番外編
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目を覚ますと。そこは何もない真っ白な正方形の部屋だった。
……………あまりにも人工的な白さだが。これで粉雪舞ってたら死んでた。紙吹雪舞ってたらキレてた。逸れた。
そして少し離れた所にこちらに背を向けて変な格好で倒れ、………てるか眠っているか分からないセンパイ。そして、真っ白な封筒が、ご丁寧に封が開いた状態で丁度俺達の間に置かれてる。
「……………………………はぁぁぁ?……………………」
なるべく彼女の方を見ないように、俺は出来るだけ冷静なフリをして寝そべったまま視線だけ這わす。
嫌な予感がヒタヒタと足音を立てて近づく。もう頭は割と結論が出てるんだけども。それを自覚するのも、もしその説があっていたとしたら普通に只事ではない。…………あー、待って欲しい。
ちょっとジョーダン抜きでキツイ。割と先の事までついつい考えてしまい俺はまた目を瞑ってしまう。
都合よく意識飛ばないかな、とちょっとだけ期待を込めて目を開けるが、まぁ何も変わらなかった。俺は諦めて仰向けになる。
「____ センパイ、首寝違えるよ」
「…………………寝違えてでも、受け入れたくなくて、…………」
案の定俺より先に目を覚ましてたらしいセンパイは、気まずそうに起き上がった。あー、顔に「これは何?」って書いてある。
多分封筒の中身見て固まったところで俺がタイミング悪く起きたんだろう。センパイほんとなんか嘘というか咄嗟のフリできねぇな。
「センパイ。とりあえずここはどこ、私は誰って俺に聞くのは辞めて。俺も分からないから」
「分かった、ここってどこ?」
沈黙。センパイダメだ。動転してる。これがドッキリとか諸々だったら視聴者の笑いの種になってた事だろう。うーーーん。
「えっと、あちこち仕掛けなり他に手紙なりカメラなり探したんだけど出られない感じだった…………」
「…………………センパイ、ほんとテンプレみたいな動きしたね」
こんなことに確信を抱きたくなかった。最近チャット仲間話してたっけな、日本で流行ってるって。ここ(多分)ロシアだが。
「手紙の内容は見た感じ」
「……………………」
一応念の為に聞くと目を逸らされた。見たな。
「なんて書いてあった」
「はぁ!?、…………ごめん、いや、え、……………ごめん…………………」
物凄い形相したセンパイと目が合った。わかり易すぎる。
さり気なくからかってほんの少し申し訳ないな、と思いつつも、人間自分よりも動揺してる人がいると正気になるようで。
キスって単語が出てこないんだな、と高みの見物をしてしまう。
「…………いいや、分かってっから。……………どうせ…………」
ダメだ、俺も言えねぇ。見物客辞めよ。
そう思い、沈黙がのしかかってたら彼女が拳を握り、口を開いた。
「き、………………きす………………う、しなきゃいけない、みたいで!!」
あ、恥じらい捨てた。思い切り捨てた。しかもセンパイ今奇数って言った?
「恥棄てるの早すぎ、センパイ判断が早すぎる」
「絶ッッ対水月君私に言わせる気だったじゃん……!!」
言えっか。あんたがそんな簡単に言わせなくしたんだろ。
センパイは吹っ切れたようで封筒をこちらに渡してくれた。
まぁそこには、
『キスしないと出れないよ♡』
なんてキャピキャピした字体でそうのたくってる。
「………………………フロイ」
「いやいや、流石にフロイでは無いと思う、流石に、いくらなんでも、私もそう思ったけど、多分」
「もうそれフロイでしょ」
今俺とセンパイの脳裏には笑顔でキャッキャウフフしながら駆け回るフロイの姿。
………………………いや、ぜってーお前。
「……………………」
「……………………」
針葉樹林頑張れ♡って聞こえてくる気がする。あいつ、ぜってー絞める。
どう切り出せばいいか分からない。それはセンパイも同じようでめちゃくちゃどこか変なところ見てる。あーー、もう。
俺はそっと肩に手を置いて振り返らせ、ようとした。
「…………………センパ」
「まっ、まっ、待って、水月君」
「何」
「わ、わ、私からするッッ」
…………………………は?誰が誰にするって?
