I`m just a little bit greedier now
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私が好きになった人は不良だった。しかも、東京卍會という暴走族の総長らしい。私は怖い物好きな性格でもないし、むしろ不良とか関わらないように生きて来た方だ。なのに、何でそんな人を好きになってしまったかと言うと、ただシンプルに一目惚れだった。
見た目から入った恋だったけど、今は他にも理由はある。
佐野 万次郎ことマイキーと呼ばれる彼は、総長と言われても正直ピンと来ないような見た目だ。背もあまり高くはないし、顔も厳つい訳ではなく、そこら辺にいる男子中学生と変わらない見た目だ。だけど、彼は無敵のマイキーと呼ばれる程に喧嘩が強い。
一度だけ佐野君が喧嘩しているところを偶然街中で見てしまった事がある。自分よりも大きな体格をしている人達に囲まれても怯む事なく、そして圧倒的に力の差を見せつけていた。その姿を見た時、怖いと言う感情よりもカッコイイと言う感情が心を占めた。
佐野君と話した事は数える程しかないけど、話す度に笑顔を向けてくれた事が嬉しくて、舞い上がったのを今でもよく覚えている。
もっと沢山話して彼の事を知りたいし、仲良くなりたいと思う。でも、佐野君は学校に毎日来ている訳じゃないから、話す機会が全然ない。一昨日、席替えをして念願の隣の席になれたというのに、まだ1回も学校に来ていない。
「次はいつ学校に来るの…」
早朝のまだ誰もいない教室で呟くが、誰からも返答がなくて虚しくなった。左側にある彼の席を恨めしく見つめた。
「今日は来てください、お願いします。佐野様〜」
机に向かって手を合わせて神棚に拝むように頭を下げていれば、後ろから物音がして振り向くとそこには、神様…いや、佐野君が立っていた。
「席替えした?オレの席があった場所に変な荷物掛かってんだけど」
「あ、うん。一昨日したの」
「オレの席どこ?」
「ここです!私の隣!」
立ち上がって隣の席を掌で指すと、佐野君はふーんと言って私の後ろを通り、自分の席に座った。佐野君を目で追っていると彼は私を見た事で目が合ってしまった。漆黒の瞳に捕らえられて瞬きすら忘れてしまう程、呑み込まれそうになったしまった。
「何で突っ立てんの?座れば?」
我に返って慌てて椅子に座る。さっきから、変な事しかしてないし変な奴とか思われてないかな…。不安になっていれば、2人だけの教室に爆音のお腹の音が鳴った。一瞬、自分のお腹の音かと焦ったが、その音は佐野君のモノだった。
「なんか持ってない?腹減った」
「えっと、チョコレートなら」
チョコという言葉を聞くと彼は目を輝かせながら、手を出して来た。
「ホワイトチョコだから、凄い甘いけど大丈夫?」
「甘いモノ大好き」
か、可愛い…!総長なのに甘党なんて、なにそれズルい!新たな佐野君の一面を知って悶える。ニヤけそうになる顔を懸命に引き締め、カバンの中からチョコレートを出して手渡した。笑顔を私に向けお礼を言う佐野君に胸の鼓動が速まる。笑顔が神々しくて眩しかった。太陽より眩しいよ、キミの笑顔は。
銀紙の包みを剥がしてチョコレートを口に放り込み、美味しそうに頬張る佐野君を見つめる。次、彼と話す事が出来たらずっと言いたかった事を伝えようと思っていたので、伝える決意をした。バクバクとうるさいくらいに高鳴る鼓動を抑えて勇気を出して話しかける。
「あの、佐野君」
「マイキーでいーよ」
「え、いいの…?」
「うん。その方がしっくり来る」
少しだけ彼に近づけた事が嬉しくて、じんわりと涙が浮かぶ。だけど、私が伝えたい事はまだ伝えられていない。グッと堪えてスカートの裾を握り、ギュッと目を瞑りながら勇気を振り絞って声を張り上げた。
「私と友達になってください!」
ただのクラスメイトだけでは足りなくて、もっと話してみたくて、用が無くても話しかけて、くだらない話をして笑い合ってみたりしたい。勇気を振り絞って言ったにも関わらず、マイキーは無言のままだ。
恐る恐る目を開けてマイキーを見てみると、ポカンとした顔で私を見ていた。目が合うと、ブフッと吹き出してお腹を抱えて爆笑を始めた。
「ちょっと、なんで笑うの!?」
「いや、だって真剣な顔してると思ったら、友達になってくださいって…!」
「私は真剣なんだけど!?」
こんなに笑われるとは思わなくて段々と顔に熱が帯びてくる。恥ずかしくて、拗ねたようにそっぽを向くと佐野君は更に笑った。
「オレも同じ事言おうと思ってた」
「え?」
「名前、オレの友達になれ!」
「私の名前知ってくれてたの?」
「当たり前じゃん」
さも当然の事のように人懐っこい笑顔でそう言ってのける彼に笑い返した。苗字すら覚えられてないのではないかと思ってたのに。
