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黒鉄のモブマリン


ATTENTION



黒鉄の魚影ガッツリ目のネタバレというか展開に添います。まだ見てない人は映画を見て下さい。

映画のネタバレがあります。

名前固定主。


※※※


なんでも許せる人だけ進んでください
モブ構成員たちが出てきます。















「ヤギタ」
「ん?あぁ…機器の確認ですね?一応全て動作確認済みでフルバッテリーですよ。現地で作戦前にもう一度確認させますし…」
「違う」

オートパイロットで操縦しているが、組織の船はいつどこから監視されてるとも攻撃を受けるかもわからないので操縦室で待機していた所、コルンがやってきたので幹部が使うものの話かと思ったら違うようだった。

「これ」
「ん…あっ弁当!?そんな、幹部様に使いっ走りさせるなんて、すいません!ありがとうございます!」
「ん」

どうやら操縦室から全く出てこない俺を気遣ってご飯を届けにきてくれてたらしい。なんて気遣いの出来る男。しかし上司にパシリさせるのは大変申し訳ない。
ジンもコルンももう食べ終わったとのこと。オートパイロットなんだし食べる余裕くらいあるだろうとの事だった。

「うーん、でも任された仕事はちゃんとやりたいし、もし俺のせいで万が一があると嫌ですし、それに俺のせいでヤバいことになると更にまずい、と色々心配すると喉通らないんですよね」
「いらない?」
「いえ、あと少しで着きますし…周りに不審物も探知しませんし、一応現地の同僚に港回りどうかの連絡するようにって連携も勿論とってるので、頂きますね!コルンさんが俺の為に持ってきてくれたの、嬉しいです。いただきます」

俺が食べ始めたのを確認してからコルンは頷いて操縦室から出ていく。食事の心配はまぁ家にいつのまにか潜り込んでるウォッカやベルモットやらキャンティにはされるが、無口なコルンにすらされるとは。
確かに日本人だから彼らより肉付きが良くない自覚はあるが、そんなヒョロガリって訳じゃないし、非力ならそもそも旧車等のクソ重たいハンドルも回せないのでそんなに心配しないで欲しいものだ。
まぁこれも監視の一環か…とは思うが、いつも会う時はキャンティとしか喋らないというか、ほぼキャンティが喋るのでコルンから話しかけて来ること自体がレアだ。ちょっと嬉しい。
これは今回の任務上手くいくなぁと思いつつ弁当をかき込んだ。











「船送無事完了、っと。さて」

ウォッカに念の為報告を送る。ジン関連の時は送っておかないといけない気がしてるので完了次第即連絡を入れるようにしている。毎回一緒にいる人が遠いところにいて危険な仕事してたら心配だもんね。
自分は今からこの船を隠して次の仕事だ。
ジンとコルンは降りるなり確認を済ませ即移動したようだった。アレコレ言われなかったということは満足ということだろう。何よりだ。
入ってすぐの頃は軽いアドバイスやここはこうしておけ等の小言が必ずあったが、ここ一年全く聞かなくなったな、ちょっと淋しい気もするが仕事を認められるのは嬉しい。
ウォッカ宛の連絡に既読がついたのを確認して船を動かし始めた。さて、次は………










あのあと船隠してヘリ移動させる為についでにトラックで物運びながら移動してそれから色々運搬して現在日本。久々である。ここ数日寝る時間より運転してる時間の方が長かったのではないかと思う。渡されて即ゴリゴリに潜水艦の勉強していてよかった、休んだらまた復習するか、と思ってカフェで寛いでいたら美男美女。

