第1章 あなたと友人になれたら
一際、強い風が吹き荒れた。身をすくませながら俺は帰路を歩く。
そろそろ暖房が必要な時期だろうか。今週末にでも炬燵を出そうかな、なんて考える。
「今夜は風が強いな……。そのせいか猫があちこちで鳴いてる」
ガードレールの向こう側、行儀良く塀に腰掛ける猫が。屋根の上で毛繕いしていた猫が。
小さな猫を連れた母親らしき猫が月に向かって次々に鳴き声をあげている。
その様はなんとも微笑ましくて、俺は片手に下げたビニール袋にチラリと視線を落とす。
「猫缶が安く買えたから、帰りに猫ばあさんの家に寄ろう。
クロとハナコはマグロで、タマはササミ、トラにはサーモン、シッポじいちゃんにはシニア用」
白猫がゆったりと道路を横断する。幸いにも車の気配は無く、毛並みが綺麗な白猫はそのままブロック塀を飛び越えて消えて行く。
「近所だから、たまにお世話させてもらってるけど、どの猫も個性的でかわいいな。
……そう言えば、猫ばあさん、言ってたっけ」
見え始めた自宅を細目で見つめながら俺は白い息を吐き出すと共に呟く。
「風が強くて、猫が騒ぐ、明るい満月の夜には、なにか不思議な事が起こるって。」
ならば、月はどうだろうか?
歩くペースを落としながら俺は頭上で煌めく月へと顔を上げる。
そこには淡いブルー色の月が顔を覗かせていた。
「わ……。すごい、大きな満月……。いつもより、光も眩しい気がする。
これだけ明るくて大きいと、スマホのカメラでもきれいに撮影出来そうだな。」
思わず圧倒されながら俺はポケットに入ってたスマホを取り出す。
そしてカメラを起動させてピントを月に向けた。左手で端末を支える。
「ピントを合わせて……。よし。」
小さなシャッター音と共に空を切り取ったかのような月が写真としてデバイスに残る。
デジタルカメラと劣らない程のスマホのカメラ技術。これからどこまで進化してしまうんだろうか。
大きな月を写真におさめて、俺はスマホを覗き込みながら、自分のマンションのエレベーター前までたどりついた。ボタンを押して、エレベーターを呼んで、開いた扉に乗り込む。
「おお。月、きれいに撮れてる。あとで猫缶持っていった時、猫ばあさんにも見せようっと。」
猫ばあさん、なんと言うだろうか。
そう思いながらスマホを操作していて、ふと違和感が肌を刺激した。
あの、エレベーター独特な匂いがしない。……足元の感触が……いつもと違う?
「……あれ?なんかおかしい?」
スマホから顔を上げて、俺は目を丸くした。いつものエレベーターの内装と違う。
リゾートホテルのエレベーターのような煌びやかな内装に俺は上手くリアクションが出来ない。
閉まられた扉に彫られているのはなんの花だろうか。
本来ならあるはずのエレベーターボタンも、表示される階ナンバーもない。
ガタ、ゴト、響く音も聞き慣れないものだ。俺は酷く狼狽える。
「どうしたんだろう……。マンション、工事なんかしてたっけ……。」
このエレベーターはどこに向かってしまうんだろうか。漠然とした不安に駆られたその時。
ふと、何も無かったはずの宙に三角帽子が現れた。
「やあ。」
何処か笑みを含めた声と共に。
「…………!?」
俺は目を疑った。帽子が宙に浮かんで、しかも話しかけてくる。
エレベーターの内装相まって俺は錯覚する。
確かに数十秒前には見慣れた、歩き慣れた帰路を辿っていて。住み慣れたマンションのエレベーターに乗ったはずだったのに。ここは、これはなんなのだろう?