あぁ、もう。私、欲張りなのかな。あれ程なりたかった友達にやっとなれたというのに、友達じゃ物足りなくなってる。
キミの笑顔を隣でずっと見ていたい。なんて思っちゃうんだ。
見た目から入った恋だったけど、今は他にも理由はある。
佐野 万次郎ことマイキーと呼ばれる彼は、総長と言われても正直ピンと来ないような見た目だ。背もあまり高くはないし、顔も厳つい訳ではなく、そこら辺にいる男子中学生と変わらない見た目だ。だけど、彼は無敵のマイキーと呼ばれる程に喧嘩が強い。
一度だけ佐野君が喧嘩しているところを偶然街中で見てしまった事がある。自分よりも大きな体格をしている人達に囲まれても怯む事なく、そして圧倒的に力の差を見せつけていた。その姿を見た時、怖いと言う感情よりもカッコイイと言う感情が心を占めた。
佐野君と話した事は数える程しかないけど、話す度に笑顔を向けてくれた事が嬉しくて、舞い上がったのを今でもよく覚えている。
もっと沢山話して彼の事を知りたいし、仲良くなりたいと思う。でも、佐野君は学校に毎日来ている訳じゃないから、話す機会が全然ない。一昨日、席替えをして念願の隣の席になれたというのに、まだ1回も学校に来ていない。
「次はいつ学校に来るの…」
早朝のまだ誰もいない教室で呟くが、誰からも返答がなくて虚しくなった。左側にある彼の席を恨めしく見つめた。
「今日は来てください、お願いします。佐野様〜」
机に向かって手を合わせて神棚に拝むように頭を下げていれば、後ろから物音がして振り向くとそこには、神様…いや、佐野君が立っていた。
「席替えした?オレの席があった場所に変な荷物掛かってんだけど」
「あ、うん。一昨日したの」
「オレの席どこ?」
「ここです!私の隣!」
立ち上がって隣の席を掌で指すと、佐野君はふーんと言って私の後ろを通り、自分の席に座った。佐野君を目で追っていると彼は私を見た事で目が合ってしまった。漆黒の瞳に捕らえられて瞬きすら忘れてしまう程、呑み込まれそうになったしまった。
「何で突っ立てんの?座れば?」
我に返って慌てて椅子に座る。さっきから、変な事しかしてないし変な奴とか思われてないかな…。不安になっていれば、2人だけの教室に爆音のお腹の音が鳴った。一瞬、自分のお腹の音かと焦ったが、その音は佐野君のモノだった。
「なんか持ってない?腹減った」
「えっと、チョコレートなら」
チョコという言葉を聞くと彼は目を輝かせながら、手を出して来た。
「ホワイトチョコだから、凄い甘いけど大丈夫?」
「甘いモノ大好き」
か、可愛い…!総長なのに甘党なんて、なにそれズルい!新たな佐野君の一面を知って悶える。ニヤけそうになる顔を懸命に引き締め、カバンの中からチョコレートを出して手渡した。笑顔を私に向けお礼を言う佐野君に胸の鼓動が速まる。笑顔が神々しくて眩しかった。太陽より眩しいよ、キミの笑顔は。
銀紙の包みを剥がしてチョコレートを口に放り込み、美味しそうに頬張る佐野君を見つめる。次、彼と話す事が出来たらずっと言いたかった事を伝えようと思っていたので、伝える決意をした。バクバクとうるさいくらいに高鳴る鼓動を抑えて勇気を出して話しかける。
「あの、佐野君」
「マイキーでいーよ」
「え、いいの…?」
「うん。その方がしっくり来る」
少しだけ彼に近づけた事が嬉しくて、じんわりと涙が浮かぶ。だけど、私が伝えたい事はまだ伝えられていない。グッと堪えてスカートの裾を握り、ギュッと目を瞑りながら勇気を振り絞って声を張り上げた。
「私と友達になってください!」
ただのクラスメイトだけでは足りなくて、もっと話してみたくて、用が無くても話しかけて、くだらない話をして笑い合ってみたりしたい。勇気を振り絞って言ったにも関わらず、マイキーは無言のままだ。
恐る恐る目を開けてマイキーを見てみると、ポカンとした顔で私を見ていた。目が合うと、ブフッと吹き出してお腹を抱えて爆笑を始めた。
「ちょっと、なんで笑うの!?」
「いや、だって真剣な顔してると思ったら、友達になってくださいって…!」
「私は真剣なんだけど!?」
こんなに笑われるとは思わなくて段々と顔に熱が帯びてくる。恥ずかしくて、拗ねたようにそっぽを向くと佐野君は更に笑った。
「オレも同じ事言おうと思ってた」
「え?」
「名前、オレの友達になれ!」
「私の名前知ってくれてたの?」
「当たり前じゃん」
さも当然の事のように人懐っこい笑顔でそう言ってのける彼に笑い返した。苗字すら覚えられてないのではないかと思ってたのに。
あぁ、もう。私、欲張りなのかな。あれ程なりたかった友達にやっとなれたというのに、友達じゃ物足りなくなってる。
キミの笑顔を隣でずっと見ていたい。なんて思っちゃうんだ。