勿忘草
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場地と明日香がマイキーのワガママに振り回されて、ガススタに行っている間にオレらは先に海へとやって来た。一人なら同情をする所だが、場地には明日香がついているから、むしろ二人になれて良かったなとすら思う。
そんな事言っても、場地は素直じゃねぇから認めないだろうけど。
海へ着くなり、ドラケンと三ツ谷はどっちが先に沖まで行って戻って来れるか勝負だと叫んで、海へ泳ぎに行ってしまった。海に来てまで体育会系のノリになるのは何なのだろうか。こんなにも砂浜には宝があるというのに、スルーするなんて二人はバカだと思う。
こんなに水着ギャルが居るのに見ねぇなんてそんな勿体ない事できねぇ。アイツら本当に男なのかとすら思う。男として合格なのは、パーだけだ。オレと一緒に女をキラキラとした目で見ている。これが正常の反応だ。
「「いやー、目の保養だわー」」
パーと共にビーチチェアに座りながら水着ギャルを堪能する。パーとは趣味が合うので、どの子がいいと話しても大体、同じ女を選ぶから、話が盛り上がる。ちょっと派手目で露出が高く際どいビキニを着たギャルに釘付けで、パーなんて鼻の下をだらしなく伸ばして女のケツを追っていた。
「あれ、マイキーは?」
「さぁ?知らねぇ」
「どこ行ったんだろうな。それより、早く明日香の水着姿見てぇな」
「場地に怒られんぞ」
「アイツは絶対に着痩せするタイプだと思うんだよね」
「オレ、バカだから分かんねぇ」
「さっき、後ろに乗せて背中で感じようと思ったんだけど、場地にバレちまってよ」
「何やってんだ、オマエ?」
「男のロマンだろ」
パーは、明日香の水着姿には興味はないらしく、あまり食い付いては来なかった。場地にこの話をしたってどうせ殴って来るだろうし、ドラケンと三ツ谷とマイキーは論外だからパーとしか出来ないのに興味ないと来るとテンションが下がってしまう。仕方なく一人で脳内で水着姿を想像して顔を緩ましていると、ドラケンと三ツ谷が勝負を終えたのか、満足そうな表情で戻ってきた。
「マイキー知らねぇ?」
「オレらも見てねぇんだよな」
「ったくよぉ、アイツどこ行ったんだよ」
ドラケンがマイキーを探しに行こうと踵を返した所でタイミング良く、場地、明日香と一緒にマイキーが戻って来た。三人とも既に着替えを済まして来たようで、水着姿になっていた。明日香の水着姿は先程の水着ギャル達と比べるとボリュームが足りないが、身体とのバランスが取れていていい代物だと思う。派手で際どいのもいいが、白生地のシンプルなのもいいなと思う。
「マイキー、オマエどこ行ってたんだよ」
「海パン、ホーク丸に入れっぱなしにしちまってたから、場地たちの所に戻った」
「ふぅん。で?場地のそのケガは?」
「あー、さっきのヤツらと揉めてきた」
「はぁ?オマエなぁ。明日香がいる時は喧嘩すんなっていつも言ってんだろ!」
「違うの!アイツらが先に手を出して来たの!」
場地を叱った三ツ谷に明日香が場地を庇うように詰め寄っている姿を遠目で眺める。ムカつくアイツらをオレに黙ってボコしたのは気に喰わないが、今は目の前の素晴らしい眺めを堪能する事が最優先だ。
珍しく黙っているオレを不思議に思ったのか、三ツ谷が首を傾げていた。
「喧嘩すんならオレも混ぜろって一番に文句言うのに、どうした?」
「絶景を眺めるの忙しいからな」
「は?」
訳が分からないと言いたげな表情を浮かべる三ツ谷に「オマエにはまだ早ぇよ」と言えば、更に困惑した表情を浮かべた。ずっと、三ツ谷はむっつりスケベだと思っていたが、コイツはまだまだ尻の青いお子ちゃまなだけのようだ。オレの言葉の真意に気がついたのは、場地だった。オレをひと睨みしてから、苛立ったように舌打ちをした。
「オマエ、何か着るモン持ってねぇの?」
「ラッシュガードならあるけど」
「じゃあ、ソレ着とけ」
「え、これから泳ぐのに?」
「オマエのその姿、見るに耐えねぇからよぉ」
「は?最低!ありえないんですけど!」
「ありえないのはオマエの体型だ」
