このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

domain of azure sky

 ■■■■さんは、よく女物の香水の匂いをさせて遅くに帰ってくる
刹那に生きる人間の、少しの現実逃避から醒めてきた目をしている。
 ■■■■さんは、しょっちゅう悪魔の返り血と硝煙の匂いに塗れて遅くに帰ってくる
戦闘後の高揚を押し潰そうとした目をしている。
 ■■■■さんは、時々清潔な石鹸の匂いをさせて僕を待っている。2人でテーブルに向かい合って座って、交わす言葉もほとんどないまま、コーヒーを飲む。
 言い知れず穏やかな目をしている。この世の全てに肯定されているような。

──────────────────

 僕は人を殺した日、この手が汚れた日には、急いで帰ってシャワーを浴びる 何も知らない君とコーヒーを飲んでいる。それだけで十分満ち足りる。例え間違った選択をしていたとしても、君が僕に染み付いた死の香りを気取らずに過ごせるなら、それだけで十分報われる。
2/4ページ