その瞬間は突然に
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あぁ…イライラする
いつものようにナマエのとこに行こうとしたら僕とは違う香水の匂いがした。この森でこんなの付けるやつは決まってる……予想通り派手な衣装のイカれた男が首を絞めてる最中だった。
しかも部屋に連れて行くとか言い出すし、あんな変態の部屋に連れて行かれたら絶対帰ってこれないでしょ。そもそも僕の獲物だし、儀式以外でナマエを殺す権利は僕のものだし。
そんなことを考えてると雨が降り出した
そのままでもよかったけどまた体調崩されても迷惑だから仕方なく部屋に運んだ。エンティティのおかげでデイビッドみたいな大男でも持ち上げる力がもらえたのはありがたい。
本当ならベッドに寝かせるべきだと思うけど土で汚れた体を乗せるのはイヤ。起きたらすぐにシャワー浴びせて雨が止むまでの間だけ部屋に置いといてあげよう。止むまでの間…だけどね。
ガチャと音がして髪の濡れたナマエが戻ってきた。
「そのまま真っ直ぐベッドまで歩いて。余計なもの触らないでね」
言われたとおりベッドの端に座るナマエがいつもと違っておとなしい。緊張してるのか遠慮してるのかわかんないけど新鮮な感じがした。
「言っとくけどベッドに乗ったからって抱いてあげたりしないよ?まぁ、どうしてもって懇願するなら考えなくはないけど」
『はぁ!?そ、そんなこと言わないよ!自分以外の部屋なんて来ないからどうしたらいいかわからないだけで…!』
「プッ…ククッ…本気にとらないでよ。ほら、もっとこっち来なよ」
『こ、ここでいい…』
「ふーん、せっかく抱きしめてあげようと思ったのに」
『えっ!』
ホントおバカさんだねぇ
照れながらもキラキラした顔してさ。
「散歩って言われたときの犬だね」
『えっ?』
「あ、声に出ちゃった」
同じ『えっ』でもそんなに露骨に表情が変わるって面白いね。さっきまでのイライラが嘘みたいだよ。
「抱きしめるのは嘘だけど横にくる権利くらいはあげるよ。ナマエは僕の彼女だからね」
『〜〜〜っ!』
「あはは、変な顔〜」
『急に嬉しいこと言うから…』
「だってホントのことだろ?」
『うん…ありがとう』
「どういたしまして」
なにこのくだらない会話?
でも僕は優しいからもう少しだけこのくだらない時間に付き合ってあげるよ。