「あれ、ヤギタじゃないですか」
「hi、シロウ」
「バーボンさん、ベルモットさん」

そして自然に相席してくる…。自然すぎて怖い…。本当に組織幹部かよってくらい目立つ顔してるんだから集まらないでほしい…。
しかももうコーヒー頼んだ…。

「俺帰った方がいいですよね」
「なんでよ」

丁度いい席がここしかなかったからじゃないのか…。一体何の用だろう。

「今度の任務の貴方の運転するモノ、こちらの任務に役立ちそうな情報があったので教えて欲しいんですよ」
「ん……?あぁ、だからピンガが来てたのか」
「アラ、そうなの。随分やる気なのねピンガは」
「詳細まではしがないドライバーなので存じ上げませんが…じゃあ後でお二方にファイル送っておきますね。ほぼそれで大丈夫だとは思いますが後随時聞いてもらえれば答えられますので」
「助かります」

幹部達も大変だなと思う。指令が出た時点で似たデータ一緒に送ってやればいいのに。秘密主義の2人もそうだが、組織内でも仲間の情報共有はある程度伏せられて行われているのはよくある事だ。

末端構成員に幹部がわざわざ聞かないといけないのはなんとも、うぅん、もうちょっと何とかした方がいいんじゃなかろうか。
末端なのでどこまで情報渡していいかもヒヤヒヤもんである。まぁこんな下っぱに公開してる情報、組織内部であれば誰に話しても問題ないだろうが。
だからと言って何でもかんでも話す気もない。

「バーボンさんとベルモットさんって美男美女なのでめちゃくちゃ目立つと思うのですが、よくコンビしてるイメージあるんですよね。これも秘密ですか?」
「秘密よ」
「そうですよね、…じゃあ私は帰ります。お勘定済ませておきますのでごゆっくり」
「待っ…」

バーボンが待てと言いたげにするがベルモットが抑えてくれたようだ。何となくバーボンが苦手なんだよな、ベルモットと2人の時になんとなく苦手という話をしたらそれからはあんまり近づけなくしてくれてるみたいで、非常に大変とても助かるが、それからは益々こちらを見る目つきが怖くなったような、気のせいだと思いたい。
ただ、2人きりになったりすると自分の持ってる情報全部吐かされそうな気がしているし、それをしたら俺は死ぬしかないのはわかってるので仕事はするが、それだけで許して欲しい。なんて末端なので。大した情報マジで持ってないって。探り屋さんなのに相手を間違えないで欲しい。
それとも末端構成員意識調査とかなんだろうか。だとすればウォッカが上司としてどれほど最高かって話をめちゃくちゃするけど多分違うと思うので逃げるが勝ちである。










バーボン視点_



八木田士郎、沖縄の自宅で焼死したとされていたが、組織にいたとは…。
初めて運転手として顔を見た際、見た事があると思ったら案の定日本で消えた男だった。彼の家が爆発した当日、当日ジンとウォッカが沖縄に行ってた情報は掴んでいたし、それであんな騒ぎがあったので本当に消したと思っていたが、まさか引き抜かれていたとは、こちらでも経歴は確認済みだが、確かに悪用できそうな経歴である。

よくよく調べれば組織の金を持って逃げて数年沖縄に潜み、それ以降は組織の金で生活していたらしく、仕事らしい事をしている形跡はなかったが、組織に勘付かれないよう手回しをしたりと動き回っている形跡が散見された。…中には警察としては頭を抱えたくなる事例がいくつもあった。
八木田士郎自身は特に罪状はないが、両親に問題があり過ぎる。
それに両親の海難事故も組織の行動で起こっている、それを彼は知っていて脅されているのだろうか?
ジンは何も知らねえ人形だ、と評していたので本当に両親のやっていたことを知らず、ただ裕福に育ち、突然家族を奪われ、組織で強制労働させられているのであれば日本で保護したい。

それにしても本人は組織幹部には割と甘いという話だったのに、僕にはなぜか隙を見せない。それところかベルモットにはコンタクトの邪魔までされる。
これが引っかかっているのだ。今の所八木田自身が人を手にかけたりした形跡はなく、ただ構成員のドライバーとして過ごしているが、本当は組織に嫌々従っている訳ではないのか?
何にせよもう少し情報が必要だ。


_









「あとは現場見たり実際触ってだな、知識面は全員ばっちりスわ!」
「よし、パシフィック・ブイに関する情報は?」
「資料とプラスアルファでピンガからも貰ってたので大丈夫かと」

