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「あぁ〜、女欲しい〜」
「さっきからうっせぇなぁ。そこら辺で女でも引っ掛けて来いよ」
「んん〜。ギャルが居ねぇ」
「本当にオマエはギャルが好きだよなぁ」
基本、オレは派手な物が好き。服も身に付ける物も目立つものが好き。ゴリゴリの不良グッズも好き。だから、ギャルの派手な化粧やら露出の多い格好も好き。
「オレさぁ、自分で言うのもアレだけど顔は良いと思うんだよね。なのに、なんで女が寄ってこねぇんだろ」
「そのクソダセェ、パンチパーマのせいじゃね?」
「あ?場地の服のセンスの方がダセェだろ」
「テメェの変な柄シャツの方がセンスねぇよ」
「どっちもどっちじゃね?」
「「マイキーの甚平よりはマシだっつーの!」」
甚平をバカにされた事が頭に来たのかマイキーは暴れ出し、場地と喧嘩になっていた。そんな2人を横目に呆れ顔のドラケンに別れの言葉を掛けてから3人と別れた。1人、自分の通う学校へと足を向ける。何故、自分だけ学校が違うのだろうと不満を心の中で漏らしながら、溝中へと着いた。
「あー、だりぃな。サボるか」
昇降口で上履きに履き替え、教室に向かう途中の階段を登っている時に教室に行って周りと同じように机に向かって授業を受ける、そんな行為が面倒に思えた。一人でボソッと呟いてから、自分の教室の階を超してサボる鉄板と言えるだろう、屋上へと来た。こういう時に、場地やマイキーたちと同じ学校ならサボるのも楽しいだろうなとフと思った。
更に自分だけ違う学校なのが嫌になった。
屋上のドアを開ければ人影が見えて、入ろうとしていた足を止めた。1限目からサボるヤツなんて自分以外にいるのだろうかと驚きが隠せなかった。
クルッと振り向いた影は、見た事ある人物だった。
「あれ、羽宮くん?」
「あー、えーと、同じクラスの…」
「苗字だよ」
「あ、そうそう。苗字」
そうだ、思い出した。同じクラスの女だ。特に絡むことも無かったし、名前を呼び合うほどの仲でもないから、名前なんてうろ覚えだ。
「何してんの?こんな所で」
「羽宮くんと同じ理由だと思うけど?」
「は?オマエ、地…大人しそうなくせにサボったりすんの?」
危ねぇ、思わず本音で地味って言ってしまう所だった。それに気づいた彼女はクスクス笑い始めた。
「地味でもサボりたくなる時もあるんだよ」
「地味とは言ってねぇだろ」
「言いかけたでしょう?」
「…まぁ」
素直に言えば、今度は顔をクシャッとして声を上げて笑い始めた。笑った顔はそこそこに可愛いと思った。笑えば人並みの平凡な女だな、なんて心で若干失礼な事を考えていれば、苗字はコッチに向かって歩いて来た。
「私、別の所でサボるから羽宮くんここ使っていいよ。私が居たら嫌でしょう?」
「いや、別に。そんな事ねーけど」
「一人になりたいからここに来たとかじゃないの?」
「単に授業がダルいだけ」
「そっか。じゃあ、ここに居ても良い?」
「アンタがいいなら」
「ありがとう」
そう言って、もう一度笑った苗字はやっぱり可愛いと思った。2人でアスファルトに座り込んで、1限の終わりを告げるチャイムが鳴り響くまでずっと話していた。意外と話しやすくて、よく笑うヤツだった。
「2限目…始まるね」
「教室行かねぇの?」
「うーん、羽宮くんは?」
「オレはとりあえず昼までサボる」
「じゃあ、私も!」
「不良じゃねーか」
「ふふっ、じゃあ羽宮くんと一緒だね!」
正直、もう少し一緒に話していたいと思っていたからその返答は嬉しかった。屈託の無い笑顔の彼女と一緒に居ることは何故か心地良かった。
「本当はね、ここに居たら羽宮くんと話せるかなって思ってここに来たの」
「は?なんでオレ?」
「羽宮くん、私みたいな地味な女はアリですか?」
少し頬を染めながらそう言ってくる彼女の真っ直ぐと目を見詰めてくる茶色い瞳に飲み込まれそうになった。化粧っ気もなくて髪を染めているわけでもない、真っ黒なサラサラな髪。キッチリと着た制服。どれも、自分の趣味とは真逆の彼女。
基本、派手な物が好き。女もギャルが好き。だけど、咄嗟に口から言葉が滑り落ちた。
「アリかもしんねぇ」
その言葉を聞き、彼女は嬉しそうに笑った。それにつられて自分も口元が緩むのが分かった。