「ようこそ、賢者様。エレベーターの行き先は、私がご案内いたしましょう。
私は西の魔法使いのムル。行き先は〈大いなる厄災〉によって壊れかけた世界。」
賢者様。魔法使い。ムル。〈大いなる厄災〉。
脳がそれらの単語を認識するよりもはやく。
「お会いできて光栄です。愛しい賢者様。」
「わっ……!?」
帽子の下に、礼儀正しい紳士が現れた。俺は思わず悲鳴に近い叫び声を上げる。
それはチラリと覗く帽子の星月模様と同じ黒マントを羽織った中性的な顔立ちの紳士だった。
江戸紫色の肩より短く切り揃えられた髪にエメラルド色の瞳。
異国の出立ちのその紳士は俺を見てにっこり笑っていた。
その笑みには揶揄うような、馬鹿にするかのような何かも込められている気がした。
こちらの驚きの声にも構うことなく、紳士は話を続けていく。
「これから賢者様を、少しばかり、厄介なことに巻き込むかもしれません。
さて、厄介事には色々あります。色恋沙汰、名誉に戦争、家族、友人、仕返し、恩返し……。」
そこで紳士は何故か愉快げに右手を揺らす。唖然と固まる俺を面白がるかのように。
「今回は、その中で、もっとも厄介な問題!
世界救済。あなたにその手伝いをして欲しいのです。」
もはや脳の許容範囲はキャパオーバーしていた。紳士の言葉も右から左にすり抜けていく。
俺は瞬きをしながらひとりごちる。
「……な……、なんだろ、これ……。夢見てんのかな……?」
戸惑いの表情を浮かべていると、ムルと名乗った青年がにこりと微笑んだ。
「もうすぐたどり着きますよ。世界も、私も、随分と、めちゃくちゃになってしまいましたけど。」
何処に?と思わず問いかけようとして思い留まる。大いなるなんとかで壊れかけた世界。
彼はそう言った。そんな、世界聞いたことすらない。
「あなたはきっと、私に失望なさるでしょう。それでも、あなたと友人になれたなら、私はとても嬉しい。聡明な賢者様。あなたにお会い出来る時を、長い間、待ち焦がれておりました。」
ムルはそう言いながらほんの少しだけ声のトーンを変えた。
口を挟む間もなく、彼の話は続く。
「本音を言えば、世界はどうでもいいのです。人助けは、面倒ですからね。ただ……。」
「この世界の真実を、あなたに見つけて欲しい。」
「あっ……。」
そう言い残してムルは煙のように消えてしまった。
ムルの姿が消えると、エレベーターが停止した。チン!と耳馴染みの音を立てて起動音が止まる。
ゆっくりと扉が開いていく……。
「賢者様……!」
蒼色の双眸と目が合った。螺旋を描く階段をバックにふくよかな男性が声を張り上げる。
形容し難い形で切り抜かれた光取りからは夜光が降り注いでいる。
そしてエレベーター内にも吊るされていたシャンデリアが燦々と辺りを照らしていた。
どこか異国なその風景に、俺は絶句するほかない。
「えっ……。」
「賢者様がいらっしゃったぞ!魔法使いどもが召喚に成功した!」
「賢者様ばんざい!」
「ばんざい!」
ふくよかな男性のその言葉を皮切りに周りを取り囲むように包囲していた兵士たちが歓声を上げる。鎧がどれも夜光を浴びてキラキラしておりほんの少し眩しい。
それはほんとうに喜んでいるかのような仕草だった。理解が追いつかずに俺はさっきから同じ反応をするしかない。
「え!?なんですか、これ!?」
「さあさあ、こちらへ賢者様。ようこそ、来てくださいました。私は中央の国の魔法管理大臣、ドラモンドと申します。」
柔かに笑みを浮かべたふくよかな男性……ドラモンドは俺を此方側へと招く。
一歩踏み出せば、ドラモンドの隣に少しだけ気弱そうな男性がぎこちない笑みを浮かべながら、此方に視線を向けていた。
「ええっと、私は中央の国の書記官クックロビンです。」
クックロビンに軽く会釈しながらも、俺が名乗る暇なくドラモンドが口火を切る。
「さあ、賢者様!魔法使いどもがここに来る前に、中央の城にお連れしましょう!」
「え!?ええと、待ってください。みなさん、何をしてるんですか?これってドッキリ?新型VR体験?」
