その瞬間は突然に
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おはよ♡イチャイチャしすぎて時間見てなかったんでしょ〜」
ケイトが嬉しそうにほっぺたをつつくから、ゴスフェがジェイクをからかうためにあんな態度をとってただけで、そのあとすぐに殺されましたとは言えない…。
「あのクソサイコパスも彼女には甘いのね。あれが演技だったら次の儀式で私があいつを殺すわ、なーんてね!」
ますます言えない!!
「ナマエも嬉しそうな顔して…ホントにゴスフェが好きなのね」
『うん……会うたびに好きになってるの』
これは素直にそう思う。
からかうためとはいえ、あんな風にゴスフェに触ることができるなんて思ってもみなかったし。
「もう!可愛いんだから!私的にはあのままキスしてくれてもよかったんだけど…ジェイクがね…」
ケイト曰く儀式から戻ってから部屋に篭っているらしい。薄々気持ちに気付いていたのも事実なので申し訳ないと思いながら、私が行っても逆効果な気がした。
「で、今からどうするの?」
『…ちょっと散歩に行ってくる』
「おはよー。よく眠れた?」
クスクスと楽しそうに笑いながらいじっていたナイフをしまった。
「殺されたばっかりなのにすぐに来るなんて、どれだけ僕に会いたいわけ?」
『じゃあ何でゴスフェはここにいるの?』
「キミの間抜けな顔を見るため」
カシャと音がして一瞬なんのことかわからなかったけど、すぐにカメラで撮られたと気付いた。
「アハハ、半目になってる」
『ちょっ、消してよ!』
「ブスだな〜。面白いから部屋に貼ろ」
『やだやだ!せめて目はちゃんと開いてるのにして!』
「それじゃ面白くないじゃん。大丈夫、僕は部屋に誰も呼ばないから」
『そこじゃないよ!いや、みんなに見られても困るんだけど。ゴスフェにだから余計に見られたくないし…』
「消してほしい?なら今から僕が満足できることしてよ」
『えっ、儀式以外で死んでも蘇るかな?』
「ちょっと、僕=殺しみたいな考え方やめてよ。まるで僕が殺人を楽しんでるみたいじゃん」
『トリスタとゴスフェは儀式楽しんでるようにしか見えないけどね…』
「仕事熱心って言ってよ」
それからも他愛のない話をして時間が過ぎていく。ここではしばらく会えてなかったから本当に楽しくて、ゴスフェがすぐに帰らないのも嬉しかった。
「さて、キミの顔色もよくなったしそろそろ帰るよ」
『休みなしだからさすがに疲れちゃって。でもゴスフェがそんなこと気にしてくれるなんて意外だった、ありがとう』
「そんなことで玩具が潰されたらつまらないからね。どうせなら僕の手で壊したいし」
『彼女から玩具に降格か〜』
「僕を楽しませてくれるって意味では上なんだけどね」
『じゃあ喜ぶところなの?』
「当たり前じゃん。彼女はいくらでも代えがきくけど、玩具はちゃんと選ばなきゃいけないし」
当然のように言うけど何回考えても理解できなかった。まぁ、人それぞれっていうのが正解なのかもしれない。
『わかんないけど、ゴスフェ的にはそっちが上なら玩具でいいや』
「プッ…!ククッ…うん、やっぱりナマエは面白い」
『えっ、やっぱりからかったの!?』
「アハハッ、当たり前じゃん!玩具なんてそこら中にいる誰でもいいんだから!」
さすがにムカついた。
もちろんゴスフェにもムカついたけど素直に信じて降格しようとしていた自分に腹が立つ。
「あれ、怒っちゃた?」
一通り笑って満足したのかゴスフェが立ち上がり、下を向いて怒りを抑える私の顔を覗き込もうとした。
「そんなに怒ったら可愛い顔が台無しになるよ?」
『もう騙されない。ゴスフェがそんなこと言うわけないもん』
「あーバレたか。下向いてる時の顔は10年後の顔って言うよね」
『そんなに早く認めないで!もう、怒ってたのがバカらしくなってきた』
「ナマエが面白いってのはホントだよ。だからこうやって時間割いてあげてるわけだし」
確かに、気分屋のゴスフェが毎日のように自分に時間を使ってくれてるのはすごいと思った。
「その緩んだ顔、間抜けですごくいいよ」
またシャッターの音がして変な顔を撮られてしまった。
「じゃ、またね」
今度は怒る間も無く本当に帰っていった。