
「え、なんでぺーやん?」
「最近、仲良かったろ?」
「まぁ。てか、嫉妬してたの?」
「…だったら、悪りぃかよ」
照れた顔でジロリと睨んで来る三ツ谷にドキドキが止まらない。嫉妬、しててくれたんだ。なんか、嬉しいな。
「私も三ツ谷が他の女の子の事が好きなんじゃないかってずっと思ってたよ」
「は?なんで?オレ、分かりやすく態度に出してたつもりなんだけど」
「え?」
「好きな女以外に頭撫でたりとかオレ、しねぇけど」
「えぇ!私、てっきり、天然でそういう事してるのかと」
「ンなわけねーじゃん。名前にだからやってたんだろ」
「そうなんだ。それは嬉しいな」
そう言って笑っていれば、三ツ谷は「名前…」と囁くように私の名を呼んだ。
ゆっくりと三ツ谷の顔が近づいてくるのが分かったので目を閉じると、ぎこちなく唇が重なった。
重なった唇を離して、照れくさく感じながらも小さく笑い合う。
すると、今まで神社からは微かにしか見えなかったが、最後なのか、今までで1番大きな花火が打ち上がった事で私達にもハッキリと見えた。
その花火が私たちを祝福しているように見えた。
すると、辺りを眩い光に包んだと同時に大きな音が聞こえた。パッと空を見上げると夜空に大輪の花が咲き乱れていた。周りの人達は一斉に立ち止まり、空を見上げて花火を鑑賞し始めてしまった。そのせいで、余計に歩きづらくなってしまった。
声を出して探そうにも花火の打ち上がる大きな音で何も聞こえない。
心が折れそうになってしまい、涙がじわりと滲んでしまった。
その時、武蔵神社の階段がフと視界に飛び込んで来た。
前に三ツ谷が武蔵神社は、東卍の集会場と言っていた事を思い出した。もしかして、そこに三ツ谷はいるのではないかと淡い期待が込み上げて来た。人混みを抜けて神社へ行こうとするが、人の波の流れとは逆流で上手く進めない。無理矢理、人混みを掻き分けて、人波から抜け駆けた所で誰かの足に引っかかって、転びそうになってしまった。
反射的にギュッと目を瞑って、すぐ来る衝撃に備えて奥歯を噛み締めるが一向にその衝撃は来ない。
代わりに感じたのは誰かの暖かい腕に包まれる感覚だった。恐る恐る目を開けて見れば、まず見えたのは紺色だった。
まさかと思い、パッと顔を上げると焦ったような表情をしていた三ツ谷と目が合った。
「名前、大丈夫か?足、捻ったりしてねぇ?」
「あ、うん。三ツ谷のおかげで平気。ありがとう」
「よかった。見つけたと思ったら、転けそうになってんだもん。焦ったわ」
「ごめん。急いでて…」
「何をそんな急いでんの?」
「三ツ谷を探してたの」
「あぁ、悪ぃ。安田さんが人混みで酔ったって言うから、少し休ませてあげようと思ってさ。直ぐに戻って二人に言おうと思ったんだけど、色々あってさ…」
気まづそうに目を泳がしている事から、その色々とは告白の事だろうと察した。
「安田さん、大丈夫なの?」
「あぁ。さっき会ったぺーやんに任せて来た」
「そっか」
「名前。上、行かねぇ?」
三ツ谷は上と階段を指していた。頷いてから、私のペースに合わせて階段をゆっくりと登ってくれた。
「ほら、もう少しだから」と目の前に手を差し出されて、少し戸惑いながらもその手を取る。
階段を登りきると、境内にあるベンチに腰掛けた。
神社からは花火はよく見える訳ではないようで、人は全然いなかった。
でも、今がチャンスな事はすぐに分かった。
言うなら今しかないと。
「ねぇ、三ツ谷」
「ん?」
「あの時言った、私の話聞いてくれる?」
「…あぁ。もちろん」
三ツ谷は少し私の方に体を向け、真剣な瞳で真っ直ぐ見つめてきた。
「三ツ谷、今好きな人いるの?」
「…いるよ」
「そっか。私もいるんだけどね」
胸の鼓動が花火に負けないくらいに自分の体の中で鳴り響いていた。
「あのね、私ね。三ツ谷の事…」
そこまで言いかけると、三ツ谷は私の腕を取ってそのまま自分の方へ抱き寄せた。
突然の出来事に頭が追いつかなくて、状況を理解するのに時間がかかった。
「名前、好きだ」
「え?」
「ずっと、好きだったよ」
その告白に、言葉より先に涙が溢れ出した。
私も好きだと早く伝えたいのだけど、涙が邪魔してなかなか言えない。
「大丈夫か?」
心配して顔を覗き込んでくる三ツ谷に頷くのが精一杯だ。まだ声に出して言えないけど今すぐ伝わってほしくて、覗き込んでいる三ツ谷の頬に一瞬だけ口付けた。
「…は?」
三ツ谷はいきなりの行動に動揺したのか、目を見開いて私を見る。少しして、顔を赤くさせ「オマエ、なんなの…」と言った。
そんな、三ツ谷が可愛くて小さく笑ってしまった。
「なに、笑ってんの」
「三ツ谷、私もずっと好きだったよ」
そう口に出せば、スッキリしたような気持ちになった。ずっと言いたくても言えなかった、好きの一言がやっと言えた。
「よかった。オレ、途中から名前がぺーやんの事好きなんじゃないかって焦ってたんだからな」
「え、なんでぺーやん?」
「最近、仲良かったろ?」
「まぁ。てか、嫉妬してたの?」
「…だったら、悪りぃかよ」
照れた顔でジロリと睨んで来る三ツ谷にドキドキが止まらない。嫉妬、しててくれたんだ。なんか、嬉しいな。
「私も三ツ谷が他の女の子の事が好きなんじゃないかってずっと思ってたよ」
「は?なんで?オレ、分かりやすく態度に出してたつもりなんだけど」
「え?」
「好きな女以外に頭撫でたりとかオレ、しねぇけど」
「えぇ!私、てっきり、天然でそういう事してるのかと」
「ンなわけねーじゃん。名前にだからやってたんだろ」
「そうなんだ。それは嬉しいな」
そう言って笑っていれば、三ツ谷は「名前…」と囁くように私の名を呼んだ。
ゆっくりと三ツ谷の顔が近づいてくるのが分かったので目を閉じると、ぎこちなく唇が重なった。
重なった唇を離して、照れくさく感じながらも小さく笑い合う。
すると、今まで神社からは微かにしか見えなかったが、最後なのか、今までで1番大きな花火が打ち上がった事で私達にもハッキリと見えた。
その花火が私たちを祝福しているように見えた。