慌てて俺は口を挟んだ。全く話が見えない。何を周りは繰り広げているんだろうか。
映画の撮影?慌てふためく俺ににっこりドラモンドは笑い、こう答える。
「賢者様をお待ちしていたのです!賢者様には〈大いなる厄災〉と戦って、世界を救って頂きます。」
「戦って、世界を救う!?そういうゲームかなんかと、うちのマンションがタイアップしたんですか?」
そんな話聞いた覚えすらない。
「どこかでカメラが回っているのかな……。困るんですけど、そういうの……。」
「ご心配なく!危ないことはありません!戦うのは魔法使いどもです!」
「魔法使い?」
「ええ。ですが、こいつらがまあ、猫のように言うことを聞かない連中でして…。」
俺の脳裏にふと過るのは、額に稲妻のような傷が走った丸眼鏡が似合う少年。
テンプレかもしれないが碌に展開できない思考回路ではこれが限界だった。
魔法使い?本当にそんな空想小説やフィクションなんかでしか出てこない不思議な能力を持ち得た人達がこの世界に?
じゃあ本当に先程エレベーターで出会ったムルは正真正銘の魔法使い?
突然姿を現したのも同じく突然消えたのも魔法のせい?
ズキズキと顳顬が痛む。目眩が起きそうだ。
「……何故か、決まって昔から、異界からやってきた賢者の言うことしか聞かないんですよ。」
賢者。才智のある聡い者の事だ。
何か秀でた才能があるわけでも抜け出て何に優れている等もない。
何故俺が?人違いなのでは?とにかく疑問だらけで頭が纏まらない。
ただ、今其れ等の疑問をドラモンドに問いかけても満足する解答をくれないだろう、と言う事はなんとなく察していた。
そろそろ暖房が必要な時期だろうか。今週末にでも炬燵を出そうかな、なんて考える。
「今夜は風が強いな……。そのせいか猫があちこちで鳴いてる」
ガードレールの向こう側、行儀良く塀に腰掛ける猫が。屋根の上で毛繕いしていた猫が。
小さな猫を連れた母親らしき猫が月に向かって次々に鳴き声をあげている。
その様はなんとも微笑ましくて、俺は片手に下げたビニール袋にチラリと視線を落とす。
「猫缶が安く買えたから、帰りに猫ばあさんの家に寄ろう。
クロとハナコはマグロで、タマはササミ、トラにはサーモン、シッポじいちゃんにはシニア用」
白猫がゆったりと道路を横断する。幸いにも車の気配は無く、毛並みが綺麗な白猫はそのままブロック塀を飛び越えて消えて行く。
「近所だから、たまにお世話させてもらってるけど、どの猫も個性的でかわいいな。
……そう言えば、猫ばあさん、言ってたっけ」
見え始めた自宅を細目で見つめながら俺は白い息を吐き出すと共に呟く。
「風が強くて、猫が騒ぐ、明るい満月の夜には、なにか不思議な事が起こるって。」
ならば、月はどうだろうか?
歩くペースを落としながら俺は頭上で煌めく月へと顔を上げる。
そこには淡いブルー色の月が顔を覗かせていた。
「わ……。すごい、大きな満月……。いつもより、光も眩しい気がする。
これだけ明るくて大きいと、スマホのカメラでもきれいに撮影出来そうだな。」
思わず圧倒されながら俺はポケットに入ってたスマホを取り出す。
そしてカメラを起動させてピントを月に向けた。左手で端末を支える。
「ピントを合わせて……。よし。」
小さなシャッター音と共に空を切り取ったかのような月が写真としてデバイスに残る。
デジタルカメラと劣らない程のスマホのカメラ技術。これからどこまで進化してしまうんだろうか。
大きな月を写真におさめて、俺はスマホを覗き込みながら、自分のマンションのエレベーター前までたどりついた。ボタンを押して、エレベーターを呼んで、開いた扉に乗り込む。
「おお。月、きれいに撮れてる。あとで猫缶持っていった時、猫ばあさんにも見せようっと。」
猫ばあさん、なんと言うだろうか。
そう思いながらスマホを操作していて、ふと違和感が肌を刺激した。
あの、エレベーター独特な匂いがしない。……足元の感触が……いつもと違う?
