勿忘草
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あの意味深な発言から数日経ったが、未だにその答えは分からず終いだった。
あの後、帰り道にアレはなんなのか聞いてみたが、「うるせぇ」の一言しか答えて貰えなかった。
場地は昔から自分の好きな物には独占欲は強い方だった。普通に考えれば、答えは一つしかないのだが、場地には、おもちゃを取られるのが嫌な子供のような思考もある為、断言出来ない。その事もあるせいで、素直に受け取れない自分もいるのが現状だ。
いくら考えても分からなくて、頭が痛くなって来たので気分転換に外に出る事にした。
フラフラと歩いているうちに、昔、場地とマイキーがよく喧嘩していた公園へと着いた。
懐かしい想い出に浸りながら公園へと入り、よく三人で遊んだジャングルジムに登った。テッペンに座り、公園をグルっと見渡してみると、あの頃見ていた景色と違うように感じた。
「あの頃はもっと高く見えたなぁ」
ジャングルジムのテッペンに登れば、渋谷の街中が見渡せるくらい自分たちが大きくなっているような気分になっていた。今見たら、全然そんな事はないのに、昔は小さな事が大きく見えていた。
ジャングルジムの一番高い所を場地とマイキーはそこは自分が座ると争っていたのを思い出して、クスリと笑う。毎回争って喧嘩で負けて、場地は不貞腐れていた。
今もここに来たら、あの二人はまた喧嘩するのかなと思っていると、「オーイ、明日香」と公園の外から私の名を呼ぶ声が聞こえ、目を向けた。そこにはマイキーが居て、ポケットに手を突っ込みながら私の方へ歩み寄って来ていた。
「何やってんの?こんなとこで」
マイキーはジャングルジムの下まで来て、そう言った。想い出に浸ってると答えれば、マイキーはニッコリと笑って、軽い身のこなしであっという間に上まで上って来た。背中合わせをするように反対側に座り、マイキーは「懐かしいな」と呟いた。
場地とマイキーもこうやって座れば、二人で座れたのにテッペンに座れるのは、一人だけだと言い張って、争っていたのを思い出した。
「あのさ、一つ聞きたい事があるんだけど」
「ん?なに?」
「オレのモンって何?」
「は?そんなの、そのままの意味じゃん」
マイキーは何を言ってんの、オマエと言いたげな声色をしていた。
この間あった事をマイキーに話すと、彼は「へぇ、場地がね」と言う声は、嬉々を帯びているような気がした。
「場地はさ、誰にも取られたくないんだろ。オマエの事」
「それは、幼馴染としてなのかな?」
「そんなん、明日香と一緒なんじゃねぇの?」
「私と?」
「これ以上はオレが言っても意味ねぇし、場地と話せよ」
マイキーはそれ以降は、黙ってしまった。
私と一緒という事は、場地も私を好きという事になる。だから、誰にも取られたくないというのも辻褄が合う。でも、あの場地だ。
場地に関しては本能のままに生きているから、あれこれ難しく考えない方が分かる事もあるのかもしれない。
「なぁ、明日香」
「ん?」
「オマエらはさ、ずっと一緒にいろよ」
「マイキー…?」
「オレ、オマエと場地が大好きなんだ」
どこか寂しそうに、でも優しい声で言う彼の言葉に胸を締め付けられた。私の背中にもたれ掛かってくる、彼の体重がやけに重く感じてしまった。
こんな小さな体で沢山の事を抱えている彼の背中は重かった。
一人でそんなに背負わないで。場地もドラケンもみんなも居るよ。
そんな言葉が喉まで出かかったが、在り来りな言葉を飲み込む。マイキーは昔から、辛い事があっても表には出さなかった。いつだって、強い自分を見せようとしていた。そんなマイキーが初めて見せてくれた、弱い部分。
そんな部分に私が踏み込んでしまっていいのだろうかと、躊躇してしまった。
彼の心に響くような言葉が見当たらなかった。