場地の素直じゃないセリフに笑いそうになる。そんな言い方しか出来ねぇのかよと思いながら見ていると、三ツ谷が呆れた顔しながらオレの腕を肘でド突いて来るが、揶揄うのは面白いからやめられない。
場地に激怒する明日香に「水着、似合ってんじゃん」と言えば、彼女は「一虎は優しいね」と目を潤ませながら近寄って来た。間近で見る水着姿を堪能して、うんうんと首を縦に深く頷く。
「んー、やっぱ、絶景」
「は?一虎、頭大丈夫?海はアッチだよ?」
このボケ女にも少し呆れてしまう。たまに、場地が不憫に思う時もある。こんなに釘付けで見ていれば、普通なら視線で気付くだろう。まぁ、そのおかげで見放題なのはオレ得なので、なんの問題はない。
一発、場地からぶん殴られたが良いモノを見れたので、チャラにしてやろう。オレは心が海のように広いからな。
全員揃った事だし、マイキーが「泳ぎに行こうぜ」と言ったので七人で海に走って向かい、飛び込んだ。ドラケンとマイキーが取っ組み合いをしながら沈め合ったり、パーがダイブした時に鯨の如く、バカデカイ水しぶきが上がり、隣に居た三ツ谷は頭から水を被っていた。それに対抗した三ツ谷がパーに水を掛け返して、二人は乱闘を始めたりと大騒ぎをしていた。
オレは騒がしい四人を尻目に場地と明日香の三人で浮き輪に座った形でプカプカと浮かんで、南国気分を味わっていた。
目を閉じ、波の音と太陽の暖かさを肌で感じていると、心が安らぐ。目を開けて雲一つない青々とした空を眺めながら、のんびりと優雅に過ごしていると、突如視界が反転して、気が付いたら海に落ちていた。すぐ様、海面から顔を出すと場地がしたり顔でオレを見ていた。ニヤニヤしている場地の手にはオレが乗っていた浮き輪が握られていた。
「テメェ…!」
「見事な落ちっぷりだったね、一虎」
ケラケラと呑気に笑っている明日香にも同じ目に合わせてやろうと、彼女が乗っている浮き輪の頭の方に全体重をかけてやれば、明日香は頭から半回転して海に落ちた。見事な落ちっぷりに腹を抱えて笑ってやれば、水面から顔を出して彼女は鬼のような形相でオレを睨んでいた。
「悪ぃ悪ぃ。浮き輪にしがみつこうとしたら、つい…な?」
「絶対にわざとでしょ!」
平謝りをしたオレにギャンギャン文句を言っている明日香を適当にあしらっていれば、オレの後頭部にパコンという音と共に衝撃が走った。その衝撃で脳が揺れて、クラクラする。頭を抑えながら後ろを振り向けば、ドラケンとマイキーが「ビーチバレーしようぜ」と笑っていた。
自分の近くに落ちているモノを見れば、ビーチボールだった。これが頭に当たったのかと理解した瞬間にイラッとして、ボールを拾い上げて、思いっきりマイキーに向けて投げるがヒョイっと軽く避けられ、マイキーの後ろにいたパーの顔面に当たった。
「あ…パー、悪ぃ」
「ざけんな!」
血管が浮かぶほどにキレながら投げ返して来たパーのボールは、何故かオレではなく隣にいた場地の頭に当たった。短気の場地は目を釣り上げてさっきの明日香のように鬼の形相だ。いや、般若かもしれない。
「パー、テメェッ!!コロス!!」
結局、ビーチバレーではなくドッチボールが始まっていた。近くでニコニコと笑いながら、応援をしている明日香の顔面に三ツ谷が投げたボールが、物凄い音を立てて当たってしまった。
一瞬、オレらの時が止まった。一切手加減なしの本気で投げていたから、痛くて泣いちまうかもしれないと、誰もが思った。下手したら、鼻血とか出ちまうかもしれない。
三ツ谷が慌てて明日香の元へ駆け寄った。
「明日香、ごめん!大丈夫か!?」
「…な…」
「え?」
「三ツ谷、やったな!コノヤロウ!!」
場地に引き続き、般若二号の明日香が心配して顔を覗き込んでいた三ツ谷の顔面に渾身の力で投げたボールが至近距離で当たり、三ツ谷は力なく海に沈んだ。水面からはブクブクと泡が虚しく浮いていた。
魔王が君臨したかの如く、仁王立ちで沈んだ三ツ谷を見下ろす明日香を見て、今後、怒らせるのは止めようと心に誓った。