「……あれ?なんかおかしい?」
スマホから顔を上げて、俺は目を丸くした。いつものエレベーターの内装と違う。
リゾートホテルのエレベーターのような煌びやかな内装に俺は上手くリアクションが出来ない。
閉まられた扉に彫られているのはなんの花だろうか。
本来ならあるはずのエレベーターボタンも、表示される階ナンバーもない。
ガタ、ゴト、響く音も聞き慣れないものだ。俺は酷く狼狽える。
「どうしたんだろう……。マンション、工事なんかしてたっけ……。」
このエレベーターはどこに向かってしまうんだろうか。漠然とした不安に駆られたその時。
ふと、何も無かったはずの宙に三角帽子が現れた。
「やあ。」
何処か笑みを含めた声と共に。
「…………!?」
俺は目を疑った。帽子が宙に浮かんで、しかも話しかけてくる。
エレベーターの内装相まって俺は錯覚する。
確かに数十秒前には見慣れた、歩き慣れた帰路を辿っていて。住み慣れたマンションのエレベーターに乗ったはずだったのに。ここは、これはなんなのだろう?
「ようこそ、賢者様。エレベーターの行き先は、私がご案内いたしましょう。
私は西の魔法使いのムル。行き先は〈大いなる厄災〉によって壊れかけた世界。」
賢者様。魔法使い。ムル。〈大いなる厄災〉。
脳がそれらの単語を認識するよりもはやく。
「お会いできて光栄です。愛しい賢者様。」
「わっ……!?」
帽子の下に、礼儀正しい紳士が現れた。俺は思わず悲鳴に近い叫び声を上げる。
それはチラリと覗く帽子の星月模様と同じ黒マントを羽織った中性的な顔立ちの紳士だった。
江戸紫色の肩より短く切り揃えられた髪にエメラルド色の瞳。
異国の出立ちのその紳士は俺を見てにっこり笑っていた。
その笑みには揶揄うような、馬鹿にするかのような何かも込められている気がした。
こちらの驚きの声にも構うことなく、紳士は話を続けていく。
「これから賢者様を、少しばかり、厄介なことに巻き込むかもしれません。
さて、厄介事には色々あります。色恋沙汰、名誉に戦争、家族、友人、仕返し、恩返し……。」
そこで紳士は何故か愉快げに右手を揺らす。唖然と固まる俺を面白がるかのように。
「今回は、その中で、もっとも厄介な問題!
