純愛センセーション
名前
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今日は終業式。明日から夏休みに入る。
結局、三ツ谷との進展は何もないまま。武蔵祭りで何かあったりするのかなと淡い期待もしたりするが、二人で行く訳でもないし難しいだろう。
アクションを起こしてみるかどうかで悩み、頭を抱えていると、隣にいる三ツ谷に「何、唸ってんの?怖いんだけど」と言われてしまった。悩みの種は君なんですけど?とは言えずに「女子の悩みは尽きないのです」と適当に答えておいた。
「名前、今日一緒に帰らねぇ?」
「部活は?」
「今日は休み」
「あ、そうなんだ」
「だから、帰ろうぜ」
「うん。いいよ」
平然を装ってそう答えてみるも、本当は心臓はバクバクで心の中じゃ大暴れしている。
そんな私に追い討ちをかけるように「よかった」と優しく笑う三ツ谷に更にドキドキが増す。
心臓が口から出そうだ。
その笑顔反則です。爽やかでカッコよすぎる。
私はいつまでこの人に振り回されてしまうのだろうか。
*
終業式はすぐに終わり、午前中で下校となった。約束通りに二人で並んで帰っていると、三ツ谷は「そう言えばさぁ」と切り出したので彼の方を見る。
「名前さ、何か悩んでんの?」
「え、なんで?」
「朝もずっとう〜んって言ってたし、この前本当は泣いてただろ」
ぺーやんが全力で誤魔化してくれたけど、やっぱりバレていた。でも、三ツ谷のことで悩んで泣いてたなんて口が裂けても言えない。必死に誤魔化す方法を考えるが、一向に思い付かない。
何も言えずに沈黙が流れる。この沈黙が痛くて、思い切ってここで告白しちゃう…?とすら思えてきた。けど、まだ勇気なんで出ない。
「ぺーやんには話せてオレには話せない?」
「え?」
「アイツは知ってる風だったじゃん」
それは本人じゃないからね。本人に言える訳ないじゃない。それ普通に告白だし。と心の中で言いながら、何て返そうかと言葉を選んでいると、三ツ谷は私の両肩を掴んで、私と目線を合わせるように少し屈んで私の目を見た。
「もっと、オレを頼ってよ」
そのセリフと三ツ谷の瞳に捕えられて息が詰まった。
「な、なんで…?」
「名前の事、もっと知りてぇじゃん?」
少し照れたような表情を見せ、はにかむ三ツ谷に胸がギュッと締め付けられた。
好き、三ツ谷が好き。その言葉が出かかったけど必死に飲み込む。
「…いつか、三ツ谷に話すから。その時は、ちゃんと聞いてくれる?」
緊張で震える声を懸命に抑えて伝えれば、三ツ谷は私の頭に手をポンっと置いた。
「ん、分かった。名前の話ならちゃんと聞くよ」
「ありがとう」
お礼を言えば、頭に乗せていた手をこれでもかと言うくらいに思いっきり動かして、私の髪をグチャグチャにし始めた。
「ちょ、何すんの!」
「頭撫でてんの」
「雑すぎるでしょ!?」
「ボサボサじゃん」
「三ツ谷のせいじゃん!」
今度はこれでもかと言うくらい優しい手つきで、グチャグチャになった髪の毛を直し始めた。
あまりに優しいものだから、胸がドキッと跳ねた。
少し髪の毛をすくって、そのまま私の耳に髪の毛をかけた。その行動に私の足は震えてしまって、立っているのがやっとだ。
「三ツ谷…?」
「ん?」
「さっきから、何…?」
何かと聞けば、ニッと笑って「さ、帰ろうぜ」と踵を返して歩き出した。少しの間、ボケっとその後ろ姿を見ていたが、ハッと我に返って声を上げる。
「え、ちょ、待ってよ!?」
慌てて追いかけると「早くしろよ」と首だけをこちらに向けて歩みを止めてくれた。
「そうだ。浴衣、着てくる?」
「あ、祭りの時?着ようかなって思ってるよ」
「ふーん、じゃあオレも着ようかな」
「え、三ツ谷も着るの!?」
「なに?変?」
「ううん!見たい!着て!絶対にカッコイイ!」
「え?」
「あっ…」
三ツ谷の浴衣姿を想像したら興奮して、思わず本音がポロリ。慌てて、口を手で塞ぐがもう遅い。結構、大胆な事を言ってしまった気がする。チラッと三ツ谷の顔を見ると驚いたような顔をしていたが、目が合うと嬉しそうに笑った。
この三ツ谷の楽しそうな笑顔を見て、お祭りの時に伝えようと決めた。今、胸の中にある想いも全部伝えよう。
「楽しみだな」
「うん、そうだね」
「名前の浴衣姿」
「えっ、そっち!?」
「祭りも浴衣姿も」
「…私も両方楽しみ」