だから、言葉の代わりに私もマイキーの背にそっと体重を預けた。一人じゃない事がマイキーにも伝わって欲しいと願いを込めて。
あの後、帰り道にアレはなんなのか聞いてみたが、「うるせぇ」の一言しか答えて貰えなかった。
場地は昔から自分の好きな物には独占欲は強い方だった。普通に考えれば、答えは一つしかないのだが、場地には、おもちゃを取られるのが嫌な子供のような思考もある為、断言出来ない。その事もあるせいで、素直に受け取れない自分もいるのが現状だ。
いくら考えても分からなくて、頭が痛くなって来たので気分転換に外に出る事にした。
フラフラと歩いているうちに、昔、場地とマイキーがよく喧嘩していた公園へと着いた。
懐かしい想い出に浸りながら公園へと入り、よく三人で遊んだジャングルジムに登った。テッペンに座り、公園をグルっと見渡してみると、あの頃見ていた景色と違うように感じた。
「あの頃はもっと高く見えたなぁ」
ジャングルジムのテッペンに登れば、渋谷の街中が見渡せるくらい自分たちが大きくなっているような気分になっていた。今見たら、全然そんな事はないのに、昔は小さな事が大きく見えていた。
ジャングルジムの一番高い所を場地とマイキーはそこは自分が座ると争っていたのを思い出して、クスリと笑う。毎回争って喧嘩で負けて、場地は不貞腐れていた。
今もここに来たら、あの二人はまた喧嘩するのかなと思っていると、「オーイ、明日香」と公園の外から私の名を呼ぶ声が聞こえ、目を向けた。そこにはマイキーが居て、ポケットに手を突っ込みながら私の方へ歩み寄って来ていた。
「何やってんの?こんなとこで」
マイキーはジャングルジムの下まで来て、そう言った。想い出に浸ってると答えれば、マイキーはニッコリと笑って、軽い身のこなしであっという間に上まで上って来た。背中合わせをするように反対側に座り、マイキーは「懐かしいな」と呟いた。
場地とマイキーもこうやって座れば、二人で座れたのにテッペンに座れるのは、一人だけだと言い張って、争っていたのを思い出した。
「あのさ、一つ聞きたい事があるんだけど」
「ん?なに?」
「オレのモンって何?」
「は?そんなの、そのままの意味じゃん」
マイキーは何を言ってんの、オマエと言いたげな声色をしていた。
この間あった事をマイキーに話すと、彼は「へぇ、場地がね」と言う声は、嬉々を帯びているような気がした。
「場地はさ、誰にも取られたくないんだろ。オマエの事」
「それは、幼馴染としてなのかな?」
「そんなん、明日香と一緒なんじゃねぇの?」
「私と?」
「これ以上はオレが言っても意味ねぇし、場地と話せよ」
マイキーはそれ以降は、黙ってしまった。
私と一緒という事は、場地も私を好きという事になる。だから、誰にも取られたくないというのも辻褄が合う。でも、あの場地だ。
場地に関しては本能のままに生きているから、あれこれ難しく考えない方が分かる事もあるのかもしれない。
「なぁ、明日香」
「ん?」
「オマエらはさ、ずっと一緒にいろよ」
「マイキー…?」
「オレ、オマエと場地が大好きなんだ」
どこか寂しそうに、でも優しい声で言う彼の言葉に胸を締め付けられた。私の背中にもたれ掛かってくる、彼の体重がやけに重く感じてしまった。
こんな小さな体で沢山の事を抱えている彼の背中は重かった。
一人でそんなに背負わないで。場地もドラケンもみんなも居るよ。
そんな言葉が喉まで出かかったが、在り来りな言葉を飲み込む。マイキーは昔から、辛い事があっても表には出さなかった。いつだって、強い自分を見せようとしていた。そんなマイキーが初めて見せてくれた、弱い部分。
そんな部分に私が踏み込んでしまっていいのだろうかと、躊躇してしまった。
彼の心に響くような言葉が見当たらなかった。
だから、言葉の代わりに私もマイキーの背にそっと体重を預けた。一人じゃない事がマイキーにも伝わって欲しいと願いを込めて。