勿忘草
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東卍一、俊足のマイキーはチョロQのようにすばしっこく、街中を駆け抜けた。そんなマイキーに追い付いたのは、いつもみんなで集まっている喫茶店の前だった。
マイキーは一回、私たちの方を見てニヤ〜と意地の悪い笑みを向けてからドアを開けて中に入った。窓の前を通ると、中にドラケンと三ツ谷がいるのが見えた。
私達は乱れた呼吸を整えてから、ドアを開けるとカランコロンとドアに付いているベルを響かせながら、中に入ると一斉に三人の視線が集中した。
「おっせぇよ」
「オマエが早ぇんだよ」
「あれ、パーちんは?」
「パーは親友に呼び出されて帰ったぜ」
「そうなんだ」
このまま違う話題に持って行こうと思い、話題を振ってみたがマイキーには通用せず、直ぐに頬を緩めて私達を指差した。
「そんな事より、オマエら何で手繋いでたんだよ?」
「え、手繋いでた?」
マイキーの一言に興味を真っ先に示したのは三ツ谷。顔はもう、ニコニコを通り越してニヤニヤしていて、その顔はもう不気味で仕方ない。
一方、ドラケンはというと揶揄うとかいう感じは一切なく、穏やかに嬉しそうに笑っていた。
「なになに。オマエら、ついに?」
「うっせぇぞ、三ツ谷ぁ」
「詳しく教えろよ」
「なんも教える事なんかねーよ」
「まぁ、そんな顔も良いって思うヤツ居るんじゃねぇの?」
「マイキー、テメェ!!」
マイキーはさっきのやり取りを再現しようと、声色を変えてそう言うと、真っ先に食い付いたのは三ツ谷で腹を抱えて笑い出した。
ドラケンもそれには「クッセェ、セリフ」と笑っていた。
「あー、マジでウゼェ」
「星に願った甲斐があって良かったな」
「あぁ?願ってねぇよ!」
「マイキー、弄るのもその辺にしてやれよ」
「ニヤニヤしながら言っても説得力ねぇんだよ。つーか、オマエが一番オレを煽っただろーが!」
「オレが?いつ?煽った記憶なんてねぇけど」
「…クソっ!」
弄られる事が嫌いな場地は相当イライラしているようで、舌打ちをして三ツ谷を睨み付けていた。場地を弄れるのは、創設メンバーくらいだよなと思いながら、三人のやり取りを眺めていると、ドラケンが私の横に立って顔を覗き込んで「良かったな」と言った。
「ありがとう。ドラケンには色々助けて貰ったね」
「オレは、なんもしてねぇだろ」
「場地とギクシャクしている時、ドラケンの言葉に救われたんだよ」
「それでも、頑張ったのはオマエだろ?」
ドラケンはニッと笑って、私の頭に手をポンっと乗せて「おめでとう」と言ってくれた。
ドラケンの笑顔と手の暖かさで心がホッとした気がする。ほわほわとするような、説明し難い感情だ。
同い年なのに、私なんかよりも大人で周りをよく見てて、困った時には、さりげなく救いの手を差し伸べてくれる所が大好きで、尊敬している。
「ドラケンも早く彼女出来ると良いね」
「マイキーの世話だけで精一杯だっつーの」
彼女と言っても、ドラケンにはエマしか居ないと思っている。今はまだ、時期じゃないだけで、いつかはきっとそうなると確信している。
エマの優しくて女の子らしい性格とあの容姿に勝る女の子は居ないだろう。だから、本当にライバルはバイクとマイキーだなと心の中で思う。
「ケンチン、明日香を独占してると、場地がキレるぞ」
「キレねぇよ。ンな事で」
「コイツ、オレのだからとか言ったの、どこの誰だっけな」
「オマエ、そんな事言ったのかよ」
「三ツ谷、テメェだけはマジでぶっ殺す!」
ドラケンは初耳だったようで、腹を抱えて体を折り曲げながら、ゲラゲラと笑い出した。
場地は三ツ谷の胸ぐらに掴みかかって怒っているが三ツ谷は気にする事もなく、ずっと笑っていた。
みんなが声を上げて笑っている中心に場地が居て、中一の夏の前みたいの騒がしい空間が戻って来たように感じて、涙が滲む。その騒がしさが心地よくて、やっと取り戻せたあの頃の日常に胸が熱くなった。
「アイツら、スッゲェ嬉しそうだな。特にマイキー」
「マイキーのあの笑顔、久しぶりに見た」
「オマエらがくっ付いて嬉しいんだろ」
公園で言ってくれた、「明日香と場地が大好きなんだ」の言葉を思い出して、口元が緩む。
マイキーの弾けんばかりの太陽のような笑顔に
私はドラケンと目を合わせて笑った。
こうして、場地がみんなと一緒に笑いあえる日がこの先もずっと続いて欲しい。