頬を火照らせながら、もはや半分泣きながらセンパイは「それでどう!?」と提案してきた。
「…………………良いと言うと思う?」
「思わないです、や、やだ怖い」
逃げようとしたのでもうだんだん俺も吹っ切れてきて肩に置いてた手に力を込めて、センパイを封じる。衣服越しに伝わるセンパイの体温がやけに熱くて伝染しそうだった。
「早く終わらせたいでしょ、センパイ心の準備、精神の準備、とか言って1時間くらいやりそうだから」
「…………………目閉じて、水月君」
「……………は」
「閉じて!!!」
手っ取り早く済ませようとしたら、異論を挟めない口振りでセンパイが突然促してくる。思わず反射で目を閉じた。
-------鼻背辺りに優しい温もりが重なる。
一瞬、ガチで理性やらなんやらがトんだ。
俺は思わず目を開いてしまう。
そこには、真っ赤な顔で触れるか触れないかのギリギリで唇を寄せる自分よりも小さい年上の女の姿だった。
「ーーっ、」
「!?、ま、待ってなんで目開けてるの、ま、待っ」
俺はそのまま高速で彼女の背中に手を回すともはや勢いで彼女の顔面に影を落とす。まつ毛が肌の上に落ちた。
軽く顎に手を添え、上を向かせながら俺はゆっくりと目を開く。
そこには驚愕で真っ赤のままされるがままの彼女がいた。
どこかでカタン、と何かがズレた音がして俺は素早く唇を離す。
「……………………………………………」
…………………………………やったわ、俺。
「………………み、水月、く、………えっ、と。その、」
自己嫌悪に陥る俺に彼女が何か言ってるが、はぁ勢いでやらかした、もっと落ち着いてやれば、なんて考えるとバチンと頬に手を当てられる。
「………やっぱり、聞いてない。」
「せんぱ」
「………………そ、そりゃはずいし、私だってし、死ねるけど、早く、終わらせたかった訳では、な、ないから」
そう相変わらずの顔で怒る彼女に俺は思わず唖然とする。
………あーあ、この先輩は。
「………………………はー、ほんと男前だな、なんなの」
「違う水月君がすぐ後ろ向きになるの」
…………一生、恋愛においては勝てる気がしない。
それでもいいか、なんて考えつつ少し火照った頬をどう冷まそうか。そう考えながらどちらともなく差し出された手を握り、2人で歩き出した。
……………あまりにも人工的な白さだが。これで粉雪舞ってたら死んでた。紙吹雪舞ってたらキレてた。逸れた。
そして少し離れた所にこちらに背を向けて変な格好で倒れ、………てるか眠っているか分からないセンパイ。そして、真っ白な封筒が、ご丁寧に封が開いた状態で丁度俺達の間に置かれてる。
「……………………………はぁぁぁ?……………………」
なるべく彼女の方を見ないように、俺は出来るだけ冷静なフリをして寝そべったまま視線だけ這わす。
嫌な予感がヒタヒタと足音を立てて近づく。もう頭は割と結論が出てるんだけども。それを自覚するのも、もしその説があっていたとしたら普通に只事ではない。…………あー、待って欲しい。
ちょっとジョーダン抜きでキツイ。割と先の事までついつい考えてしまい俺はまた目を瞑ってしまう。
都合よく意識飛ばないかな、とちょっとだけ期待を込めて目を開けるが、まぁ何も変わらなかった。俺は諦めて仰向けになる。
「____ センパイ、首寝違えるよ」
「…………………寝違えてでも、受け入れたくなくて、…………」
案の定俺より先に目を覚ましてたらしいセンパイは、気まずそうに起き上がった。あー、顔に「これは何?」って書いてある。
多分封筒の中身見て固まったところで俺がタイミング悪く起きたんだろう。センパイほんとなんか嘘というか咄嗟のフリできねぇな。
「センパイ。とりあえずここはどこ、私は誰って俺に聞くのは辞めて。俺も分からないから」
「分かった、ここってどこ?」
沈黙。センパイダメだ。動転してる。これがドッキリとか諸々だったら視聴者の笑いの種になってた事だろう。うーーーん。
「えっと、あちこち仕掛けなり他に手紙なりカメラなり探したんだけど出られない感じだった…………」
「…………………センパイ、ほんとテンプレみたいな動きしたね」
こんなことに確信を抱きたくなかった。最近チャット仲間話してたっけな、日本で流行ってるって。ここ(多分)ロシアだが。
「手紙の内容は見た感じ」
「……………………」
一応念の為に聞くと目を逸らされた。見たな。
「なんて書いてあった」
「はぁ!?、…………ごめん、いや、え、……………ごめん…………………」
物凄い形相したセンパイと目が合った。わかり易すぎる。
さり気なくからかってほんの少し申し訳ないな、と思いつつも、人間自分よりも動揺してる人がいると正気になるようで。
キスって単語が出てこないんだな、と高みの見物をしてしまう。
「…………いいや、分かってっから。……………どうせ…………」
ダメだ、俺も言えねぇ。見物客辞めよ。
そう思い、沈黙がのしかかってたら彼女が拳を握り、口を開いた。
「き、………………きす………………う、しなきゃいけない、みたいで!!」
あ、恥じらい捨てた。思い切り捨てた。しかもセンパイ今奇数って言った?
