番外編
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「……恋愛、偏差値診断?」
「今流行ってるんだってさ。さっきつくしちゃんに誘われて」
「へーー、そうなんだ。頑張ってね」
あくまで余所事。そう突っ撥ねる彼の頑なさは平常運転だ。“頑張ってね”が棒読みすぎる。
きっと私が誘った所で一蹴かな、と解答を予想しながらも診断を奨めてみたりする。
「水月君もやればいいじゃん。そんなに時間かからなそうだし」
「生憎様、恋愛には微塵も興味無いんで」
______ でしょうねぇ……。
なんとなく予想は付いていたけれど本日は毒舌に拍車が掛かっている。挙句、眉まで顰められた。そんな不満を顔で表現しなくても…。
そう思いながら私は「そっか」と当たり障りない相槌を返しながら画面を弄る。
名前入力からの性別、生年月日まで入力した時に水月君が背後で息を吐いた。
「……センパイ、9月なんだ」
「うん、くが_______ 」
意外そうに後ろから画面を覗き込んできた後輩の顔が近くて、不覚にも肩が不自然に震え上がる。思いっきり淡黄色の瞳と視線がかち合い、気恥ずかしさでこれまた不自然に顔を逸らしてしまった。漫画かなんかならばギュンッッなんて云う効果音が加わった事だろう。
………私は馬鹿か!!?意識しすぎ、動揺しすぎじゃんか…!!
自分は一貫して他人を寄せ付けないのに、自分から距離を詰める彼は少し距離感の見境が私と違うんだ。驚く事じゃないぞ、大門 鏡花……!!
一方の水月君は突如、挙動不審になった私を不審げに見つめながらもスマホを弄り続けている。私だけ変にワタワタしているだけの状態で羞恥に少し頬が火照った。なに素知らぬ顔してるんだ水月君、あんたのせいです!
「……センパイ早生まれの方かなって思ってた。貴公子の1日後じゃない、もしかして」
「ん!?きこ……あ、タツヤ君って9月16日なの!?」
早朝から数人のメンバーと観光に回っているチームメイトが脳裏に過ぎる。まさかの1日差。
後で本人にそれとなく聞いてみよう……。
「 ち、ちなみに水月君は?誕生日いつ?」
ふと、湧き上がった疑問をぶつけてみる。そういえば知らないな、彼の誕生日。
メンバーの大体はなんとなく理解しているけど考えてみれば水月君は何月かさえ知らない。
「え、俺?」
少し驚いたかのようにこちらに視線だけ移してきた水月君。問われる事は想定外だったらしい。
「当ててみてよ」、とあっけらかんと言われ私は思わず押し黙る。
当たる確率は1/12と然程難しくは無いけれど、改めて考えてみると結構難しい。
「……私、個人的に6月とかそこらへんかと」
「6月?なんでさ、6月は捻くれ者が多いとか?」
「捻くれ者って自虐しないでください、直しましょう!!
特に理由はないけど6月のイメージが強くてさ」
「ふーん……まぁ、いつかわかるよ」
「うわぁ、意地悪」
ぎゃあぎゃあ言い合いながら私は次々と画面に映るチェック項目に目を通す。
あれほどやる気皆無だった水月君もどうやら診断を始めたらしく、時々沈黙が流れた。
恋愛だなんてつい最近、ようやく自覚したばかりだし。
自覚した瞬間、かちんこちんになってあからさまな態度取っちゃうし。
恋愛弱者なんだな、とは自分でも思うけれど。
目だけ隣で唸ってる水月君に移せば、何かの項目にチェックをつけるか否か迷ってた。
そんな1歳年下の無防備で新鮮味ある姿に頬が思わず緩む。
『今、貴方に好きな人は居ますか?』
一番最後に振り当てられていたチェック項目。
変哲もない質問だとは思いながら今の私にはベストだな、なんて。
“はい”
✿
「「 _________ 信じられない 」」
高低の二重奏。ハモりもあったもんじゃない。
その数分後、一斉に自分の診断結果をオープンした2人はその結果の散々たる数値に頭を抱える。
「___ センパイいくつだった、まさか50以上だよね」
「___ それはプライバシーかなぁ……あはは…」
互いに50を振り切った惨憺たる恋愛偏差値結果に、数日間2人は苛まれる事になる。
恋愛弱者同士でくっついておけ、と比喩されるまで後数時間後。
✿
この番外編を執筆後、実際にある恋愛偏差値診断で診断した結果もコピペしておきます。もし宜しければ余興に。
・大門 鏡花
恋愛偏差値 55
総合的には、恋愛偏差値55ということで、平均よりはやや上。
良好な結果であったと言える。運や、恋愛以外のこと(仕事や健康や人間関係など)で、極端に足を引っ張られるようなことがなければ、だいたい悪くない恋愛ができるものと思われる。ただ、偏差値55は決して盤石な数字ではなく、相手との巡り合わせによっても簡単に地獄を見る。油断大敵。
・水月大河
恋愛偏差値 45
総合的には、恋愛偏差値45ということで、平均よりはやや下。少し残念な結果ではある。ただでさえ恋愛は難しいので、「人並み」の恋愛ですらなかなか満足しきれないが、それより下となると、辛い思いや不愉快な思いをたくさん味わうことになると思われる。ただ、恋愛は運や相手との巡り合わせ、自分の成長などにもよる。最終的に幸せになる可能性も、まだ充分に残していると言える。
因みに作者は43でした(ひどい)
「今流行ってるんだってさ。さっきつくしちゃんに誘われて」
「へーー、そうなんだ。頑張ってね」
あくまで余所事。そう突っ撥ねる彼の頑なさは平常運転だ。“頑張ってね”が棒読みすぎる。
きっと私が誘った所で一蹴かな、と解答を予想しながらも診断を奨めてみたりする。
「水月君もやればいいじゃん。そんなに時間かからなそうだし」
「生憎様、恋愛には微塵も興味無いんで」
______ でしょうねぇ……。
なんとなく予想は付いていたけれど本日は毒舌に拍車が掛かっている。挙句、眉まで顰められた。そんな不満を顔で表現しなくても…。
そう思いながら私は「そっか」と当たり障りない相槌を返しながら画面を弄る。
名前入力からの性別、生年月日まで入力した時に水月君が背後で息を吐いた。
「……センパイ、9月なんだ」
「うん、くが_______ 」
意外そうに後ろから画面を覗き込んできた後輩の顔が近くて、不覚にも肩が不自然に震え上がる。思いっきり淡黄色の瞳と視線がかち合い、気恥ずかしさでこれまた不自然に顔を逸らしてしまった。漫画かなんかならばギュンッッなんて云う効果音が加わった事だろう。
………私は馬鹿か!!?意識しすぎ、動揺しすぎじゃんか…!!
