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最近、付き合い始めた彼女の苗字 名前。
同じクラスに在籍していたが、特別仲が良かった訳じゃなかった。話した事は極わずかだが、その中でも分かるくらいに話し方も性格も凄く控えめな女。そんな所がただ、シンプルにタイプだった。そんな控えめな彼女が見せる笑顔が可愛いなと思っていた。勢いで告白して、答えはまさかのOK。告白をしたのは自分の癖に呆気に取られたのは今でも覚えている。
付き合ってからの放課後は東卍の集会や場地さんに呼ばれた時以外は一緒に帰っている。今日は何も無い日だった為、帰ろうと声を掛ければ彼女は嬉しそうに笑って頷いた。
いつものように隣に並んで、苗字の家に向かう。苗字は歩く時は半歩後ろに下がって歩く。そこは別に控えめじゃなくても良いのにとは思う。隣に来いと言うのも何だか照れくさいし、手を引いて隣に来させるのはもっと難易度が高い。初めて出来た彼女という事もあって、距離の縮め方がイマイチ分からない。場地さんにでも聞けば分かるか?あの人は先に歩いて行ってしまうタイプだし、こんな小さな事で悩んだりしねぇか。と考えていれば、いきなりブレザーの裾を引っ張られ、突然の事に「うおっ」と変な声をあげながら半歩下がった。振り返れば苗字は俯いたまま、オレのブレザーの裾をギュッと掴んでいた。
「どうした?」
そう問いかけても、何も言わず下を向いたまま。
不思議に思って下から顔を覗き込めば、苗字の顔はほんのり赤み帯びていた。今日はそんな暑くもねぇし…
「体調でも悪いのか?」
熱でもあるんじゃないかと思って、額に手を宛てがうが、特に熱くもなかった。彼女はさらに顔を赤くして首を横に振った。
「…千冬」
「え?」
遠慮がちに呟くように呼ばれた自分の名前に胸がドキッと跳ねた。彼女は今まで、オレの事を松野君と呼んでいた。ついさっきも松野君と呼んでいたハズだ。
「千冬…って呼んでも良いですか?」
ゆっくりと視線をあげ、そう聞いてくる苗字がとても可愛くて、一気に顔に熱が集中するのが分かった。このだらしない顔を見られたくない。その一心で気付いたら、苗字の腕を引っ張って自分の腕の中へと閉じ込めた。驚いたのか、慌てふためきながら顔をあげようとしたので、顔を見られまいと頭部を軽く押さえて自分の胸へと押し付けた。早く、顔の赤みが無くなれと上を向き、熱を冷ましていると、くぐもった声で「千冬、心臓の音早いね」と聞こえた。その瞬間にバッと苗字を離して距離を取る。まさか、心臓の音でバレるとは思っていなかった。しかし、目の前には自分と同じ頬の色をした彼女は「私と一緒だ」と笑っていた。溢れ出す感情と共に自分の意志とは関係なく口から言葉が滑り落ちた。
「好きだ、名前」
「私も大好きだよ」
一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに嬉しそうに微笑んで言葉を返した。夕焼けの朱色と同じ色をして微笑む名前がとても綺麗だった。
今日、放課後、キミに一歩近づいた。
同じクラスに在籍していたが、特別仲が良かった訳じゃなかった。話した事は極わずかだが、その中でも分かるくらいに話し方も性格も凄く控えめな女。そんな所がただ、シンプルにタイプだった。そんな控えめな彼女が見せる笑顔が可愛いなと思っていた。勢いで告白して、答えはまさかのOK。告白をしたのは自分の癖に呆気に取られたのは今でも覚えている。
付き合ってからの放課後は東卍の集会や場地さんに呼ばれた時以外は一緒に帰っている。今日は何も無い日だった為、帰ろうと声を掛ければ彼女は嬉しそうに笑って頷いた。
いつものように隣に並んで、苗字の家に向かう。苗字は歩く時は半歩後ろに下がって歩く。そこは別に控えめじゃなくても良いのにとは思う。隣に来いと言うのも何だか照れくさいし、手を引いて隣に来させるのはもっと難易度が高い。初めて出来た彼女という事もあって、距離の縮め方がイマイチ分からない。場地さんにでも聞けば分かるか?あの人は先に歩いて行ってしまうタイプだし、こんな小さな事で悩んだりしねぇか。と考えていれば、いきなりブレザーの裾を引っ張られ、突然の事に「うおっ」と変な声をあげながら半歩下がった。振り返れば苗字は俯いたまま、オレのブレザーの裾をギュッと掴んでいた。
「どうした?」
そう問いかけても、何も言わず下を向いたまま。
不思議に思って下から顔を覗き込めば、苗字の顔はほんのり赤み帯びていた。今日はそんな暑くもねぇし…
「体調でも悪いのか?」
熱でもあるんじゃないかと思って、額に手を宛てがうが、特に熱くもなかった。彼女はさらに顔を赤くして首を横に振った。
「…千冬」
「え?」
遠慮がちに呟くように呼ばれた自分の名前に胸がドキッと跳ねた。彼女は今まで、オレの事を松野君と呼んでいた。ついさっきも松野君と呼んでいたハズだ。
「千冬…って呼んでも良いですか?」
ゆっくりと視線をあげ、そう聞いてくる苗字がとても可愛くて、一気に顔に熱が集中するのが分かった。このだらしない顔を見られたくない。その一心で気付いたら、苗字の腕を引っ張って自分の腕の中へと閉じ込めた。驚いたのか、慌てふためきながら顔をあげようとしたので、顔を見られまいと頭部を軽く押さえて自分の胸へと押し付けた。早く、顔の赤みが無くなれと上を向き、熱を冷ましていると、くぐもった声で「千冬、心臓の音早いね」と聞こえた。その瞬間にバッと苗字を離して距離を取る。まさか、心臓の音でバレるとは思っていなかった。しかし、目の前には自分と同じ頬の色をした彼女は「私と一緒だ」と笑っていた。溢れ出す感情と共に自分の意志とは関係なく口から言葉が滑り落ちた。
「好きだ、名前」
「私も大好きだよ」
一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに嬉しそうに微笑んで言葉を返した。夕焼けの朱色と同じ色をして微笑む名前がとても綺麗だった。
今日、放課後、キミに一歩近づいた。