ロマンスは必然に
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「キミに恋する私に気付いていますか?」
彼女からそう告げられ、かなり動揺してしまい、ダサい事に自分の気持ちを直ぐに告げる事は出来なかった。何か言いたそうだからと言って、屋上へ呼び出したのは、ただの口実。自分が彼女と話をしてみたかっただけ。その癖、先手を打たれて何も出来ず仕舞いな自分が不甲斐なさ過ぎて、ため息が漏れた。
「何で、オレなの?」
「何でって…?」
「ほら、自分で言うのもアレだけど、こんな見た目だし?」
「見た目で好きになった訳じゃないから」
頬を染めて、恥ずかしそうにチラッと見上げて来る彼女の視線に耐えられなくて、視線を逸らした。
「オレ、何かしたっけ?」
「三ツ谷くんは覚えてないかもしれないけど、2年生の時、不良から助けてもらったの」
「あの時の事、覚えてたんだ?」
「すぐにお礼に行けなくてごめんね。助けたのが私って事に気付いていなかったら、って思ったら、なかなか勇気が出なくて…」
何かしたっけ?なんて、とぼけた台詞を口にしてしまった。集会に向かう途中、薄暗い道を1人で歩いてる苗字さんを見つけて、危ないからと声を掛けようとした所をガラの悪いヤツに絡まれていたのを助けた。涙目で震える彼女を放っては置けなくて、無意識に頭を撫でていた事まで鮮明に覚えている。
「ちゃんと覚えてるよ」
「もっと、早く声掛ければ良かったね…」
再度、ごめんねと謝る彼女に「大丈夫だよ」と言えば、安心したように綻んだ。
「改めて、あの時はありがとうございました」
「どういたしまして」
ニッと笑って、妹たちにするような感覚で頭に手をポンっと乗せると、彼女の頬が一気に顔が真っ赤になっていった。それを見た瞬間に、あの日と同じ事をした筈なのに、全く違う反応が返ってきた。
その反応に自分も恥ずかしくなってしまう。
「悪ぃ!」
「い、いえ…!」
彼女からパッと手を離して、すぐに自分の口元へ持っていった。きっと、自分も彼女と同じように真っ赤に染まっているんだろう。隠すように、手を覆ったが意味はなさそうだ。
お互い無言になっていると、屋上のドアが勢いよく開く音がして振り向くと、そこには独特な歩き方でこちらに向かってくる、ぺーやんがいた。
「三ツ谷ぁ!やっと、見つけた」
「何だよ?」
バカみてぇにデカい声でオレの名を呼ぶ、ぺーやんに顔を顰める。
折角の苗字さんと2人で話せる機会を邪魔しやがって。大した用じゃなければ、1発くらい殴ってもバチは当たらねぇよな?なんて、心の中で想いながらもぺーやんの言葉に耳を傾ける。
「今日の集会の事でよ…ってこの子は?」
今更、隣にいる彼女の存在に気付いたようで、苗字さんをジッと見た。その視線に彼女はビクッと肩を揺らした。本人はただ、見ているだけのつもりだろうけど、傍から見ればガンを飛ばしているようにしか見えない。
「あー、悪ぃ。コイツ、睨んでるんけじゃないから」
「あ、そうなの…?」
そう言えば、彼女は安心したかのように肩の力を抜いた。
「苗字…?」
「あ、はい。そうですけど…」
またもや、ジッと見てくるぺーやんの視線にタジタジだ。何をそんなにガン見することがあるのだろうか。と2人を眺めていると、ぺーやんは何かを思い付いたかのように目を見開いた。
「…あぁ!!どっかで聞いた事ある名前だと思っていたら、三ツ谷の!!」
そこまで言って、コイツがなにを言うのかは予想がついてしまったので、口止めの為に思いっきり、ぺーやんの肩に拳を叩き込んだ。痛みに顔を歪めて「何すんだよ!」とキレてくるが、悪いのはオマエだ。
「え?三ツ谷くんの…?」
「いや、何でもないよ」
笑って誤魔化そうとしたが、ぺーやんの余計な発言は止まらない。
「この子、アレだろ?前に助けた子!」
「まぁ、そうだけど」
「ふーん、良かったなぁ」
ニヤニヤと薄気味悪い笑顔でそう言ってくる、ぺーやんに今度は顔面に拳を叩き込もうかと思った。
「コイツ、1人で歩いている苗字さん見た瞬間に走って追い掛けて行ったんだぜ」
「…え?」
「おい!オマエ余計な事、ペラペラ喋ってんじゃねぇよ!」
これ以上、余計な事を言われたくなかったので、ぺーやんのケツを蹴り飛ばして、屋上から追い出した。ちゃんと、自分の口から言いたいのに、ぺーやんに言われては堪ったもんじゃない。
追い出したのは良いものの、気まずさから、またお互い無言になってしまった。その沈黙を先に破ったのは彼女だった。
「不良に絡まれているのを見て、助けに来てくれたんじゃないの?」
「いや、本当は、暗い道を1人で歩いているのを見て、危ないと思って追い掛けたんだ」
「何で…?」
その何でとは、きっと、どうして、そこまでしてくれるの?と言う意味だろうか。そんなの答えは1つしかない。
