私が恋を知る日
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保健の先生が職員会議という事で昼休みの保健室当番を任され、1人で保健室にいる。
せっかくの休み時間に友達とお話出来ないのは嫌だし、その上、誰も来なくて暇だ。
「あーあ。暇だなぁ」
そう独り言を呟いてると保健室のドアの開く音のような破壊されるような物凄い大きな音が聞こえた。驚いて、ドアの方へ目を向けるとそこに居たのは、同じクラスの場地君だった。
場地君と言えば、暴走族との噂が学校中に広まっている。同じクラスと言えど、話した事はないし、とんでもない輩のような人だと聞いた事があるので、湧いてくるのは恐怖心だけだった。鋭い視線が私を捉え、あまりの怖さに目を逸らして下を向いた。
「センコーは?」
「職員会議です。何か先生に用事でもありましたか?」
「怪我診てもらおうと思ってよぉ」
「あ、私やります。そこに座ってください」
場地君を椅子に座らせ、怪我の手当をしようと包帯やガーゼ、消毒液を用意し始める。
「何をして怪我をしましたか?記録書を書かなきゃいけないので教えて下さい」
「喧嘩で」
その答えに頭がクラっとする。やっぱり、噂通り。怖い、怖すぎるよ、この人。先生、早く職員会議終わって戻って来て。と心の中で願うも、そんな早く終わる訳もないのを知っているので、泣きそうになる。
大丈夫、無心でやればすぐに終わる…!
そう自分に言い聞かせ、無心で包帯を巻きつけていく。その間にも何故目を逸らすとか聞かれたが、貴方が怖いからなんて言えずに、ひたすら誤魔化した。
「それ、巻きすぎだろ。動きずれぇわ」
そう言われて腕を見てみると、おかしいくらいにグルグルに巻かれていた。しまった、無心でやっていたせいで失態を犯してしまった。
ふざけた事してんじゃねぇと怒られる?それとも、殺される!?
「あっ!すみません!ごめんなさい!」
少しでも彼の機嫌を治そうと、全力で謝ると場地君はいきなり、吹き出して笑い始めた。
「別にそんな全力で謝んなくてもいーだろ」
あれ、怒られない…?楽しそうに笑う場地君を見ているとそんなに怖い人じゃないように思えてきた。でもやっぱりまだ怖かった為、視線が合うのを恐れて下を向いた。
「つーか、オマエ、オレの事知ってるか?」
「あ、はい。同じクラスの場地圭介君」
「何で敬語なんだよ」
あなたが怖いからです。とは言えない。言ったら睨まれそうなので、敬語の方が良いかと当たり障りのない返答をすると、普通にしろと言われてしまった。できる限り頑張りますが、場地君にタメ口なんて声が震えてしまう。
「で?さっきからなんでこっち見ねぇの?」
「それは…」
本日、2度目の貴方が怖いからです。2度目もやっぱり言えずに、目線を逸らしながら、なんて言おうかと迷っていると、椅子が床を擦る音が聞こえて、私の上に大きな影が落ちた。すると、いきなり、場地君の手が視界に入って来たと思ったら、私のネクタイを掴んで引っ張られた。そのせいで、私の体は場地君の方へ持って行かれ、その反動で顔が上に向いた事で彼と目が合ってしまった。
理解が追い付かないこの状況にパニックに陥る。傍から見ればカツアゲ状態に見えるだろうが、ネクタイを掴む場地君の力は強くなく、寧ろ優しい。カツアゲでは無さそう…?