明日から潜水艦を動かすにあたってドタバタしていた。末端構成員たちがこの忙しさなので、幹部様なんてとんでもない多忙なんじゃないか?という気持ちである。

同僚から聞いたところ、ピンガはこないだ見せに来た姿で潜入任務をしているらしく、今回の作戦に参加するから見せてくれたんじゃね?という事だった。知らないとトラブルの時に対応できないからね。

老若認証とかいう、俺も使われたら生きてるの日本警察にバレるじゃん、という感じのシステムの存在を知った時から、既にラムとピンガは動いてたらしいのでとんでもない先見の明である。俺が組織に入る前からなんじゃないか…?
幹部様は情報をどっから仕入れてくるんだ…。
そしてこれは噂だが、「本来のグレースはもうこの世にはおらず、ピンガがグレースとして生きている」との事だが、ということは、その潜入に合わせて引き抜かれるであろう人物の目星を完璧につけて、成り代わっておいて、あの超やべー装置動かせるように勉強したって事になる?あの所作や喋り方や経歴も合わせて?バケモン?やはり幹部様は人間を逸脱している。

末端構成員たちの噂のかけらを拾い集めて組み上げたピンガの今回の任務、凄すぎてそりゃあわざわざ今回の任務ちゃんとしろよと直接釘を刺しにくる訳だと納得する。
末端構成員たちの運転が下手でおじゃんです!ではシャレにならないほどドデカい案件だった。運転には自信があるし問題ないとは思うがちょっと過去イチでっかい案件っぽいのでビビってしまう。

「取り敢えず潜水艦に幹部入れ替わりでかなり乗るし、普通に気を引き締めような」
「幹部といえば…珍しくジンとコルンとキャンティが別だから潜水艦に乗らないらしいな」
「まぁスナイパー組は潜水艦乗ってどーすんだって感じだけど、ジンが乗らないのは珍しいな、あの人兵器詰んでる乗り物割と乗るじゃん」
「わかる、ヘリもオスプレイもぶっ壊してたけど」
「君らジンさんのそういう噂よくデカデカと喋れるな…」

聞かれたら普通に撃たれそう。あと日本国籍じゃない人達はやっぱり敬称とか付けない事に今だに慣れない。敬称なしの悪口ぽいのは本人がこの場にいなくてもヒヤヒヤする。

「ま、誰が乗ろうとやる事やるだけでしょ。俺たちがちゃんとしないと連帯責任で普通に死ぬし、物理的に」
「「「「間違いない」」」」











「えっ!?キールさんがジンさんにNOCごと撃たれた…!?」
「確かに動きづらそうだし顔色も良くはなかったから…マジかあ」
「ていうか、ジンの神エイムっぷりなんなんだ?APEX配信した方が稼げんじゃね?」
「それは言い過ぎ、裏稼業の方が稼げる」

潜水艦内部は現時点で幹部がいない待機状態なので構成員のお喋りは好き放題だ。まぁいつでも受け入れたり移動したりできる体制は取っているので問題はないが。
コレが幹部が1人でも乗れば必要最低限しか喋らなくなるので不思議だ。
気分で脅したり気軽に撃ったりする人がいるからそうなるんだけど、まぁ仕事に差し支えないしなんだかんだみんなメリハリはあるのでいいと思う。
みんなの軽口は聞くばかりでほぼ参加しないが、お喋りさんの噂話諸々は面白かったりほんとだったりするので仕事しながら聞くラジオ程度に思っている。

「ヤギタ、定時連絡」
「言われなくても」
「………それにしても、ヤギタって幹部になりたいの?」
「…は!?え、なんで!?」

なんて思っていたら突然話題を振られ、しかもその内容が突拍子もなすぎるので驚いてしまった。勢いよく振り返り、他の構成員を見ればあ〜確かに、という顔をして頷いていた。まるで全員がそう思っているみたいじゃないか。

