その瞬間は突然に
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゴスフェと仮にも付き合うようになってどれだけ経っただろう?毎日同じような時間に森の奥に行って、ゴスフェが来てくれるのを待つ。
『今日は会えるかなー?』
毎回会えるわけじゃないけど待ってる時間も悪くない。目を閉じてゴスフェに告白してからのことを思い返す。
仲良くなったと思うけど恋人らしいことは何もない。儀式で会うこともないから賭けも私の負けたまま。
「捕まえた」
突然背中に温かい感触
抱きしめられてる…えっ、これ誰?
『ト、トリスタ!?えっ、なに、えぇっ!?』
ゴスフェの香水とは違うと思ったけどトリスタとは思わなかった。何で抱きしめられてるのか、もう意味がわからない。
「ゴスフェだと思った?真っ赤な顔して可愛い」
『ち、近いよ!というか、何でトリスタがここにいるの?』
「引きこもりのゴスフェが儀式以外で出かけるから気になってんだ〜。聞いても全然教えてくれないしさ。で、後つけたらナマエと会ってるの見つけちゃった☆」
離れようとしてもガッチリ掴まれていてビクともしない。それでも抵抗しようともがいているとあることに気付く。
『…トリスタって肌の手入れとかしてる?』
「何当たり前のこと言ってんの?誰だってしてるでしょ?」
カッコいいとは思ってたけど近くで見ても肌が綺麗で距離感を忘れて見入ってしまった。
「そんなに見られたら照れちゃうだろ☆それともキスしていいってこと?」
『ち、違う!違うの!あんまりにも肌が綺麗だから基礎化粧品何使ってるのか気になって!』
「教えてあげてもいいけどその代わりキスしていい?」
『何でそうなるの!?私のキスに価値なんてないでしょ』
「うん、ただしたいだけ☆」
『そんなにハッキリ言わないでよ』
とりあえずもがくことを思い出し何とか抜け出した。
「ナマエはゴスフェが好きなの?」
『…なんでそう思うの?』
「わざわざこんなとこまで会いにきてる時点でわかるよ。もしかして付き合ってる?」
正直に答えるべきか…
でもゴスフェはこういうこと言われるの嫌いな気がするから私の片想いだと伝えた。
「ふーん…じゃあよっぽどナマエといるのが面白いのかな?」
『なんでそう思うの?』
「あのゴスフェだよ?自己中で気分屋で引きこもりのゴーストフェイスが誰かに会うために何回も足を運ぶなんて信じられないもん」
それは私も何度か考えた。
もしかしたらゴスフェなりに私を彼女と認識して会いにきてくれてるのかな…とか思ってニヤつくこともあった。
でもジェイクをからかったとき以降は物理的な距離も遠いし甘い会話ももちろんない。どっちかと言えば時間潰し的な?
「興味ない人間に時間使うタイプじゃないから、少なくともナマエは気に入られてるんだね」
人に言われるとそうなのかとつい頬が緩む。
『そうだといいけど…私はゴスフェに会えるの嬉しいから』
「なんか僕以外が女の子に求められるのってムカつく。ナマエ、今から僕に乗り換えなよ」
『この流れでじゃあ…ってなるわけないでしょ』
「ヤダね。僕が一番って言ってくれるまで離さないから」
突然首を絞められた。
笑っているが明確な殺意を感じる。
『トリスタ離しっ…ぐっ…!』
「アハッ、面白い顔☆」
殺すの禁止のルールは知ってるはずだけど、トリスタならうっかりやらかしそうで意識を保つのに必死だった。
「ねぇ、僕はナマエの何番目?」
絞め殺そうとしてる割にその声は色っぽかった。薄れゆく意識のなかでこれだけはハッキリ答えた。
『私の…一番は……ゴーストフェイス…』
ここで意識はなくなった。