「キミに恋をするオレに気付いて欲しかったから」
彼女からそう告げられ、かなり動揺してしまい、ダサい事に自分の気持ちを直ぐに告げる事は出来なかった。何か言いたそうだからと言って、屋上へ呼び出したのは、ただの口実。自分が彼女と話をしてみたかっただけ。その癖、先手を打たれて何も出来ず仕舞いな自分が不甲斐なさ過ぎて、ため息が漏れた。
「何で、オレなの?」
「何でって…?」
「ほら、自分で言うのもアレだけど、こんな見た目だし?」
「見た目で好きになった訳じゃないから」
頬を染めて、恥ずかしそうにチラッと見上げて来る彼女の視線に耐えられなくて、視線を逸らした。
「オレ、何かしたっけ?」
「三ツ谷くんは覚えてないかもしれないけど、2年生の時、不良から助けてもらったの」
「あの時の事、覚えてたんだ?」
「すぐにお礼に行けなくてごめんね。助けたのが私って事に気付いていなかったら、って思ったら、なかなか勇気が出なくて…」
何かしたっけ?なんて、とぼけた台詞を口にしてしまった。集会に向かう途中、薄暗い道を1人で歩いてる苗字さんを見つけて、危ないからと声を掛けようとした所をガラの悪いヤツに絡まれていたのを助けた。涙目で震える彼女を放っては置けなくて、無意識に頭を撫でていた事まで鮮明に覚えている。
「ちゃんと覚えてるよ」
「もっと、早く声掛ければ良かったね…」
再度、ごめんねと謝る彼女に「大丈夫だよ」と言えば、安心したように綻んだ。
「改めて、あの時はありがとうございました」
「どういたしまして」
ニッと笑って、妹たちにするような感覚で頭に手をポンっと乗せると、彼女の頬が一気に顔が真っ赤になっていった。それを見た瞬間に、あの日と同じ事をした筈なのに、全く違う反応が返ってきた。
その反応に自分も恥ずかしくなってしまう。
「悪ぃ!」
「い、いえ…!」
彼女からパッと手を離して、すぐに自分の口元へ持っていった。きっと、自分も彼女と同じように真っ赤に染まっているんだろう。隠すように、手を覆ったが意味はなさそうだ。
お互い無言になっていると、屋上のドアが勢いよく開く音がして振り向くと、そこには独特な歩き方でこちらに向かってくる、ぺーやんがいた。
「三ツ谷ぁ!やっと、見つけた」
「何だよ?」
バカみてぇにデカい声でオレの名を呼ぶ、ぺーやんに顔を顰める。
折角の苗字さんと2人で話せる機会を邪魔しやがって。大した用じゃなければ、1発くらい殴ってもバチは当たらねぇよな?なんて、心の中で想いながらもぺーやんの言葉に耳を傾ける。
「今日の集会の事でよ…ってこの子は?」
今更、隣にいる彼女の存在に気付いたようで、苗字さんをジッと見た。その視線に彼女はビクッと肩を揺らした。本人はただ、見ているだけのつもりだろうけど、傍から見ればガンを飛ばしているようにしか見えない。
「あー、悪ぃ。コイツ、睨んでるんけじゃないから」
「あ、そうなの…?」
そう言えば、彼女は安心したかのように肩の力を抜いた。
「苗字…?」
「あ、はい。そうですけど…」
またもや、ジッと見てくるぺーやんの視線にタジタジだ。何をそんなにガン見することがあるのだろうか。と2人を眺めていると、ぺーやんは何かを思い付いたかのように目を見開いた。
「…あぁ!!どっかで聞いた事ある名前だと思っていたら、三ツ谷の!!」
そこまで言って、コイツがなにを言うのかは予想がついてしまったので、口止めの為に思いっきり、ぺーやんの肩に拳を叩き込んだ。痛みに顔を歪めて「何すんだよ!」とキレてくるが、悪いのはオマエだ。
「え?三ツ谷くんの…?」
「いや、何でもないよ」
笑って誤魔化そうとしたが、ぺーやんの余計な発言は止まらない。
「この子、アレだろ?前に助けた子!」
「まぁ、そうだけど」
「ふーん、良かったなぁ」
ニヤニヤと薄気味悪い笑顔でそう言ってくる、ぺーやんに今度は顔面に拳を叩き込もうかと思った。
「コイツ、1人で歩いている苗字さん見た瞬間に走って追い掛けて行ったんだぜ」
「…え?」
「おい!オマエ余計な事、ペラペラ喋ってんじゃねぇよ!」
これ以上、余計な事を言われたくなかったので、ぺーやんのケツを蹴り飛ばして、屋上から追い出した。ちゃんと、自分の口から言いたいのに、ぺーやんに言われては堪ったもんじゃない。
追い出したのは良いものの、気まずさから、またお互い無言になってしまった。その沈黙を先に破ったのは彼女だった。
「不良に絡まれているのを見て、助けに来てくれたんじゃないの?」
「いや、本当は、暗い道を1人で歩いているのを見て、危ないと思って追い掛けたんだ」
「何で…?」
その何でとは、きっと、どうして、そこまでしてくれるの?と言う意味だろうか。そんなの答えは1つしかない。
「キミに恋をするオレに気付いて欲しかったから」