自分の中の世界がひっくり返った瞬間だった。
「さっきからうっせぇなぁ。そこら辺で女でも引っ掛けて来いよ」
「んん〜。ギャルが居ねぇ」
「本当にオマエはギャルが好きだよなぁ」
基本、オレは派手な物が好き。服も身に付ける物も目立つものが好き。ゴリゴリの不良グッズも好き。だから、ギャルの派手な化粧やら露出の多い格好も好き。
「オレさぁ、自分で言うのもアレだけど顔は良いと思うんだよね。なのに、なんで女が寄ってこねぇんだろ」
「そのクソダセェ、パンチパーマのせいじゃね?」
「あ?場地の服のセンスの方がダセェだろ」
「テメェの変な柄シャツの方がセンスねぇよ」
「どっちもどっちじゃね?」
「「マイキーの甚平よりはマシだっつーの!」」
甚平をバカにされた事が頭に来たのかマイキーは暴れ出し、場地と喧嘩になっていた。そんな2人を横目に呆れ顔のドラケンに別れの言葉を掛けてから3人と別れた。1人、自分の通う学校へと足を向ける。何故、自分だけ学校が違うのだろうと不満を心の中で漏らしながら、溝中へと着いた。
「あー、だりぃな。サボるか」
昇降口で上履きに履き替え、教室に向かう途中の階段を登っている時に教室に行って周りと同じように机に向かって授業を受ける、そんな行為が面倒に思えた。一人でボソッと呟いてから、自分の教室の階を超してサボる鉄板と言えるだろう、屋上へと来た。こういう時に、場地やマイキーたちと同じ学校ならサボるのも楽しいだろうなとフと思った。
更に自分だけ違う学校なのが嫌になった。
屋上のドアを開ければ人影が見えて、入ろうとしていた足を止めた。1限目からサボるヤツなんて自分以外にいるのだろうかと驚きが隠せなかった。
クルッと振り向いた影は、見た事ある人物だった。
「あれ、羽宮くん?」
「あー、えーと、同じクラスの…」
「苗字だよ」
「あ、そうそう。苗字」
そうだ、思い出した。同じクラスの女だ。特に絡むことも無かったし、名前を呼び合うほどの仲でもないから、名前なんてうろ覚えだ。
「何してんの?こんな所で」
「羽宮くんと同じ理由だと思うけど?」
「は?オマエ、地…大人しそうなくせにサボったりすんの?」
危ねぇ、思わず本音で地味って言ってしまう所だった。それに気づいた彼女はクスクス笑い始めた。
「地味でもサボりたくなる時もあるんだよ」
「地味とは言ってねぇだろ」
「言いかけたでしょう?」
「…まぁ」
素直に言えば、今度は顔をクシャッとして声を上げて笑い始めた。笑った顔はそこそこに可愛いと思った。笑えば人並みの平凡な女だな、なんて心で若干失礼な事を考えていれば、苗字はコッチに向かって歩いて来た。
「私、別の所でサボるから羽宮くんここ使っていいよ。私が居たら嫌でしょう?」
「いや、別に。そんな事ねーけど」
「一人になりたいからここに来たとかじゃないの?」
「単に授業がダルいだけ」
「そっか。じゃあ、ここに居ても良い?」
「アンタがいいなら」
「ありがとう」
そう言って、もう一度笑った苗字はやっぱり可愛いと思った。2人でアスファルトに座り込んで、1限の終わりを告げるチャイムが鳴り響くまでずっと話していた。意外と話しやすくて、よく笑うヤツだった。
「2限目…始まるね」
「教室行かねぇの?」
「うーん、羽宮くんは?」
「オレはとりあえず昼までサボる」
「じゃあ、私も!」
「不良じゃねーか」
「ふふっ、じゃあ羽宮くんと一緒だね!」
正直、もう少し一緒に話していたいと思っていたからその返答は嬉しかった。屈託の無い笑顔の彼女と一緒に居ることは何故か心地良かった。
「本当はね、ここに居たら羽宮くんと話せるかなって思ってここに来たの」
「は?なんでオレ?」
「羽宮くん、私みたいな地味な女はアリですか?」
少し頬を染めながらそう言ってくる彼女の真っ直ぐと目を見詰めてくる茶色い瞳に飲み込まれそうになった。化粧っ気もなくて髪を染めているわけでもない、真っ黒なサラサラな髪。キッチリと着た制服。どれも、自分の趣味とは真逆の彼女。
基本、派手な物が好き。女もギャルが好き。だけど、咄嗟に口から言葉が滑り落ちた。
「アリかもしんねぇ」
その言葉を聞き、彼女は嬉しそうに笑った。それにつられて自分も口元が緩むのが分かった。
自分の中の世界がひっくり返った瞬間だった。