その瞬間は突然に
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不思議なもので記憶がなくても道具の使い方や修理の仕方は体が覚えていた。しかし問題はチェイスだ。
「オマエさん相変わらず避けるの下手だな」
キラーにも私が記憶をなくしたことは広まっているらしく、デススリは出会ったとき心配の言葉をくれた。だからと言って手加減する訳ではないので今まさにデススリの銃が体に食い込み倒れ込んだ。
「記憶失くして最初の儀式か?…ちょっと刺激が強いと思うが我慢しろよ」
申し訳なさそうな顔でフックに吊られ、想像を絶する痛みに悲鳴をあげた。痛すぎてもがこうとするとデススリに止められ、ジェイクが急いで走って下ろしてくれた。
『ジェイク…ありがと…っ』
「痛かったよな。大丈夫だ、すぐに回復してやるからな」
「おっと、俺はあっちの発電機を見に行くか」
「悪いなデススリ」
「何の話だ?ナマエも…悪かったな」
目の前に無防備な獲物がいるのにデススリは攻撃せず遠くで発電機を直すミンたちのところへ向かった。
『こんなのが一生続くの?無理だよ…痛すぎて死んじゃ…わないんだよね?』
「儀式では一度死ぬ。ただ蘇る…おかしな話だけどな」
『ホントに私儀式に参加してたの?こんなの耐えてたなんて信じられない』
「デススリの銃を避けられずによく笑われてたな。あと、トラップにもよく引っかかってた」
『デススリいい人だったね。あとでお礼言わなきゃ』
「だがキラーだってことを忘れるな。アイツらにとって俺たちは獲物だ」
『…ゴーストフェイスもいい人?』
その名前を聞いた途端治療の手が止まった。
「思い出したのか?」
『何を?』
「いや、何でもない。ゴスフェはキラーの中でも性格は最悪だ」
その先を聞こうとするとミンの悲鳴が聞こえ、治療を終えたジェイクが走り出したので修理に向かった。
「ナマエ、おかえり」
目が覚めるとケイトが頭を撫でた。
あのあと最後の一人になりあっけなく吊られてしまった。
『もう儀式行きたくない』
「ふふっ、懐かしい。あなたが初めてここに来たときも同じことを言ってたわよ」
『私はここにどれくらいいたの?』
「一年くらいかしら?ここにいると感覚が狂うから大体だけど」
『私はゴーストフェイスと仲がよかった?』
「えっ…?」
ケイトも同じリアクション
ゴーストフェイスが部屋に来たのは偶然じゃないと確信した。自分は何か大事なことを忘れていると。
『思い出してないんだけどね。気になっただけ』
「私からは何も言えないけど…そうね、たまには息抜きに散歩してみるのもいいんじゃない?例えば森の奥とか」
『えっ、あの暗闇に向かって歩くの?』
「たまに花が咲いてたり貴重な薬草があるからクローデッドがよく出かけてるわ。キラーに会っても攻撃されないのは知ってるわよね?」
ナマエが頷くとケイトはもう一度頭を撫でた。
「無理にとは言わないわ。でも行くなら一人のほうがいいかも、とだけ言っとくわね」
そう言って部屋を出て行ったケイト
あれだけ痛かったことも体を貫いたフックの傷も綺麗になくなっており、部屋にいてもすることがないので言われたとおり森を散歩することにした。