その瞬間は突然に
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ケイトに言われたとおり森を歩いてみるが変わり映えしない景色に鬱蒼とした感じが気分を暗くする。引き返そうと思ったらちょうど分かれ道が出てきて一瞬頭の中に同じ光景が浮かんだ。
『私…この道知ってる…?』
体は勝手に右に進もうとしたが耳を澄ますと左から音楽のようなものがかすかに聴こえてきた。
どれほど歩いたかわからないが突然霧が晴れ、音楽に合わせて歌い踊る男性の姿が。最後のポーズを決めたところで思わず拍手をすると彼はナマエに気付いていたのか驚くことはなくニコリと笑ってお辞儀をした。
「拍手なんて久しぶりにされたよ。ありがと☆」
『すごいですね!あなたは…サバイバーキャンプで見たことないからキラーなんですね?』
「アハッ、記憶なくしてるホントなんだね。僕はトリックスター、トリスタでいいよ」
『見た目もカッコいいし芸能人なんですか?』
「大正解☆ここは楽しいけど歓声がないのがつまらないんだよ。だからキミが拍手してくれたのかすごく嬉しかったんだぁ」
トリスタは木にもたれて座ると隣をトントンと叩いた。
「ねぇ、もっと感想を聞かせて」
ナマエは褒め言葉を素直に喜びキラキラした目をするトリスタが人を殺すようには見えなかった。褒められてご満悦のトリスタは立ち上がる直前ナマエの頬にキスをした。
『きゃっ!』
「たくさん褒めてくれたお返しだよ。ナマエのおかげでこのあとの儀式もうまくいきそう☆」
『それってサバイバーとしては複雑なんですけど…』
「どうせ殺されるなら僕がいいだろ。メメントモリも一番カッコいいしブロマイドまであげるんだよ?まぁ、死んでるから受け取れないんだけどね」
『儀式好きそうですね』
「もちろん☆ナマエと儀式で会うのが楽しみだ。いっぱい楽しませてあげるよ」
さっきまでのキラキラした瞳とはまったく別のギラついた瞳に思わず後退りしてしまった。失礼な態度かと思ったがトリスタは逆に気に入ったのか突然距離をつめた。
「その顔いいね…僕が怖い?」
『怖い…です…あの…』
「そんなに怯えないで…今すぐ殺したくなっちゃうから」
『い、今は儀式じゃないから!』
「わかってる…だから殺さないけど、ちょっと傷付けるのもダメ?」
『だ、ダメです!ルール違反になっちゃいますよ!』
「ククッ、ルール違反ってピッグじゃないんだから…あははっ!」
さっきまでの怪しい雰囲気が嘘のようになくなり楽しそうに笑ってる。そんなトリスタに呆然としているとまた頬にキスをされた。
『もう!何するんですか!』
「次は唇にしちゃうよ?油断しないことだね」
「またね☆」と軽やかに帰っていく後ろ姿を眺めながら二度もキスをされた頬が熱くなるのを感じた。