勿忘草
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場地が戻って来る間、松野君と色々な話をした。色々と言っても、場地の話を聞かれたのでそれに答えていただけなのだが。
動物が好きな事や煮物が苦手な事、火曜サスペンスが大好きで名取裕子さんを尊敬している事、そんな事を話していると松野君は「オレも火サス見ようかな」とか「場地さんにも苦手な物あるんですね」と興味津々だった。
特技は口より先に手が出る事だと呆れたように言うと、松野君は口を噤んで黙り込んだ。
どうしたの?と顔を覗き込めば、彼は遠慮がちに口を開いた。
「あの…藤堂さんは嫌だったりするんですか?」
「何が?」
「女って喧嘩する男は嫌だとか、怖いとか言いそうなイメージあるんスけど」
「あぁ。もう慣れたよ」
「でも、止めて欲しいとか思うんですか?」
「喧嘩が全て悪いとは思ってないよ。本気でぶつかり合って分かり合える事もあるし、時には必要なんじゃないかな。特に場地みたいな不器用な人にはね」
「じゃあ、藤堂さんは場地さんの全てを受け入れてるんですね」
「知らない事もまだあるとは思うけど、どんな場地もきっと大好きだよ」
松野君は凄く嬉しそうに顔をクシャッとしながら、笑った。自分の事のように笑う松野君からは場地の事が大好きだと言う事がひしひしと伝わって来て、私も嬉しくなる。
そういう所は少しだけ私たちは、似てるような気もした。
「オレ、藤堂さんの事も大好きになりそうです」
松野君の真っ直ぐな言葉は私の胸にしっかりと響いた。場地もこの真っ直ぐな所を気に入ったのだろう。純粋に私も松野君と仲良くなりたいと思った。
「明日香でいいよ」
「え、いえ!場地さんの女を呼び捨てになんて出来ないッスよ!」
「場地の女じゃないけどね」
「似たようなモンじゃないですかね…」
「何か言った?」
「いーえ、なんにも言ってません」
最後の方はボソボソ言っていて聞き取れなくて聞き返しても彼は苦笑いで首を横に振った。
そして、松野君はおずおずと「明日香さんと呼んでもいいですか」と言ったので、その方がいいと笑って頷くと松野君も嬉しそうに笑った。
「明日香さんこそ、呼び捨てにして下さいよ」
「え?…松野?」
「威圧感ハンパないッスね」
「確かに。じゃあ、千冬?」
「それがいいッス!」
「下の名前で呼ぶと仲良くなれた気がして嬉しいね」
もう一度「よろしくね」とお互い言い合って、握手を交わした。千冬とは親しい友人になれそうな気がした。
千冬と仲良くなった所で場地がペヤングを一つ持って戻って来た。そして、私達を見るなり怪訝そうな顔をして私にペヤングを押し付けて来たので、千冬と握手していた手を離してペヤングを受け取った。
「手握って何してんだよ」
「場地には内緒。ね、千冬?」
「あ、はい!…え?内緒?」
千冬は突然のフリに反射的に反応してしまったようで、ピンッと背筋を伸ばして慌てながらそう答えた後に言葉の意味を理解して、戸惑いの表情を浮かべて私を見た。
「オイ、千冬ぅぅ!いい度胸じゃねーか」
「え?ちょ、場地さん!?」
矛先は私ではなく、千冬に向かってしまい、今にも掴みかかりそうな場地に千冬は焦っていた。よく見れば、場地も微かに笑っているので千冬を揶揄っているだけなようなので、私もソレに乗る事にした。
「千冬が私の事大好きになりそうだって言ってくれたの」
「あ゛?」
「ち、違いますっ!場地さん!誤解です!」
普通に言えば、人としての意味に捉えられるようなセリフも少し恥じらいを含ませて言ってみれば、愛の告白をしたように捉えたようで場地は鋭い視線で千冬を射抜いた。
千冬は慌てて手を顔の前で横に振って否定している姿を見て、私の中に眠っていたS心に火がついたようで更に追い打ちをかける。
「え?好きになってくれないの?」
「いえ!好きにはなりますけど、そういう意味の好きじゃないというか…!」
「可愛くて美人な明日香さん大好きだ〜って言ってくれたじゃない」
「それは断じて言ってないです!」
私たちのやり取りに場地は、吹き出して笑って
「可愛くも美人でもねーってよ」と小馬鹿にするような視線で私を見た。
「場地だって、可愛いなんて私に一度も言ってくれた事ないよね」
「それはアレだ。可愛いと思った事が一度もねーからだ」
「酷い!」
「酷くねぇ。事実だ」
私たちのやり取りを見て、今度は千冬が笑う番だった。「お二人、仲良いですね」と言う千冬に私たちは顔を見合わせて微笑んだ。