もう少しで一虎も少年院から出て来れるはずだ。マイキーと一虎が仲直りして、また六人が一緒に笑い合うのを見れますようにと、場地とマイキーの笑顔を眺めながら、そう強く願った。
マイキーは一回、私たちの方を見てニヤ〜と意地の悪い笑みを向けてからドアを開けて中に入った。窓の前を通ると、中にドラケンと三ツ谷がいるのが見えた。
私達は乱れた呼吸を整えてから、ドアを開けるとカランコロンとドアに付いているベルを響かせながら、中に入ると一斉に三人の視線が集中した。
「おっせぇよ」
「オマエが早ぇんだよ」
「あれ、パーちんは?」
「パーは親友に呼び出されて帰ったぜ」
「そうなんだ」
このまま違う話題に持って行こうと思い、話題を振ってみたがマイキーには通用せず、直ぐに頬を緩めて私達を指差した。
「そんな事より、オマエら何で手繋いでたんだよ?」
「え、手繋いでた?」
マイキーの一言に興味を真っ先に示したのは三ツ谷。顔はもう、ニコニコを通り越してニヤニヤしていて、その顔はもう不気味で仕方ない。
一方、ドラケンはというと揶揄うとかいう感じは一切なく、穏やかに嬉しそうに笑っていた。
「なになに。オマエら、ついに?」
「うっせぇぞ、三ツ谷ぁ」
「詳しく教えろよ」
「なんも教える事なんかねーよ」
「まぁ、そんな顔も良いって思うヤツ居るんじゃねぇの?」
「マイキー、テメェ!!」
マイキーはさっきのやり取りを再現しようと、声色を変えてそう言うと、真っ先に食い付いたのは三ツ谷で腹を抱えて笑い出した。
ドラケンもそれには「クッセェ、セリフ」と笑っていた。
「あー、マジでウゼェ」
「星に願った甲斐があって良かったな」
「あぁ?願ってねぇよ!」
「マイキー、弄るのもその辺にしてやれよ」
「ニヤニヤしながら言っても説得力ねぇんだよ。つーか、オマエが一番オレを煽っただろーが!」
「オレが?いつ?煽った記憶なんてねぇけど」
「…クソっ!」
弄られる事が嫌いな場地は相当イライラしているようで、舌打ちをして三ツ谷を睨み付けていた。場地を弄れるのは、創設メンバーくらいだよなと思いながら、三人のやり取りを眺めていると、ドラケンが私の横に立って顔を覗き込んで「良かったな」と言った。
「ありがとう。ドラケンには色々助けて貰ったね」
「オレは、なんもしてねぇだろ」
「場地とギクシャクしている時、ドラケンの言葉に救われたんだよ」
「それでも、頑張ったのはオマエだろ?」
ドラケンはニッと笑って、私の頭に手をポンっと乗せて「おめでとう」と言ってくれた。
ドラケンの笑顔と手の暖かさで心がホッとした気がする。ほわほわとするような、説明し難い感情だ。
同い年なのに、私なんかよりも大人で周りをよく見てて、困った時には、さりげなく救いの手を差し伸べてくれる所が大好きで、尊敬している。
「ドラケンも早く彼女出来ると良いね」
「マイキーの世話だけで精一杯だっつーの」
彼女と言っても、ドラケンにはエマしか居ないと思っている。今はまだ、時期じゃないだけで、いつかはきっとそうなると確信している。
エマの優しくて女の子らしい性格とあの容姿に勝る女の子は居ないだろう。だから、本当にライバルはバイクとマイキーだなと心の中で思う。
「ケンチン、明日香を独占してると、場地がキレるぞ」
「キレねぇよ。ンな事で」
「コイツ、オレのだからとか言ったの、どこの誰だっけな」
「オマエ、そんな事言ったのかよ」
「三ツ谷、テメェだけはマジでぶっ殺す!」
ドラケンは初耳だったようで、腹を抱えて体を折り曲げながら、ゲラゲラと笑い出した。
場地は三ツ谷の胸ぐらに掴みかかって怒っているが三ツ谷は気にする事もなく、ずっと笑っていた。
みんなが声を上げて笑っている中心に場地が居て、中一の夏の前みたいの騒がしい空間が戻って来たように感じて、涙が滲む。その騒がしさが心地よくて、やっと取り戻せたあの頃の日常に胸が熱くなった。
「アイツら、スッゲェ嬉しそうだな。特にマイキー」
「マイキーのあの笑顔、久しぶりに見た」
「オマエらがくっ付いて嬉しいんだろ」
公園で言ってくれた、「明日香と場地が大好きなんだ」の言葉を思い出して、口元が緩む。
マイキーの弾けんばかりの太陽のような笑顔に
私はドラケンと目を合わせて笑った。
こうして、場地がみんなと一緒に笑いあえる日がこの先もずっと続いて欲しい。
もう少しで一虎も少年院から出て来れるはずだ。マイキーと一虎が仲直りして、また六人が一緒に笑い合うのを見れますようにと、場地とマイキーの笑顔を眺めながら、そう強く願った。