「だな」
そんな私たちを7月の太陽が照らしていた。
私たちの夏が今、始まろうとしている。
結局、三ツ谷との進展は何もないまま。武蔵祭りで何かあったりするのかなと淡い期待もしたりするが、二人で行く訳でもないし難しいだろう。
アクションを起こしてみるかどうかで悩み、頭を抱えていると、隣にいる三ツ谷に「何、唸ってんの?怖いんだけど」と言われてしまった。悩みの種は君なんですけど?とは言えずに「女子の悩みは尽きないのです」と適当に答えておいた。
「名前、今日一緒に帰らねぇ?」
「部活は?」
「今日は休み」
「あ、そうなんだ」
「だから、帰ろうぜ」
「うん。いいよ」
平然を装ってそう答えてみるも、本当は心臓はバクバクで心の中じゃ大暴れしている。
そんな私に追い討ちをかけるように「よかった」と優しく笑う三ツ谷に更にドキドキが増す。
心臓が口から出そうだ。
その笑顔反則です。爽やかでカッコよすぎる。
私はいつまでこの人に振り回されてしまうのだろうか。
*
終業式はすぐに終わり、午前中で下校となった。約束通りに二人で並んで帰っていると、三ツ谷は「そう言えばさぁ」と切り出したので彼の方を見る。
「名前さ、何か悩んでんの?」
「え、なんで?」
「朝もずっとう〜んって言ってたし、この前本当は泣いてただろ」
ぺーやんが全力で誤魔化してくれたけど、やっぱりバレていた。でも、三ツ谷のことで悩んで泣いてたなんて口が裂けても言えない。必死に誤魔化す方法を考えるが、一向に思い付かない。
何も言えずに沈黙が流れる。この沈黙が痛くて、思い切ってここで告白しちゃう…?とすら思えてきた。けど、まだ勇気なんで出ない。
「ぺーやんには話せてオレには話せない?」
「え?」
「アイツは知ってる風だったじゃん」
それは本人じゃないからね。本人に言える訳ないじゃない。それ普通に告白だし。と心の中で言いながら、何て返そうかと言葉を選んでいると、三ツ谷は私の両肩を掴んで、私と目線を合わせるように少し屈んで私の目を見た。
「もっと、オレを頼ってよ」
そのセリフと三ツ谷の瞳に捕えられて息が詰まった。
「な、なんで…?」
「名前の事、もっと知りてぇじゃん?」
少し照れたような表情を見せ、はにかむ三ツ谷に胸がギュッと締め付けられた。
好き、三ツ谷が好き。その言葉が出かかったけど必死に飲み込む。
「…いつか、三ツ谷に話すから。その時は、ちゃんと聞いてくれる?」
緊張で震える声を懸命に抑えて伝えれば、三ツ谷は私の頭に手をポンっと置いた。
「ん、分かった。名前の話ならちゃんと聞くよ」
「ありがとう」
お礼を言えば、頭に乗せていた手をこれでもかと言うくらいに思いっきり動かして、私の髪をグチャグチャにし始めた。
「ちょ、何すんの!」
「頭撫でてんの」
「雑すぎるでしょ!?」
「ボサボサじゃん」
「三ツ谷のせいじゃん!」
今度はこれでもかと言うくらい優しい手つきで、グチャグチャになった髪の毛を直し始めた。
あまりに優しいものだから、胸がドキッと跳ねた。
少し髪の毛をすくって、そのまま私の耳に髪の毛をかけた。その行動に私の足は震えてしまって、立っているのがやっとだ。
「三ツ谷…?」
「ん?」
「さっきから、何…?」
何かと聞けば、ニッと笑って「さ、帰ろうぜ」と踵を返して歩き出した。少しの間、ボケっとその後ろ姿を見ていたが、ハッと我に返って声を上げる。
「え、ちょ、待ってよ!?」
慌てて追いかけると「早くしろよ」と首だけをこちらに向けて歩みを止めてくれた。
「そうだ。浴衣、着てくる?」
「あ、祭りの時?着ようかなって思ってるよ」
「ふーん、じゃあオレも着ようかな」
「え、三ツ谷も着るの!?」
「なに?変?」
「ううん!見たい!着て!絶対にカッコイイ!」
「え?」
「あっ…」
三ツ谷の浴衣姿を想像したら興奮して、思わず本音がポロリ。慌てて、口を手で塞ぐがもう遅い。結構、大胆な事を言ってしまった気がする。チラッと三ツ谷の顔を見ると驚いたような顔をしていたが、目が合うと嬉しそうに笑った。
この三ツ谷の楽しそうな笑顔を見て、お祭りの時に伝えようと決めた。今、胸の中にある想いも全部伝えよう。
「楽しみだな」
「うん、そうだね」
「名前の浴衣姿」
「えっ、そっち!?」
「祭りも浴衣姿も」
「…私も両方楽しみ」
「だな」
そんな私たちを7月の太陽が照らしていた。
私たちの夏が今、始まろうとしている。