全力でドッチボールをしているうちにあっという間に時間は過ぎ、青々としていた空は朱色に染まっていた。照りつける太陽も沈みかけ、肌寒くなって来ていた。
「そろそろ、上がるか」
ドラケンの一言で、名残惜しいが海から上がる事になった。
そんな事言っても、場地は素直じゃねぇから認めないだろうけど。
海へ着くなり、ドラケンと三ツ谷はどっちが先に沖まで行って戻って来れるか勝負だと叫んで、海へ泳ぎに行ってしまった。海に来てまで体育会系のノリになるのは何なのだろうか。こんなにも砂浜には宝があるというのに、スルーするなんて二人はバカだと思う。
こんなに水着ギャルが居るのに見ねぇなんてそんな勿体ない事できねぇ。アイツら本当に男なのかとすら思う。男として合格なのは、パーだけだ。オレと一緒に女をキラキラとした目で見ている。これが正常の反応だ。
「「いやー、目の保養だわー」」
パーと共にビーチチェアに座りながら水着ギャルを堪能する。パーとは趣味が合うので、どの子がいいと話しても大体、同じ女を選ぶから、話が盛り上がる。ちょっと派手目で露出が高く際どいビキニを着たギャルに釘付けで、パーなんて鼻の下をだらしなく伸ばして女のケツを追っていた。
「あれ、マイキーは?」
「さぁ?知らねぇ」
「どこ行ったんだろうな。それより、早く明日香の水着姿見てぇな」
「場地に怒られんぞ」
「アイツは絶対に着痩せするタイプだと思うんだよね」
「オレ、バカだから分かんねぇ」
「さっき、後ろに乗せて背中で感じようと思ったんだけど、場地にバレちまってよ」
「何やってんだ、オマエ?」
「男のロマンだろ」
パーは、明日香の水着姿には興味はないらしく、あまり食い付いては来なかった。場地にこの話をしたってどうせ殴って来るだろうし、ドラケンと三ツ谷とマイキーは論外だからパーとしか出来ないのに興味ないと来るとテンションが下がってしまう。仕方なく一人で脳内で水着姿を想像して顔を緩ましていると、ドラケンと三ツ谷が勝負を終えたのか、満足そうな表情で戻ってきた。
「マイキー知らねぇ?」
「オレらも見てねぇんだよな」
「ったくよぉ、アイツどこ行ったんだよ」
ドラケンがマイキーを探しに行こうと踵を返した所でタイミング良く、場地、明日香と一緒にマイキーが戻って来た。三人とも既に着替えを済まして来たようで、水着姿になっていた。明日香の水着姿は先程の水着ギャル達と比べるとボリュームが足りないが、身体とのバランスが取れていていい代物だと思う。派手で際どいのもいいが、白生地のシンプルなのもいいなと思う。
「マイキー、オマエどこ行ってたんだよ」
「海パン、ホーク丸に入れっぱなしにしちまってたから、場地たちの所に戻った」
「ふぅん。で?場地のそのケガは?」
「あー、さっきのヤツらと揉めてきた」
「はぁ?オマエなぁ。明日香がいる時は喧嘩すんなっていつも言ってんだろ!」
「違うの!アイツらが先に手を出して来たの!」
場地を叱った三ツ谷に明日香が場地を庇うように詰め寄っている姿を遠目で眺める。ムカつくアイツらをオレに黙ってボコしたのは気に喰わないが、今は目の前の素晴らしい眺めを堪能する事が最優先だ。
珍しく黙っているオレを不思議に思ったのか、三ツ谷が首を傾げていた。
「喧嘩すんならオレも混ぜろって一番に文句言うのに、どうした?」
「絶景を眺めるの忙しいからな」
「は?」
訳が分からないと言いたげな表情を浮かべる三ツ谷に「オマエにはまだ早ぇよ」と言えば、更に困惑した表情を浮かべた。ずっと、三ツ谷はむっつりスケベだと思っていたが、コイツはまだまだ尻の青いお子ちゃまなだけのようだ。オレの言葉の真意に気がついたのは、場地だった。オレをひと睨みしてから、苛立ったように舌打ちをした。
「オマエ、何か着るモン持ってねぇの?」
「ラッシュガードならあるけど」
「じゃあ、ソレ着とけ」
「え、これから泳ぐのに?」
「オマエのその姿、見るに耐えねぇからよぉ」
「は?最低!ありえないんですけど!」
「ありえないのはオマエの体型だ」
場地の素直じゃないセリフに笑いそうになる。そんな言い方しか出来ねぇのかよと思いながら見ていると、三ツ谷が呆れた顔しながらオレの腕を肘でド突いて来るが、揶揄うのは面白いからやめられない。
