私の世界
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マイキーは変わってしまった。
濁った瞳、ピクリとも動かない表情。
私は一緒に行きたい所があると何度も懇願し、やっと実現した今日。
昔みたいにデートらしい事をしたくて昔よく一緒に来たこのお店に連れてきたのだが、大好きだったはずのパンケーキを目の前にしても手は付けず、あの頃のような笑顔は見られない。
傍から見れば私達は年相応の恋人同士に見えるだろうか。
いつからマイキーが変わってしまったかと言われたらきっと、あの時からだと思う。
1人、また1人とマイキーの大事なモノが失われていった。
ずっと近くで見て来たから知っている。
その頃から徐々に変わってしまった。
「マイキー、あのね」
「くだらねぇ話なら聞かねーぞ」
「うん。これは私の独り言だと思って構わない。聞きたくなければそれでもいい」
黙ってその場に残ってくれているので、少しは私の話に耳を傾けてくれているのだろうと判断して話し始める。
「私は、マイキーを優しい人だと思ってる」
そう言うと、一瞬肩を揺らしたが直ぐに鋭い眼光で私を睨みつける。
「大事な人が1人、また1人と消えていった事が悲しいから、苦しいから、周りを遠ざけて行って、信じれなくなって今のマイキーになったんだよね」
ゆっくりと言葉を懸命に紡いでいけば、マイキーにも届くだろうか。
「でも、それは仲間を大事に思う優しい心があるから。それは変わらずマイキーの中にあるから変わってしまった。その心がなければどうだっていいはずだもの。変わる事すらなかった」
「オマエに何がわかる?知ったような口を聞くな」
「独り言だって言ったでしょ?今は私が思うマイキーを言っただけ。あなたが自身をどう思っていようが、私の思いは変わらない」
「オマエ、死にてぇの?」
私の言葉が気に触ったのか、先程とは比べ物にならないくらいの目付きで睨みながらそう言う。
「それでもいい。私を殺したら、私を忘れないでいてくれる?少しでも記憶に残る?」
「何言ってんだ、オマエ」
「私は死ぬ事よりあなたの中で無かった存在になる方が怖い」
そう言うと、睨んでいた目をそっと逸らして彼は瞼を閉じた。
「もう二度と失う怖さを感じたくないから、自ら周りを消して行くの?私を消して楽になるのなら消してくれたって構わない。」
私はずっとそばに居るよ。だとか、私は絶対に裏切らないよ。だとかそんな安い言葉は今の彼には言えない。これが私の精一杯のマイキーへの忠誠心なの。
「もし、あなたが私に傍にいて欲しくないと思うのならもう二度と愛せないほど傷付けてよ。そうでなければ、私はきっとあなたから離れられない」
あなたがこれ以上堕ちるのならば、私は最後まで一緒に堕ちる所まで堕ちるよ。
それが許されるのなら。
だって、あなたがいない世界に何の意味もないもの。
「オマエは何も変わらねぇな」
マイキーは絞り出すようにそう呟いた。
「そうかも」
私がそう答えると、マイキーは立ちあがり店から出て行こうとする。
あぁ、届かなかったか。もう終わりか。
そう思っていると、こちらを首だけで振り向き「帰るぞ」と告げて歩き出した。
そのたった一言だけで鼻の奥がツンとして目頭が熱くなるのを感じた。
まだ、もう少し彼の隣に居ることを許されたみたいだった。
私は急いで彼の隣に並び、違う歩幅を懸命に合わせて1歩ずつ歩く。
マイキーが変わってしまってから何度、こんな世界は要らないと思っただろう。
でも、こうして彼と並んで歩けるだけで世界は思ったより自分に優しいと思えた。
きっといつか、彼もそう思える日が来るようにとそう願わずにはいられなかった。
濁った瞳、ピクリとも動かない表情。
私は一緒に行きたい所があると何度も懇願し、やっと実現した今日。
昔みたいにデートらしい事をしたくて昔よく一緒に来たこのお店に連れてきたのだが、大好きだったはずのパンケーキを目の前にしても手は付けず、あの頃のような笑顔は見られない。
傍から見れば私達は年相応の恋人同士に見えるだろうか。
いつからマイキーが変わってしまったかと言われたらきっと、あの時からだと思う。
1人、また1人とマイキーの大事なモノが失われていった。
ずっと近くで見て来たから知っている。
その頃から徐々に変わってしまった。
「マイキー、あのね」
「くだらねぇ話なら聞かねーぞ」
「うん。これは私の独り言だと思って構わない。聞きたくなければそれでもいい」
黙ってその場に残ってくれているので、少しは私の話に耳を傾けてくれているのだろうと判断して話し始める。
「私は、マイキーを優しい人だと思ってる」
そう言うと、一瞬肩を揺らしたが直ぐに鋭い眼光で私を睨みつける。
「大事な人が1人、また1人と消えていった事が悲しいから、苦しいから、周りを遠ざけて行って、信じれなくなって今のマイキーになったんだよね」
ゆっくりと言葉を懸命に紡いでいけば、マイキーにも届くだろうか。
「でも、それは仲間を大事に思う優しい心があるから。それは変わらずマイキーの中にあるから変わってしまった。その心がなければどうだっていいはずだもの。変わる事すらなかった」
「オマエに何がわかる?知ったような口を聞くな」
「独り言だって言ったでしょ?今は私が思うマイキーを言っただけ。あなたが自身をどう思っていようが、私の思いは変わらない」
「オマエ、死にてぇの?」
私の言葉が気に触ったのか、先程とは比べ物にならないくらいの目付きで睨みながらそう言う。
「それでもいい。私を殺したら、私を忘れないでいてくれる?少しでも記憶に残る?」
「何言ってんだ、オマエ」
「私は死ぬ事よりあなたの中で無かった存在になる方が怖い」
そう言うと、睨んでいた目をそっと逸らして彼は瞼を閉じた。
「もう二度と失う怖さを感じたくないから、自ら周りを消して行くの?私を消して楽になるのなら消してくれたって構わない。」
私はずっとそばに居るよ。だとか、私は絶対に裏切らないよ。だとかそんな安い言葉は今の彼には言えない。これが私の精一杯のマイキーへの忠誠心なの。
「もし、あなたが私に傍にいて欲しくないと思うのならもう二度と愛せないほど傷付けてよ。そうでなければ、私はきっとあなたから離れられない」
あなたがこれ以上堕ちるのならば、私は最後まで一緒に堕ちる所まで堕ちるよ。
それが許されるのなら。
だって、あなたがいない世界に何の意味もないもの。
「オマエは何も変わらねぇな」
マイキーは絞り出すようにそう呟いた。
「そうかも」
私がそう答えると、マイキーは立ちあがり店から出て行こうとする。
あぁ、届かなかったか。もう終わりか。
そう思っていると、こちらを首だけで振り向き「帰るぞ」と告げて歩き出した。
そのたった一言だけで鼻の奥がツンとして目頭が熱くなるのを感じた。
まだ、もう少し彼の隣に居ることを許されたみたいだった。
私は急いで彼の隣に並び、違う歩幅を懸命に合わせて1歩ずつ歩く。
マイキーが変わってしまってから何度、こんな世界は要らないと思っただろう。
でも、こうして彼と並んで歩けるだけで世界は思ったより自分に優しいと思えた。
きっといつか、彼もそう思える日が来るようにとそう願わずにはいられなかった。