「恥棄てるの早すぎ、センパイ判断が早すぎる」
「絶ッッ対水月君私に言わせる気だったじゃん……!!」
言えっか。あんたがそんな簡単に言わせなくしたんだろ。
センパイは吹っ切れたようで封筒をこちらに渡してくれた。
まぁそこには、
『キスしないと出れないよ♡』
なんてキャピキャピした字体でそうのたくってる。
「………………………フロイ」
「いやいや、流石にフロイでは無いと思う、流石に、いくらなんでも、私もそう思ったけど、多分」
「もうそれフロイでしょ」
今俺とセンパイの脳裏には笑顔でキャッキャウフフしながら駆け回るフロイの姿。
………………………いや、ぜってーお前。
「……………………」
「……………………」
針葉樹林頑張れ♡って聞こえてくる気がする。あいつ、ぜってー絞める。
どう切り出せばいいか分からない。それはセンパイも同じようでめちゃくちゃどこか変なところ見てる。あーー、もう。
俺はそっと肩に手を置いて振り返らせ、ようとした。
「…………………センパ」
「まっ、まっ、待って、水月君」
「何」
「わ、わ、私からするッッ」
…………………………は?誰が誰にするって?
頬を火照らせながら、もはや半分泣きながらセンパイは「それでどう!?」と提案してきた。
「…………………良いと言うと思う?」
「思わないです、や、やだ怖い」
逃げようとしたのでもうだんだん俺も吹っ切れてきて肩に置いてた手に力を込めて、センパイを封じる。衣服越しに伝わるセンパイの体温がやけに熱くて伝染しそうだった。
「早く終わらせたいでしょ、センパイ心の準備、精神の準備、とか言って1時間くらいやりそうだから」
「…………………目閉じて、水月君」
「……………は」
「閉じて!!!」
手っ取り早く済ませようとしたら、異論を挟めない口振りでセンパイが突然促してくる。思わず反射で目を閉じた。
-------鼻背辺りに優しい温もりが重なる。
一瞬、ガチで理性やらなんやらがトんだ。
俺は思わず目を開いてしまう。
そこには、真っ赤な顔で触れるか触れないかのギリギリで唇を寄せる自分よりも小さい年上の女の姿だった。
「ーーっ、」
「!?、ま、待ってなんで目開けてるの、ま、待っ」
俺はそのまま高速で彼女の背中に手を回すともはや勢いで彼女の顔面に影を落とす。まつ毛が肌の上に落ちた。
軽く顎に手を添え、上を向かせながら俺はゆっくりと目を開く。
そこには驚愕で真っ赤のままされるがままの彼女がいた。
どこかでカタン、と何かがズレた音がして俺は素早く唇を離す。
「……………………………………………」
…………………………………やったわ、俺。
「………………み、水月、く、………えっ、と。その、」
自己嫌悪に陥る俺に彼女が何か言ってるが、はぁ勢いでやらかした、もっと落ち着いてやれば、なんて考えるとバチンと頬に手を当てられる。
「………やっぱり、聞いてない。」
「せんぱ」
「………………そ、そりゃはずいし、私だってし、死ねるけど、早く、終わらせたかった訳では、な、ないから」
そう相変わらずの顔で怒る彼女に俺は思わず唖然とする。
………あーあ、この先輩は。
「………………………はー、ほんと男前だな、なんなの」
「違う水月君がすぐ後ろ向きになるの」
…………一生、恋愛においては勝てる気がしない。
それでもいいか、なんて考えつつ少し火照った頬をどう冷まそうか。そう考えながらどちらともなく差し出された手を握り、2人で歩き出した。