この空間が凄く心地良くて、いつまでも、この心地良さが続きますようにと心の中で願った。
動物が好きな事や煮物が苦手な事、火曜サスペンスが大好きで名取裕子さんを尊敬している事、そんな事を話していると松野君は「オレも火サス見ようかな」とか「場地さんにも苦手な物あるんですね」と興味津々だった。
特技は口より先に手が出る事だと呆れたように言うと、松野君は口を噤んで黙り込んだ。
どうしたの?と顔を覗き込めば、彼は遠慮がちに口を開いた。
「あの…藤堂さんは嫌だったりするんですか?」
「何が?」
「女って喧嘩する男は嫌だとか、怖いとか言いそうなイメージあるんスけど」
「あぁ。もう慣れたよ」
「でも、止めて欲しいとか思うんですか?」
「喧嘩が全て悪いとは思ってないよ。本気でぶつかり合って分かり合える事もあるし、時には必要なんじゃないかな。特に場地みたいな不器用な人にはね」
「じゃあ、藤堂さんは場地さんの全てを受け入れてるんですね」
「知らない事もまだあるとは思うけど、どんな場地もきっと大好きだよ」
松野君は凄く嬉しそうに顔をクシャッとしながら、笑った。自分の事のように笑う松野君からは場地の事が大好きだと言う事がひしひしと伝わって来て、私も嬉しくなる。
そういう所は少しだけ私たちは、似てるような気もした。
「オレ、藤堂さんの事も大好きになりそうです」
松野君の真っ直ぐな言葉は私の胸にしっかりと響いた。場地もこの真っ直ぐな所を気に入ったのだろう。純粋に私も松野君と仲良くなりたいと思った。
「明日香でいいよ」
「え、いえ!場地さんの女を呼び捨てになんて出来ないッスよ!」
「場地の女じゃないけどね」
「似たようなモンじゃないですかね…」
「何か言った?」
「いーえ、なんにも言ってません」
最後の方はボソボソ言っていて聞き取れなくて聞き返しても彼は苦笑いで首を横に振った。
そして、松野君はおずおずと「明日香さんと呼んでもいいですか」と言ったので、その方がいいと笑って頷くと松野君も嬉しそうに笑った。
「明日香さんこそ、呼び捨てにして下さいよ」
「え?…松野?」
「威圧感ハンパないッスね」
「確かに。じゃあ、千冬?」
「それがいいッス!」
「下の名前で呼ぶと仲良くなれた気がして嬉しいね」
もう一度「よろしくね」とお互い言い合って、握手を交わした。千冬とは親しい友人になれそうな気がした。
千冬と仲良くなった所で場地がペヤングを一つ持って戻って来た。そして、私達を見るなり怪訝そうな顔をして私にペヤングを押し付けて来たので、千冬と握手していた手を離してペヤングを受け取った。
「手握って何してんだよ」
「場地には内緒。ね、千冬?」
「あ、はい!…え?内緒?」
千冬は突然のフリに反射的に反応してしまったようで、ピンッと背筋を伸ばして慌てながらそう答えた後に言葉の意味を理解して、戸惑いの表情を浮かべて私を見た。
「オイ、千冬ぅぅ!いい度胸じゃねーか」
「え?ちょ、場地さん!?」
矛先は私ではなく、千冬に向かってしまい、今にも掴みかかりそうな場地に千冬は焦っていた。よく見れば、場地も微かに笑っているので千冬を揶揄っているだけなようなので、私もソレに乗る事にした。
「千冬が私の事大好きになりそうだって言ってくれたの」
「あ゛?」
「ち、違いますっ!場地さん!誤解です!」
普通に言えば、人としての意味に捉えられるようなセリフも少し恥じらいを含ませて言ってみれば、愛の告白をしたように捉えたようで場地は鋭い視線で千冬を射抜いた。
千冬は慌てて手を顔の前で横に振って否定している姿を見て、私の中に眠っていたS心に火がついたようで更に追い打ちをかける。
「え?好きになってくれないの?」
「いえ!好きにはなりますけど、そういう意味の好きじゃないというか…!」
「可愛くて美人な明日香さん大好きだ〜って言ってくれたじゃない」
「それは断じて言ってないです!」
私たちのやり取りに場地は、吹き出して笑って
「可愛くも美人でもねーってよ」と小馬鹿にするような視線で私を見た。
「場地だって、可愛いなんて私に一度も言ってくれた事ないよね」
「それはアレだ。可愛いと思った事が一度もねーからだ」
「酷い!」
「酷くねぇ。事実だ」
私たちのやり取りを見て、今度は千冬が笑う番だった。「お二人、仲良いですね」と言う千冬に私たちは顔を見合わせて微笑んだ。
この空間が凄く心地良くて、いつまでも、この心地良さが続きますようにと心の中で願った。