場地に激怒する明日香に「水着、似合ってんじゃん」と言えば、彼女は「一虎は優しいね」と目を潤ませながら近寄って来た。間近で見る水着姿を堪能して、うんうんと首を縦に深く頷く。
「んー、やっぱ、絶景」
「は?一虎、頭大丈夫?海はアッチだよ?」
このボケ女にも少し呆れてしまう。たまに、場地が不憫に思う時もある。こんなに釘付けで見ていれば、普通なら視線で気付くだろう。まぁ、そのおかげで見放題なのはオレ得なので、なんの問題はない。
一発、場地からぶん殴られたが良いモノを見れたので、チャラにしてやろう。オレは心が海のように広いからな。
全員揃った事だし、マイキーが「泳ぎに行こうぜ」と言ったので七人で海に走って向かい、飛び込んだ。ドラケンとマイキーが取っ組み合いをしながら沈め合ったり、パーがダイブした時に鯨の如く、バカデカイ水しぶきが上がり、隣に居た三ツ谷は頭から水を被っていた。それに対抗した三ツ谷がパーに水を掛け返して、二人は乱闘を始めたりと大騒ぎをしていた。
オレは騒がしい四人を尻目に場地と明日香の三人で浮き輪に座った形でプカプカと浮かんで、南国気分を味わっていた。
目を閉じ、波の音と太陽の暖かさを肌で感じていると、心が安らぐ。目を開けて雲一つない青々とした空を眺めながら、のんびりと優雅に過ごしていると、突如視界が反転して、気が付いたら海に落ちていた。すぐ様、海面から顔を出すと場地がしたり顔でオレを見ていた。ニヤニヤしている場地の手にはオレが乗っていた浮き輪が握られていた。
「テメェ…!」
「見事な落ちっぷりだったね、一虎」
ケラケラと呑気に笑っている明日香にも同じ目に合わせてやろうと、彼女が乗っている浮き輪の頭の方に全体重をかけてやれば、明日香は頭から半回転して海に落ちた。見事な落ちっぷりに腹を抱えて笑ってやれば、水面から顔を出して彼女は鬼のような形相でオレを睨んでいた。
「悪ぃ悪ぃ。浮き輪にしがみつこうとしたら、つい…な?」
「絶対にわざとでしょ!」
平謝りをしたオレにギャンギャン文句を言っている明日香を適当にあしらっていれば、オレの後頭部にパコンという音と共に衝撃が走った。その衝撃で脳が揺れて、クラクラする。頭を抑えながら後ろを振り向けば、ドラケンとマイキーが「ビーチバレーしようぜ」と笑っていた。
自分の近くに落ちているモノを見れば、ビーチボールだった。これが頭に当たったのかと理解した瞬間にイラッとして、ボールを拾い上げて、思いっきりマイキーに向けて投げるがヒョイっと軽く避けられ、マイキーの後ろにいたパーの顔面に当たった。
「あ…パー、悪ぃ」
「ざけんな!」
血管が浮かぶほどにキレながら投げ返して来たパーのボールは、何故かオレではなく隣にいた場地の頭に当たった。短気の場地は目を釣り上げてさっきの明日香のように鬼の形相だ。いや、般若かもしれない。
「パー、テメェッ!!コロス!!」
結局、ビーチバレーではなくドッチボールが始まっていた。近くでニコニコと笑いながら、応援をしている明日香の顔面に三ツ谷が投げたボールが、物凄い音を立てて当たってしまった。
一瞬、オレらの時が止まった。一切手加減なしの本気で投げていたから、痛くて泣いちまうかもしれないと、誰もが思った。下手したら、鼻血とか出ちまうかもしれない。
三ツ谷が慌てて明日香の元へ駆け寄った。
「明日香、ごめん!大丈夫か!?」
「…な…」
「え?」
「三ツ谷、やったな!コノヤロウ!!」
場地に引き続き、般若二号の明日香が心配して顔を覗き込んでいた三ツ谷の顔面に渾身の力で投げたボールが至近距離で当たり、三ツ谷は力なく海に沈んだ。水面からはブクブクと泡が虚しく浮いていた。
魔王が君臨したかの如く、仁王立ちで沈んだ三ツ谷を見下ろす明日香を見て、今後、怒らせるのは止めようと心に誓った。
全力でドッチボールをしているうちにあっという間に時間は過ぎ、青々としていた空は朱色に染まっていた。照りつける太陽も沈みかけ、肌寒くなって来ていた。
「そろそろ、上がるか」
ドラケンの一言で、名残惜しいが海から上がる事になった。