「だって、ドライバーなのに、しかもドンパチしたり情報収集する構成員って訳でもないのに幹部と割とズブズブじゃん」

「ズブズブ…!?」

「ウォッカが気に入ってる感じはする」
「ピンガもふらっとお前ん家現れるんだろ?フツーありえん」
「ベルモットとバーボンが構成員とそんなペラペラ喋る所お前以外ほぼ見ないし」

俺も俺も、とそれぞれが八木田と幹部こんなことしてましたエピソードを紡いでゆく。どうやら話を聞くと構成員は幹部と必要最低限の話しかしないので余計にあれこれ教えられたり、わざわざ様子見に来たり、なんなら家に侵入されることはないとのことだった。
そんなに幹部に気に入られるなんて、どうやって取り入ってんの?やっぱ幹部になりたいから?と目が訴えている。

「あー、みんなそれ勘違い。…俺の親って組織から大金くすねてんの。だけど俺がいっぱい免許もってたから殺さずに組織に置いてくれるワケ。でもやっぱ泥棒の息子は信用ならないって事で幹部から普通の構成員より厳し目に見られてるだけだって」
「えっお前の親エピヤバ過ぎ…?」
「いや、厳しい…?」
「う〜ん要審議」

先ほどの決めつけの雰囲気は無くなりつつ、でもそうだろうか…?そいう視線もあるが、まあ俺の境遇を知らなければ監視=目をかけられてるにもなるかもなぁ、と思った。
見た感じでの判断による勘違いや思い込みって恐ろしい。

ユーロポールの防犯カメラの管理と、パシフィック・ブイを繋ぐ事、
そして、パシフィック・ブイから直美・アルジェントを拉致し組織に従わせる事、
この組織にとって重大な仕事を明日に控えているのでしょうもない話で浮足立たれても困るのだ。
それに明日にはキール、ウォッカ、バーボン、ベルモット、幹部が4人も乗る。気を引き締めて取り掛かろう、自分が組織に入ってから恐らく1番大きな作戦だ、と改めて思うと、ぶるりと武者震いした。


















八木田士郎

運転たのし〜!乗り物の勉強たのし〜!組織っていろんな乗り物乗らせてくれるしちょっと怖いけどもうまともに生きられない自覚はあるから開き直った男。
ウォッカさんマジ理想の上司。
噂で流れてくるピンガ評とお家に来て変装見せてくれるピンガ評が違いすぎてン?となるが確かに初めて会った時めちゃくちゃ殺してたけどケロッとしてたからそこらへんか?と思ってる。


ドライバー構成員仲間たち

八木田ほどアレコレ運転できてあっちこっち走らされてる新人いないんだよなあ…。
実際一緒に仕事しててめちゃくちゃやりやすいので関係は良好、幹部コワイけどネタにしないとやってらんねーよ!って人たちが多い。



ジン

飯くらいちゃんと食え、ウォッカが心配するので。殺したやつのことすぐ忘れるので足を使い捨てたりする事も結構忘れている。
今回こそ会いたかったぜシェリー出来るのだろうか。


コルン

ご飯くらいちゃんと食べるといいと思う、食べてる所ほぼみたことないなぁ。いつもはキャンティがとてもよく喋るので今回初めて喋った。


ウォッカ

アニキ関連の仕事の時は細かく連絡くれてありがたいなぁと思ってる。足の構成員達の中ではかなり使えるのでいい拾い物しましたね、アニキ!と思ってる。
いい拾い物はちゃんと育てたい理想の上司。


ベルモット

運転が上手い男、女の人を乗せて走る時気遣って走らせてる事を感じ取ってからは普通の足じゃないわね…と高評価。


バーボン

君は白なのか黒なのか


ピンガ

ジンに拾われてウォッカに仕込まれてる足なんざ、俺が使うぜ!と使ったらやたら素直に褒めてくるもんだから普通に気に入っちゃった。
過労死しない?大丈夫?ってくらい今回の作戦ジンのせいで想定より非常に忙しくなるのかわいそう。
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