自分は一貫して他人を寄せ付けないのに、自分から距離を詰める彼は少し距離感の見境が私と違うんだ。驚く事じゃないぞ、大門 鏡花……!!
一方の水月君は突如、挙動不審になった私を不審げに見つめながらもスマホを弄り続けている。私だけ変にワタワタしているだけの状態で羞恥に少し頬が火照った。なに素知らぬ顔してるんだ水月君、あんたのせいです!
「……センパイ早生まれの方かなって思ってた。貴公子の1日後じゃない、もしかして」
「ん!?きこ……あ、タツヤ君って9月16日なの!?」
早朝から数人のメンバーと観光に回っているチームメイトが脳裏に過ぎる。まさかの1日差。
後で本人にそれとなく聞いてみよう……。
「 ち、ちなみに水月君は?誕生日いつ?」
ふと、湧き上がった疑問をぶつけてみる。そういえば知らないな、彼の誕生日。
メンバーの大体はなんとなく理解しているけど考えてみれば水月君は何月かさえ知らない。
「え、俺?」
少し驚いたかのようにこちらに視線だけ移してきた水月君。問われる事は想定外だったらしい。
「当ててみてよ」、とあっけらかんと言われ私は思わず押し黙る。
当たる確率は1/12と然程難しくは無いけれど、改めて考えてみると結構難しい。
「……私、個人的に6月とかそこらへんかと」
「6月?なんでさ、6月は捻くれ者が多いとか?」
「捻くれ者って自虐しないでください、直しましょう!!
特に理由はないけど6月のイメージが強くてさ」
「ふーん……まぁ、いつかわかるよ」
「うわぁ、意地悪」
ぎゃあぎゃあ言い合いながら私は次々と画面に映るチェック項目に目を通す。
あれほどやる気皆無だった水月君もどうやら診断を始めたらしく、時々沈黙が流れた。
恋愛だなんてつい最近、ようやく自覚したばかりだし。
自覚した瞬間、かちんこちんになってあからさまな態度取っちゃうし。
恋愛弱者なんだな、とは自分でも思うけれど。
目だけ隣で唸ってる水月君に移せば、何かの項目にチェックをつけるか否か迷ってた。
そんな1歳年下の無防備で新鮮味ある姿に頬が思わず緩む。
『今、貴方に好きな人は居ますか?』
一番最後に振り当てられていたチェック項目。
変哲もない質問だとは思いながら今の私にはベストだな、なんて。
“はい”
✿
「「 _________ 信じられない 」」
高低の二重奏。ハモりもあったもんじゃない。
その数分後、一斉に自分の診断結果をオープンした2人はその結果の散々たる数値に頭を抱える。
「___ センパイいくつだった、まさか50以上だよね」
「___ それはプライバシーかなぁ……あはは…」
互いに50を振り切った惨憺たる恋愛偏差値結果に、数日間2人は苛まれる事になる。
恋愛弱者同士でくっついておけ、と比喩されるまで後数時間後。
✿
この番外編を執筆後、実際にある恋愛偏差値診断で診断した結果もコピペしておきます。もし宜しければ余興に。
・大門 鏡花
恋愛偏差値 55
総合的には、恋愛偏差値55ということで、平均よりはやや上。
良好な結果であったと言える。運や、恋愛以外のこと(仕事や健康や人間関係など)で、極端に足を引っ張られるようなことがなければ、だいたい悪くない恋愛ができるものと思われる。ただ、偏差値55は決して盤石な数字ではなく、相手との巡り合わせによっても簡単に地獄を見る。油断大敵。
・水月大河
恋愛偏差値 45
総合的には、恋愛偏差値45ということで、平均よりはやや下。少し残念な結果ではある。ただでさえ恋愛は難しいので、「人並み」の恋愛ですらなかなか満足しきれないが、それより下となると、辛い思いや不愉快な思いをたくさん味わうことになると思われる。ただ、恋愛は運や相手との巡り合わせ、自分の成長などにもよる。最終的に幸せになる可能性も、まだ充分に残していると言える。
因みに作者は43でした(ひどい)