「やっと目が合ったな」
そう言って笑う場地君の笑顔に鼓動が早くなる。一気に顔が熱くなって、近距離にある顔にどうしていいか分からず、ワタワタとしていると場地君は私のネクタイを素早く外し、そのまま保健室から出て行こうとした。そこで、ハッと我に返って声を上げた。
「え、待って!怪我の手当終わってない…!」
「ア?こんくらい放置でいーだろ」
「じゃあ、なんで来たの?」
「名前がここにいるの見えたから」
「え?それってどういう事…、」
「そのままの意味しかねーだろ」
色々な事が一気に起こりすぎて訳が分からない。そのままの意味もネクタイを取られた事も全く理解が追い付かない。
「え?ちょっと、私のネクタイ返して…!」
場地くんは、見せ付けるようにネクタイをヒラヒラさせながら、意地悪そうにニヤリと笑って
「取りに来いよ」とそう言ってドアを閉めて出て行ってしまった。
「どうなってるの…?」
この数分で起こった出来事を思い返すと心臓がバクバクと速くなる。楽しそうに笑った顔、意外にも整った顔が近付いた時、あの意地悪そうな笑み。この胸の高鳴りの正体を私が知るのはすぐそこな気がした。
せっかくの休み時間に友達とお話出来ないのは嫌だし、その上、誰も来なくて暇だ。
「あーあ。暇だなぁ」
そう独り言を呟いてると保健室のドアの開く音のような破壊されるような物凄い大きな音が聞こえた。驚いて、ドアの方へ目を向けるとそこに居たのは、同じクラスの場地君だった。
場地君と言えば、暴走族との噂が学校中に広まっている。同じクラスと言えど、話した事はないし、とんでもない輩のような人だと聞いた事があるので、湧いてくるのは恐怖心だけだった。鋭い視線が私を捉え、あまりの怖さに目を逸らして下を向いた。
「センコーは?」
「職員会議です。何か先生に用事でもありましたか?」
「怪我診てもらおうと思ってよぉ」
「あ、私やります。そこに座ってください」
場地君を椅子に座らせ、怪我の手当をしようと包帯やガーゼ、消毒液を用意し始める。
「何をして怪我をしましたか?記録書を書かなきゃいけないので教えて下さい」
「喧嘩で」
その答えに頭がクラっとする。やっぱり、噂通り。怖い、怖すぎるよ、この人。先生、早く職員会議終わって戻って来て。と心の中で願うも、そんな早く終わる訳もないのを知っているので、泣きそうになる。
大丈夫、無心でやればすぐに終わる…!
そう自分に言い聞かせ、無心で包帯を巻きつけていく。その間にも何故目を逸らすとか聞かれたが、貴方が怖いからなんて言えずに、ひたすら誤魔化した。
「それ、巻きすぎだろ。動きずれぇわ」
そう言われて腕を見てみると、おかしいくらいにグルグルに巻かれていた。しまった、無心でやっていたせいで失態を犯してしまった。
ふざけた事してんじゃねぇと怒られる?それとも、殺される!?
「あっ!すみません!ごめんなさい!」
少しでも彼の機嫌を治そうと、全力で謝ると場地君はいきなり、吹き出して笑い始めた。
「別にそんな全力で謝んなくてもいーだろ」
あれ、怒られない…?楽しそうに笑う場地君を見ているとそんなに怖い人じゃないように思えてきた。でもやっぱりまだ怖かった為、視線が合うのを恐れて下を向いた。
「つーか、オマエ、オレの事知ってるか?」
「あ、はい。同じクラスの場地圭介君」
「何で敬語なんだよ」
あなたが怖いからです。とは言えない。言ったら睨まれそうなので、敬語の方が良いかと当たり障りのない返答をすると、普通にしろと言われてしまった。できる限り頑張りますが、場地君にタメ口なんて声が震えてしまう。
「で?さっきからなんでこっち見ねぇの?」
「それは…」
本日、2度目の貴方が怖いからです。2度目もやっぱり言えずに、目線を逸らしながら、なんて言おうかと迷っていると、椅子が床を擦る音が聞こえて、私の上に大きな影が落ちた。すると、いきなり、場地君の手が視界に入って来たと思ったら、私のネクタイを掴んで引っ張られた。そのせいで、私の体は場地君の方へ持って行かれ、その反動で顔が上に向いた事で彼と目が合ってしまった。
理解が追い付かないこの状況にパニックに陥る。傍から見ればカツアゲ状態に見えるだろうが、ネクタイを掴む場地君の力は強くなく、寧ろ優しい。カツアゲでは無さそう…?
「やっと目が合ったな」
そう言って笑う場地君の笑顔に鼓動が早くなる。一気に顔が熱くなって、近距離にある顔にどうしていいか分からず、ワタワタとしていると場地君は私のネクタイを素早く外し、そのまま保健室から出て行こうとした。そこで、ハッと我に返って声を上げた。
「え、待って!怪我の手当終わってない…!」
「ア?こんくらい放置でいーだろ」
「じゃあ、なんで来たの?」
「名前がここにいるの見えたから」
「え?それってどういう事…、」
「そのままの意味しかねーだろ」
色々な事が一気に起こりすぎて訳が分からない。そのままの意味もネクタイを取られた事も全く理解が追い付かない。
「え?ちょっと、私のネクタイ返して…!」
場地くんは、見せ付けるようにネクタイをヒラヒラさせながら、意地悪そうにニヤリと笑って
「取りに来いよ」とそう言ってドアを閉めて出て行ってしまった。
「どうなってるの…?」
この数分で起こった出来事を思い返すと心臓がバクバクと速くなる。楽しそうに笑った顔、意外にも整った顔が近付いた時、あの意地悪そうな笑み。この胸の高鳴りの正体を私が知るのはすぐそこな気がした。