世界救済。あなたにその手伝いをして欲しいのです。」
もはや脳の許容範囲はキャパオーバーしていた。紳士の言葉も右から左にすり抜けていく。
俺は瞬きをしながらひとりごちる。
「……な……、なんだろ、これ……。夢見てんのかな……?」
戸惑いの表情を浮かべていると、ムルと名乗った青年がにこりと微笑んだ。
「もうすぐたどり着きますよ。世界も、私も、随分と、めちゃくちゃになってしまいましたけど。」
何処に?と思わず問いかけようとして思い留まる。大いなるなんとかで壊れかけた世界。
彼はそう言った。そんな、世界聞いたことすらない。
「あなたはきっと、私に失望なさるでしょう。それでも、あなたと友人になれたなら、私はとても嬉しい。聡明な賢者様。あなたにお会い出来る時を、長い間、待ち焦がれておりました。」
ムルはそう言いながらほんの少しだけ声のトーンを変えた。
口を挟む間もなく、彼の話は続く。
「本音を言えば、世界はどうでもいいのです。人助けは、面倒ですからね。ただ……。」
「この世界の真実を、あなたに見つけて欲しい。」
「あっ……。」
そう言い残してムルは煙のように消えてしまった。
ムルの姿が消えると、エレベーターが停止した。チン!と耳馴染みの音を立てて起動音が止まる。
ゆっくりと扉が開いていく……。
「賢者様……!」
蒼色の双眸と目が合った。螺旋を描く階段をバックにふくよかな男性が声を張り上げる。
形容し難い形で切り抜かれた光取りからは夜光が降り注いでいる。
そしてエレベーター内にも吊るされていたシャンデリアが燦々と辺りを照らしていた。
どこか異国なその風景に、俺は絶句するほかない。
「えっ……。」
「賢者様がいらっしゃったぞ!魔法使いどもが召喚に成功した!」
「賢者様ばんざい!」
「ばんざい!」
ふくよかな男性のその言葉を皮切りに周りを取り囲むように包囲していた兵士たちが歓声を上げる。鎧がどれも夜光を浴びてキラキラしておりほんの少し眩しい。
それはほんとうに喜んでいるかのような仕草だった。理解が追いつかずに俺はさっきから同じ反応をするしかない。
「え!?なんですか、これ!?」
「さあさあ、こちらへ賢者様。ようこそ、来てくださいました。私は中央の国の魔法管理大臣、ドラモンドと申します。」
柔かに笑みを浮かべたふくよかな男性……ドラモンドは俺を此方側へと招く。
一歩踏み出せば、ドラモンドの隣に少しだけ気弱そうな男性がぎこちない笑みを浮かべながら、此方に視線を向けていた。
「ええっと、私は中央の国の書記官クックロビンです。」
クックロビンに軽く会釈しながらも、俺が名乗る暇なくドラモンドが口火を切る。
「さあ、賢者様!魔法使いどもがここに来る前に、中央の城にお連れしましょう!」
「え!?ええと、待ってください。みなさん、何をしてるんですか?これってドッキリ?新型VR体験?」
慌てて俺は口を挟んだ。全く話が見えない。何を周りは繰り広げているんだろうか。
映画の撮影?慌てふためく俺ににっこりドラモンドは笑い、こう答える。
「賢者様をお待ちしていたのです!賢者様には〈大いなる厄災〉と戦って、世界を救って頂きます。」
「戦って、世界を救う!?そういうゲームかなんかと、うちのマンションがタイアップしたんですか?」
そんな話聞いた覚えすらない。
「どこかでカメラが回っているのかな……。困るんですけど、そういうの……。」
「ご心配なく!危ないことはありません!戦うのは魔法使いどもです!」
「魔法使い?」
「ええ。ですが、こいつらがまあ、猫のように言うことを聞かない連中でして…。」
俺の脳裏にふと過るのは、額に稲妻のような傷が走った丸眼鏡が似合う少年。
テンプレかもしれないが碌に展開できない思考回路ではこれが限界だった。
魔法使い?本当にそんな空想小説やフィクションなんかでしか出てこない不思議な能力を持ち得た人達がこの世界に?
じゃあ本当に先程エレベーターで出会ったムルは正真正銘の魔法使い?
突然姿を現したのも同じく突然消えたのも魔法のせい?
ズキズキと顳顬が痛む。目眩が起きそうだ。
「……何故か、決まって昔から、異界からやってきた賢者の言うことしか聞かないんですよ。」
賢者。才智のある聡い者の事だ。
何か秀でた才能があるわけでも抜け出て何に優れている等もない。
何故俺が?人違いなのでは?とにかく疑問だらけで頭が纏まらない。
ただ、今其れ等の疑問をドラモンドに問いかけても満足する解答をくれないだろう、と言う事はなんとなく察していた。