その瞬間は突然に
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僕のことが大好きでバカみたいに毎日森の奥に来ていたナマエがパタリと来なくなった。
別に約束してたわけじゃないから僕が行かない日もあったし、行ってたけどあえて姿は見せず待ちぼうけをして帰るナマエの姿を眺めるだけのこともあった。
そんな忠犬がここ最近姿を見せない
でも冷めたとか面倒になったとかじゃない自信はある。森の奥に入ることがバレて優しいお仲間たちが止めているのか、はたまた邪神様の悪戯か。僕は会いたいわけじゃないから平気だけど彼女は突然僕に会えなくて気が狂ってなきゃいいけど…なんて考えてると狙ってたように儀式に呼ばれた。
開始前、キラーには選ばれたサバイバーが見えるから顔色の悪いナマエが参加してるのは知っていた。
ネアを追いかけるフリをして反対方向に向かうとナマエが木にもたれかかっていた。
「ずいぶん顔色悪いね。僕が何もしなくても死にそう」
『ゴスフェ!?あ、ごめんなさい、これはサボってるとかじゃなくて…!』
「別に無理に立たなくていいよ。キミの体調不良は儀式前に見えてたし」
『うぅ…せっかくゴスフェの告白聞けるチャンスだったのに』
「くだらない冗談言える元気はあるならよかった。さっさと吊って殺してあげようか?」
『うん、その方がゴスフェのポイントも稼げるしいいかも』
「……脱出したいんじゃないの?」
なに簡単に死のうとしてるわけ?
僕の気持ちが聞きたいとか言ったくせに。
『だって今日の私はなんの役にも立ってないし、ゴスフェ的にも面白くないでしょ』
「まーね。でも修理が終わったからそろそろみんな集まってくる…面白くなるのは今からだよ」
そのための準備をするためにナマエの横に腰を下ろし肩を抱いた。
『えっ、ちょっ…!な、何!?』
「いいから…そのまま僕の肩にもたれかかって」
修理が終わってすぐに飛んでくるやつが二人いるはずだからさ。
「ナマエ、体は大丈…なっ!こんなところで何をしてる!!」
「お待た…えっ、キャーー♡」
予想通りの二人が予想通りのリアクション。ナマエの表情は見えないけどガチガチに固まりながら顔を真っ赤にしてるのも容易に想像がつく。
「何って、体調の悪い彼女に付き添ってあげてるんだよ」
「彼女ってお前らまさか…」
「あれ、仲間なのに聞いてないの?僕たち付き合ってるんだよ」
「ふざけるな!コイツは何日もぶっ通しで儀式に参加させられて体調が悪いんだ。お前のくだらない冗談に付き合う暇はない」
「だからこうして彼氏の僕が抱きしめてあげてるんじゃんか。それでも信じられないならナマエの口から聞いてみなよ」
ジェイクの必死な顔ウケるー
ずっとナマエを気にかけてたのに大嫌いな僕にとられて残念だったね。
『黙っててごめんね。私がゴスフェに一目惚れして告白したの…でも儀式ではちゃんと殺されてるし贔屓とかはないから安心して!』
「プッ、我ながらひどい彼氏だね。だから今日は時間の許す限り甘やかしてあげようと思ってさ」
「そんな…よりにもよってこんな奴…」
ナマエを抱きしめながら髪にキスをすると今度はジェイクの方が倒れてしまいそうだった。
「ナマエったらそんなにラブラブなら言ってくれたらいいのに!あー心配して損しちゃったわ」
『いや、いつもは……ぐぇ!』
「ナマエってば照れてるの?カエルを踏み潰したような声もかわいいね」
余計なこと言わないように軽く首を絞めた。ジェイクの精神を崩壊させられたくらいでちょうどゲートが開きコラプスが発動した。
「僕たちが一緒にいられる時間はあと少しなんたからちょっとは気使ってよ」
「そうね、ジェイク行くわよ」
3人が出たのを確認してナマエからすぐ離れる。
「ジェイクのあの顔ヤバすぎ。写真に撮れなかったのが残念だよ」
『ジェイクをからかうためにここまでしなくても…ハァ、心臓に悪い』
「僕も楽しめたしナマエも抱きしめられて嬉しかったでしょ?」
『…そりゃこんな機会なかなかないだろうから嬉しいけど』
「フフッ、素直でよろしい。じゃ、殺すね」
『えっ、えぇ!?』
「メメモリは出来なかったけど逃しちゃうと賭けが僕の負けになるから。抱きしめて頭にキスして抱き上げるなんて…僕ってば最高の彼氏じゃん」
ナマエが何か言う前に近くにあったフックに吊るすと容赦なくエンティティが体を貫いた。