真4・真4F
逞しく無骨な腕がやんわりと自分を抱きとめていた。嘆きの間は少しひんやりとしていて、岩盤の中だというのに清浄な空気に満ちている。
「ごめん、どのくらい寝ていた?」
「半刻にも満たぬ。案ずるな主よ」
牛頭の悪魔から緩慢に身を離して、アキラは笑う。
「もう行くよ。やることは山積みで、時間はそう多くないんだから。できることをやらなければ」
ミノタウロスの手に触れて、アキラは、アキュラ王は再び天井の上を目指す。
「ありがとう。ゆっくり休めたよ」
「主よ、貴方は人の身だ。無理が祟る」
牛頭の瞳に気遣う色が宿る。
「僕は…人間がなし得ることを、その可能性を多分人より多く見ているから。大丈夫、上手くやれる」
マンセマット、とガントレットに声をかける。あの悪魔はアキュラの仲魔ではあるが、自らの思惑のためにアキラと共謀している状態に近い。東京での首尾を聞きながら、いくつかの指示を出す。
「じゃあ、ミノタウロス…」
「我の役目は分かっている。果たされるまで、決して折れはしない」
「ありがとう」
そう言ってアキュラは振り返らず、自らの国へと帰っていった。
「ごめん、どのくらい寝ていた?」
「半刻にも満たぬ。案ずるな主よ」
牛頭の悪魔から緩慢に身を離して、アキラは笑う。
「もう行くよ。やることは山積みで、時間はそう多くないんだから。できることをやらなければ」
ミノタウロスの手に触れて、アキラは、アキュラ王は再び天井の上を目指す。
「ありがとう。ゆっくり休めたよ」
「主よ、貴方は人の身だ。無理が祟る」
牛頭の瞳に気遣う色が宿る。
「僕は…人間がなし得ることを、その可能性を多分人より多く見ているから。大丈夫、上手くやれる」
マンセマット、とガントレットに声をかける。あの悪魔はアキュラの仲魔ではあるが、自らの思惑のためにアキラと共謀している状態に近い。東京での首尾を聞きながら、いくつかの指示を出す。
「じゃあ、ミノタウロス…」
「我の役目は分かっている。果たされるまで、決して折れはしない」
「ありがとう」
そう言ってアキュラは振り返らず、自らの国へと帰っていった。