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辺境の村の外れで繁殖していた幻獣を討伐し、アジトに戻ったウァプラは、このまま自領に戻るにしてもアジトで身体を洗っていこうと思い立ち、自室を訪れた。
ウァプラは普段領地で過ごしており、召喚されなければアジトを訪れることは多くないが、自室にはそれなりに私物が置かれていた。
ヴァイガルドの生態系の資料が少しと、身なりを整える為の道具、気に入った武器をいくつか置いている。
睡眠を取ることは稀なので寝具はあまり手がつかず簡素だ。
外套や武装を外して寛いだ身なりになり、湯を沸かす準備をしていると自室のドアをノックする音がした。寛ぐ暇もなく訪れた客人に内心舌打ちをしてドアを開ける。

「誰だ…」
ドアの前にはソロモンが立っていた。
今回の幻獣は個体数は多いとはいえ、各個はそれほど強くなかったため、ソロモンの疲弊も強くないようだ。
「お疲れ様、ウァプラ。えっと…上がってもいいかな?」
「勝手にしろよ」
ペースを乱されることはわかっていたが拒むことはない。ソロモンは裏表のない、善良な性格だ。そばにいて不愉快になることはない。むしろ自分を気遣う少年を快く思ってすらいた。
物のないベッドに腰掛け、来客者にも隣に座るよう示す。
「今日はありがとう、助かったよウァプラ。怪我が無くてよかった」
「あの程度の雑魚に煩わされる程弱いつもりはねえよ」
「ウァプラのこと弱いなんて思ったことないよ?!そうじゃなくて、ウァプラのお陰で無事に終わったからお礼がしたくてさ。前にマルチネに牛乳を飲むようになったって聞いたから、ホットミルクを作ってきたんだ。夕食食べてなかったって聞いたから、少しは足しになるかと思って」
「そうか」
「…いらない、よな。ごめん」
「いや、貰っとく」
ウァプラは俯くソロモンの手からカップを受け取り、中身を一口啜った。
微かな甘みを感じる。古代蜂の蜜を一雫垂らしているのだろう。
労作量は多くないとはいえ疲れていた身体に優しく感じる。
「飲んでくれてありがとう、ウァプラ」
ソロモンはウァプラからカップを受け取り、自分がなにかしてもらったかのように笑みを浮かべている。この少年は自分が仲間の為に何か出来ることが嬉しくてしょうがないのだ。
「別にお前が礼を言うことじゃねえだろ、クソウゼェ」
「いや、勝手なことするなって怒られるかと思ってたから…」
「流石に善意まで理由もなく反故にはしねえよ」
「そっか」
「そろそろ俺は湯浴みをする。お前も自分の部屋に帰って休め」
ベッドから立ち上がろうとすると、不意に隣に座っていたソロモンに縋られ、再びベッドに腰掛けることになった。

「どういうつもりだ…!」
ウァプラの服を掴んで俯いたソロモンが顔を上げ、真っ直ぐにウァプラの顔を見つめた。
「もう一つお願いがあるんだ。
ウァプラのを…口で、させてほしい」
あまりに突飛な言葉にふつふつと怒りが湧くが、ソロモンの懇願する表情でその感情も萎えた。
「どう言うことかわかってんのかお前」
「生産性のない、無意味な行為だって言うかもしれないけど、俺はウァプラにもっと触れたい、ウァプラを感じたいから…頼む」
「…チッ、しょうがねえ」
苛立ちの中に確かに高揚を覚えた気がして、振り払うように乱暴に着衣を寛げた。腰掛けた膝の間にソロモンが跪き、露出した性器に口付け、舌を這わせる。
「おい、まだ身体も洗ってねえぞ!」「いいんだ、済んだら俺がお湯を沸かすよ」
「そこまでする必要はねえ、おい…!」
制止を聞かず、ソロモンが口内にウァプラの性器を含む。勃ち上がる性器を吸い上げ、舌で転がし、味わうようにしゃぶる。
口淫は拙かったが、外気と熱いソロモンの口内の対比に、背筋を快感が突き抜けて行った。
「クソっ…」
思わずソロモンの頭を押さえ、喉奥に欲を突き立てる。柔らかく温かな口内が締まり、情欲に火がつく。
ソロモンがウァプラの身体に縋る。ハッとして頭から手を離すと、ソロモンが口からずるずると性器を出して少しえづいた。
思わず無理を強いてしまったことを悔やんだが、ソロモンが息を弾ませながら微笑んだのを見て黙り込んだ。
「気持ち、良かった?ウァプラ…」
「…」
「いいよ、ウァプラの気持ち良いように、して」
そういってソロモンは再びウァプラの性器を咥え込んだ。今度は自ら喉奥に欲を誘い込む。背筋を貫く快楽が脳に広がり、下腹部に熱が集まる。
「離せよ、ソロモン…!うっ、ぐっ……ハァッ…」
ソロモンは達したウァプラの精を、口の端から溢しながらも必死に飲み込んだ。
「良かった、ウァプラも気持ちよかったんだな…」
満足そうに口元を拭って微笑む。

「それじゃ俺、お湯沸かしてくるよ…?!」
立ち上がろうとするソロモンを抱きとめて、ウァプラはそのままベッドに倒れ込んだ。
「いい。湯は俺が沸かす。それまで少しこのままでいろ。どうせ帰るのは明日でも構わん。今日はここで寝る」
ウァプラはソロモンの唇に口付けを落とし、そのまま強く抱き込んだ。
身動きの取れなくなったソロモンは、ウァプラの首筋に顔を埋めてその背に腕を回した。
汗ばんだ肌の匂いのずっと奥に、胸の空くような土と森の匂いがする。
自分を抱きしめるしなやかな腕の温度を感じながら、ソロモンはウァプラの匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
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