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真4・真4F

大穴から注ぐ光も弱まり、東京の東の一部をほのかに照らすばかりになった。
新月とは言え、夜間は悪魔の活動も活発になる。地上で活動する人間は、各々帰り支度を、あるいは夜を明かす為の準備をする時間だ。
ナナシもまた、輸送クエストと金策を終え、帰路に着いていた。
疎らな人影を縫い、ターミナルへ続く路を進む。
「ねえ君ナナシ君?錦糸町所属の」
「そうですけど。なにか」
渋谷の地下街の一角で、知らない男に声をかけられる。
「本物か〜。…あのさあ、君がタダでセックスしてくれるって聞いたんだけど」
「はあ?何言ってんの」
放たれた下卑た言葉に、ナナシは眉を顰めた。
男の手首を掴んで人目をはばかるように物陰へ連れ込む。
周囲に人の気配が感じられないことを確認すると、改めて口を開いた。
「誰に何吹き込まれたのか知らないけど、本番はフツーに金取るから。口とか手なら初回無料でしてあげる。どうする」
涼しい顔で生々しい話題を口走る。
「やっぱりタダでヤらせるなんてうまい話ないか…」
「そこまで日照ってるように見える?」
「じゃあ口でしてもらっていい?」
ナナシの嫌味を滲ませた物言いを歯牙にもかけず、男は口淫を求めた。
「…はあ、今日するつもりじゃなかったのに。」
この先に空き部屋があるから。とナナシは自らの指を男の手首から指に滑らせ、通路の奥へと導いた。


ナナシが後ろ手に施錠を済ませると、男は性急に口付けを求めた。
肉厚な舌でナナシの口内を嬲り、息を荒くしていく。掌を薄い尻に這わせる。水音に紛れて鼻にかかった小さな嬌声が途切れ途切れに上がる。
男が唇を離すと、唾液が糸を引いて伝った。情欲に浸る顔のナナシが、舌を伸ばしてそれを舐めとる。
跪き、顔を男の股座に寄せる。衣服の上からやわやわとペニスを食む。
男が堪らずに息を漏らすと、ナナシは愛撫をやめて男を見上げた。
「早く…ズボン下ろして。チンコ出して」
「ああ…」
男はズボンと下着を脱ぎ去る。勃ち上がった性器がナナシの眼前に曝された。
「うわっ…臭い…こんなのおれに舐めさせる気?デリカシー皆無だね」
揶揄するような口振りと裏腹に、蕩けた眼がペニスに釘付けになっている。
「ナナシくんが綺麗な顔で汚いチンポ咥えて喜んでるとこ、見たくて。ここ2、3日は水浴びもしてないよ」
細い指が、グニグニと鈴口を苛む。
「もうぬるぬるしてる…だらしないチンコだね。男に舐められるの、期待してるの」
愛おしげにキスを落とすと、亀頭を咥え込んだ。

「んぅっ…ふ、あっ…んん…おいひ…」
ナナシの暖かく狭い咥内が男の性器を覆い、舌先で苛む。
「あ、あー…気持ちいいよ…イっちゃいそうだ。玉も舐めてくれる?」
「ん…うん…」
竿を手で扱きながら男の陰嚢をしゃぶる。男が快感に身動ぐ度に、ナナシも嬉しそうに目を細めた。徐ろにツナギのファスナーを下ろし、白く平らな胸を露わにする。片手は男の昂りを扱くまま、もう片方の手を自らの胸に這わせ、指で乳首を慰め出した。上擦った嬌声が上がり、吐息が熱く湿っていく。夢中で口淫を施しながら、頬を染め、快感に身を捩る。背徳的な光景だった。
「あー、ナナシくん、イっていい?口の中で出したいなあ」
男が呟くと、ナナシは顔に喜色を浮かべて男の昂りを頬張った。小さな口いっぱいにペニスを咥え、ねっとりと扱く。

「ああ、気持ちいいよナナシくんっ…イクっ…」
男はナナシの頭を抱えこみ、乱雑にその喉奥を突いた。
「ん゛う゛っ?!ん゛っ、ん゛ん゛」
ナナシが弱弱しく男の脚に縋り、悲鳴をあげるが、咥内を蹂躙する男の性器に阻まれ満足に声が上がらない。
「ああ、ナナシっ…」
がっちりとナナシの頭を股座に抑えつけ、男は果てた。饐えた精を喉奥に叩きつけた。
ずるりと萎えたペニスを引き抜く。
「ん゛お゛ぇ゛っ…う゛っ…ううっ…」

ナナシがえづきながら崩折れた。口端から男の名残りを垂らしている。
「最高だったよ…ナナシくん。君のお口、僕のチンポをずっぽり咥えこんで、完全におまんこだったよ」
「はぁっ…あっそ。次からは顔で五千、中で一だから」
息を整えながらナナシは身支度を始める。
「つれないなあ…すっごいチンチン欲しそうな顔してるのに」
渋々下着を身につけようとする男へ向き直り、ナナシは微笑んだ。
「くれるの?ぐっちゃぐちゃにして欲しいんだよね…3万ポッキリだけど。手持ちなければ融資するし、どう?」
ナナシは男に問いかけながら、再びベルトを解いた。
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